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M/M小説 (原書)レビューブログ

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The Raven King
Goodreads-icon.pngNora Sakavic

TheRavenKing.jpg★★★ summary:
大きな犯罪組織から逃げているNeilを、Andrewは守れると言った。学校に残ってExyをプレイするかどうかはNeil次第だと。
だがAndrewは代価を要求する。天才プレーヤーKevinが逃げ出さないよう、同じチームに引き止めておくこと。

誰もが過去から逃げている。
彼らを守っているのは、社会病質者の青年Andrewだけ。
いびつな、一瞬にして壊れそうな状況の中で、少しずつNeilたちのチームはこれまでなかったまとまりを得ていく。
それは団結ではない。
きっともっと必死でもっと切羽詰まった、一秒ずつのサバイバル。

そんな中、AndrewとAaronの双子にも過去が追いついてくる。いつも一緒にいるくせに互いを憎んでいるこの双子たちにもそれぞれの物語があり、それがついに白日のもとにさらされていく。

そしてNeilの恐るべき敵も、Neilの存在に気がついていた。Neilはついに選択を迫られる。
すべてを捨てて逃げるか。手に入れるつもりもなかったなにもかもを後に残して。
それとも、足をとめて立ち向かうか。たとえ死が避けられないとしても。
.....



All for the Game2。
逃げ回り、警戒心が強く、人を信用しないNeilが少しずつ変わっていくシリーズ二冊目です。
彼とAndrewの関係もこの二巻で大きく変わる。

Andrewは、Neilが大量の偽パスポートを持っていることも逃亡中であることも知っているけれども、周囲にそれを話す気配はない。
彼にとって大事なのはKevinの身の安全のことだけに思える。
とは言っても、サイコパス気味で薬を飲んでいるAndrewに保護欲があるようには見えず、Neilに対してもなんだか「珍しいいきもの」「便利かもしれないいきもの」を見ているような感じです。

そのAndrewが大きな傷をかかえていること、そして彼なりの無慈悲で効率的な形でそばにいる人間を守っていることが、この二巻で見えてきます。
痛みをどこかに強くとじこめてしまったAndrewは、決して弱音は吐かない。ただ自分と世界を切り離しているだけ。
彼を覆った鋼の殻の向こう側をのぞけるのは、あるいはのぞこうという度胸を持つのは、同じくらい大きな痛みを背負って前に進みつづけているNeilだけなのです。
だからこそAndrewはNeilを嫌いながら興味を持ち、Neilの薄皮をはぐようにその中をのぞきこもうとする。
でも忘れてはならない。深淵をのぞきこむ時、向こうだってこっちがのぞけるということを。

二人のわずかな、一瞬だけかさぶたの内側を見せ合うような交流は、ピュアでもあるし痛々しくもある。

いろんな血なまぐさい設定はありながら、スポーツで青春で全寮ものの王道をきちんと踏んでいるシリーズだと思う。
青少年のわかりあえなさと、わかりあえないからこその互いの引力(二人だけでなく、チーム全体としても)が時に繊細に、時に荒々しく描き出されています。

一巻で少しゆったり目だった展開が、キャラ紹介完了で二巻になって走り出した感じ。ほかのチームの面々もはっきりとした個性や役割を見せて、このでこぼこで落ちこぼれのチームがまとまりはじめます。
Neilは気がついていないけれども、彼らをまとめていっているのはNeilの存在なのです。人のことに興味がないといいながら人のことを放っておけず、逃げるべきだとわかっていてもExyを愛するあまり(そしてチームにも愛着を持ちはじめて)自分の命の残りが減っていくのにそこを去ることができない。彼には自分でも気がついていない強さと統率力があって、それが見えてくるのもこの2巻からです。読んでいてとても応援したい。
それにしても人からちょっと優しいことをされるたびに、思考停止でフリーズしてしまうNeilがかわいいやら不憫やら。

2を読むなら3も買っておいたほうがいいですよこれは。
そこそこ青春展開だった2巻の後半から一気に怒濤の血まみれ展開がはじまって3巻になだれこみます。
YAだけれどもむしろ「YAはあまり」という人に読んでほしいシリーズ。有無を言わせぬ少年漫画っぽさもあって楽しいです。

★青春
★自己犠牲












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