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His Convenient Husband
J. L. Langley
HisConvinientHusband★★★ summary:
Micah Jiminezは7歳で孤児となった時、貪欲な親族たちによってすべてを奪われ、あやうく施設へ行くところだった。
だが叔父が働く牧場に引き取られ、そこの経営者の一家に育てられて、まるで家族のように受け入れられた。
Michahはあの時の痛みと喪失、自分が得た幸運と恩を忘れたことはなかった。

二度とあんな思いをくり返すつもりはない。そして、愛する者たちの誰にも、あんな痛みをくぐらせたりはしない。

だが今や、牧場は危機に瀕していた。オーナーは年老いて病となり、その医療費は牧場の維持費を食いつぶしている。Michahはあらゆる手を使って金をかき集めたが、オーナーの死も、牧場の破綻も、時間の問題だった。

そんな時、彼はオーナーの遺言を発見してしまう。

遺言の内容に追いつめられたMichahは、ダラスでビジネスマンとして働いているTuckerに助けを求めた。
Tucker。オーナーの孫であり、Michahとは兄弟同然のように牧場でともに育った。
Michahはその頃からずっとTuckerに恋をしていた。そして18の誕生日、Tuckerとともについに一夜をすごしたが、TuckerはそのままMichahに背を向けてダラスへ去っていったのだ。
彼に救いを求めるのはMichahにとって最後の、プライドと痛みを呑みこんだ、ギリギリの決断だった。

やつれたMichahの来訪に驚き、遺言を見たTuckerは、ひとつの結論に達する。
その奇妙な遺言によれば、彼らが牧場を人手に渡さず相続する方法がまだ残されていた。Tuckerが結婚することだ。
そしてTucherは、Michahと結婚することに決める。牧場のためならMichahがノーと言わないことを、彼は知っていた。
.....



J.L.Langleyの新刊。「Innamorati」シリーズの1、ということで、シリーズものらしい。「Innamorati」というのはイタリア語で「恋に落ちた人たち」という意味らしいです。
そのシリーズ名にふさわしい、葛藤と渇望、さらにちょっとコミカルな部分も加えた一編になっています。

TucherはMichahが牧場に来た時からずっと、この年下の少年を守ろうとしてきた。彼が何を失ってきたか知っているから、Michahをすべてのものから守りたかった。たとえ彼自身からでも。
そして4年ぶりに現れたMichahを守るため、Tucherは結婚という手段に打って出る。
だが結婚は形だけのもので、すべてが終われば、また離れるしかない。そのつもりだった。

Micharが18歳の時なら年上のTucherが「つけこんでいる」ような気がして離れていこうとしたのもわかるんですが、22歳になったんだからもういいじゃん、くっついちゃえよ、とはちょっと思います。
でもTucherがMicharにあまりにもめろめろで、タガが外れそうな自分を怖がっているのも伝わってくるので、その気持ちもわかる。
2人は形式上の「結婚」をして牧場に戻り、伯父(相続を争っている)が納得して引き下がるまで頑張ろうとする。一緒のベッドで(相手にふれないようにしつつ)眠り、伯父の目の前であてつけのキスをして、寝室でちょっとエロい声を上げてみせたり。
たまに本気でキスしたくなったり、しちゃったりしますが、我慢我慢。MicharはTucherがいずれいなくなってしまうことを知っているし、Tucherは最後にはMicharから離れなければならないと思っている。
…もういい加減、幸せになろうよ。何故そこで耐えるかなー。

その意地だけでなく、2人の間にはまだまだ大きな溝がある。
何をおいてもMicharを守ろうとするTucherと、子供みたいに盲目的に守られるのは我慢ならないMichar。彼らは対立し、挑みあいます。なんせMicharはラテン系が入ってるので、気性も激しい。

重い部分もありますが、全体に可愛らしくて、互いが互いにめろめろなのに、距離を置こうとしてもがいているのが笑えます。
わりとあっさりと中編くらいの長さ。J. L. Langleyの割にエロは控え目。短いからか。
Tucherなんか嫌いだ!大好きだけど嫌いだ!と頑張るMichahが本当に可愛いので、「意地っぱり受け」とか、うっかりそれをつついてしまう「ちょっと傲慢な年上攻め(受け溺愛)」が好きなら鉄板のおすすめです。

ちなみにタイトルの「His Convenient Husband」の「Convenient」は「お手頃」とか「都合のよい」という意味ですが、「marriage of convenience」で「政略結婚」という成句になります。成程。

★偽装結婚
★遺言












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