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M/M小説 (原書)レビューブログ

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How to Howl at the Moon
Goodreads-icon.pngEli Easton

howtohowlatthemoon.jpg★★★ summary:
Mad Creek。カリフォルニア州の、ひっそりと引きこもった山の中の小さな町。
その町には秘密があった。
そこは犬たちが暮らす町だったのだ。人の姿になれる犬が。

そうとも知らず、一文無しのTim Westonは人生を立て直すために町の小さなキャビンにやってくる。
新種のバラを育てられなければ、売れるだけの野菜を育てられなければ、半年後にはホームレスになるしかない。
金もなく友達もなく、信じられる相手もいない。Timは必死だった。

Timの態度を不審に思った町の保安官Lance Beaufortは、こっそりマリファナを育てようとしているのではないかとこの若者に目を光らせる。Lanceの家系は代々のボーダーコリーで、群れを守る義務感は強烈だ。
その義務感が暴走して、ある夜彼は思いきった行動に出る。犬の姿でTimに近づいたのだ。何をたくらんでいるのか探り出してやろうと。これはのぞきではない、潜入捜査だと自分に言い聞かせながら…
.....



Howl at the moonシリーズの一冊目。
Eli Eastonさんはもともとユーモアのある書き口で注目されてましたが、このシリーズで人気作家としての地位を固めた感がありますね。決してユーモアがいきすぎず、キャラが可愛くてそれぞれに大真面目で、読んでいて気持ちよく安心して手に取れる作家さんです。

シフターものはM/Mジャンルでとても大きな勢力で、メインは狼ながらも昨今はそこにオメガバース設定が入ってきたり、さらに狼以外の動物シフターネタももはや定番となった感があります。
その中で、このシリーズは犬のシフターがテーマ。それも飼い犬だった犬たち。ここは珍しい。
飼い主と強い絆を結んだ犬のほんの一部は、飼い主が死ぬと強い悲嘆の中でどうしてか人間に変身する力を得る。その能力を得た犬たちの子孫は、生まれながらにして変身の力を持っている(Lanceの家系は代々そう)。
なので、自分の世代で人に変身できるようになった犬たちは、必ず愛する人間との別れを経験している。そこには愛と悲しみと二度と取り戻せない郷愁があふれていて、犬好きならもうそこだけでぐっとくる。自分の体の仕組みすら変えてしまうほどの愛と献身。犬ってそうだよね!とぐっと拳を握りたくなるような設定です。

人間の姿になった犬たちですが、犬としての本能や種類の違いが色濃く残っていて、ボーダーコリーの保安官Lanceの群れに対する忠誠心(ボーダーコリーは牧羊犬ですんで群れをまとめたり守ったりする性格)、なつきやすく忍耐づよいブルドッグのGus、そして警戒心が強く自分へのハードルが高いジャーマンシェパードのRomanなど、それぞれの犬の性格をよく描き出しているところもクスッとさせられます。
ていうかとにかく本当に可愛いな!

物語の中心は、町の秘密を知らないTimと、こいつはあやしいとTimに目をつけた保安官のLance。
生真面目きわまりないLanceは、上がり症ですぐドギマギするTimの態度に不信感を抱いてあの手この手で近づこうとするわけですが、Timも人付き合いは不器用だがLanceも空気読めないことにかけては引けを取らない。
全然駄目だ、この二人。
でもそこに謎の犬「Chance」が現われてTimの心をさらいます。孤独で、人間相手にあまりいい思いをしてこなかったTimははじめて誰かと一緒にすごす未来というものを夢見る。野菜を育てながらずっと一緒にいられたら。その誰かが犬であっても…というか犬なら傷つけたり裏切ったりしてこないはず。

不器用だけれどもそれぞれに一生懸命な二人(と一匹?)。ぎくしゃくと、まるで相手の足を踏んづけずにはいられないダンスのように足運びを間違えながら、二人の関係は進んでいきます。
そこにマリファナ騒動とか、Lanceのママの干渉とか(ママ…本当に、何してくれるんじゃ…)いろんな町の問題がやってきて、笑えるエピソードも絡めながら物語は軽やかに進んでいきます。
犬のひたむきさ、そのぶれることのない愛情と忠誠心にとにかくぐっとくる。こんな町があったら絶対住みたいぞ。
気持ちが元気になれる一冊。猫も大好きですけど、犬いいよねほんと…

全体にBLに近い雰囲気もあるので、M/M初心者とか入口入りかけとかの人にもおすすめです。犬好きならとにかく読みたいシリーズ。

★犬シフター
★不器用カップル












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