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「勉強しないで読む」を続けてきましたが、今年はちょっと力を入れて英語の勉強をしてみています。そんなわけで、今月は、シェイクスピアの読み方をさわりだけ教わってみました。シェイクスピアに興味があったわけではないが、引用されてることもよくあるので読み方だけでも抑えられればと。
そしたら意外に(失礼)おもしろかった! 特に目からウロコだったのが「声に出して読む英語」です。
シェイクスピアは劇なので、当然、「声に出して読む」ことを前提にされて作られており、そこを読み解かないとよくわからないのですよ。(学生時代、訳本を読んでも全然おもしろさがわからなかったのですが、それでか!)
私の英語は読書だけなので、「発音」の方はとても弱いんだけど(読み方間違えて覚えてる単語とか絶対いっぱいあるし)、できたらそのあたりも意識していきたいなーと痛感した次第。

前置きはともかく、教わってきた「シェイクスピアの読み方」。
忘れないうちに記事にしてみるとします。(まちがってるところがあったら誰か教えてね!)
これを知って読むと、シェイクスピアってなかなかに凄いんだ、と実感できます。何故シェイクスピアだけがかくも愛されるのか、その理由の一端も「音」にあるのではないでしょうか。

シェイクスピアが使っていた音の手法は「弱強5歩格」(iambic pentameter)と言われ、これは何かと言うと、「弱→強→弱→強→弱→強→弱→強→弱→強」と、「弱→強」の音のつながりが5回くり返されて一行を為しているというもの。シェイクスピアの戯曲は(詩も)、ほぼこの手法を駆使して書かれています。たまに最後が「強」ではなく「弱」で終わったり、逆に「強→弱」といくこともありますが、それはシーンに合わせてシェイクスピアがアレンジを行っているからで、うっかりではないです。
この「弱強5歩格」のため、シェイクスピアの言葉はとてもリズムがいい。

たとえば、「マクベスは眠りを殺したのだ」の名ゼリフ。

Shall sleep no more; Macbeth shall sleep no more.
(もう眠れない。マクベスはもう眠れはしない)

「Macbeth」は日本語では「マクベス」と平坦な感じで発音しますが、実際には「マクベース」、それも「マクベース」という感じで後ろにイントネーションが入ります。
このMacはマクドナルドとかのMacと同じ、スコットランド人の名前の頭について「son(息子)」を表すもの。マクドナルドは「ドナルドさんの息子」。英語で、「ジョンの息子」がジョンソンになったみたいなもんです。最近、昔のテニスプレーヤーのマッケンローも「McEnroe」で、Mac(の省略形)がついていたのだということに気が付いてビックリ。

さて、話を「弱強5歩格」に戻します。
強を赤、弱を青にして(まあフィーリングです)上のセリフをもう一度表記。

Shall sleep no more; Macbeth shall sleep no more.

きれいに「弱強5歩格」になっていて、口にするとなかなか気持ちがいいです。
こんな感じで大体のセリフが書かれています。
マクベスが幻覚の短剣を見るシーン(「おお、短剣が見える」とか「この手につかませてくれ」「つかめない、幻影なのか?」などなど)では(強:赤のみ明示)

Is this a dagger which I see before me,
The handle toward my hand? Come, let me clutch thee.
I have thee not, and yet I see thee still
Art thou not, fatal vision, sensible
To feeling as to sight? or art thou but
A dagger of the mind, a false creation,


(thee→「you(目的格)」 thou→「you(主格)」の古い形。発音は「ジー」「ザウ」のように濁る。thをカタカナで書くのは邪道だがっ
*最後が「弱」で終わる行があります(青で表記)が、それについては後述。

さて、シェイクスピアはこうして意図的にリズムを作ってある言葉なので、「音として」まず気持ちがいい、シェイクスピアの戯曲の大きな特徴です。それゆえに人の記憶に残りやすく、今でも引用に使われたりするのでしょう。

ロミオとジュリエットの「ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの」は
O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?

で、これ数えてくと、「弱強5歩格」の最後にひとつ弱い音が余りますね。で、この「最後に弱い音が何故か余る」手法にも実は名前があって、「フェミニンエンディング(弱い語尾)」と言います。
これはマクベスの中でも、マクベスが不安に襲われた独白のシーンなどでも使われた手法で、普段と違って最後を弱い音で引くことで不安感などを演出したのではないかと言われているのです。(私はこれ、日本語で言うなら破調とか、意識的な字余りに近いのではないかと思っていますが…)
つまり、上の「俺の目の前にあるのは短剣か?」の最初の2行(や最後の一行)の独白がフェミニンエンディングなのは、マクベスの心の不安を表しているためです。
ちなみにこの行も、「弱→弱→強→強」と解釈して、マクベスの錯乱ぶりを表しているという説もあるようです。(下記)
Art thou not, fatal vision, sensible

Shall sleep no more; Macbeth shall sleep no more.
とか
O Romeo, Romeo! wherefore art thou Romeo?
とか、口に出してリズム取ってみると、非常に抑揚のいい言葉であるのがわかります。
シェイクスピアは「声に出して読みたい英語」だったんだなー、と。

さらにシェイクスピアの作品では多くの「韻」が駆使されており、この韻は現代英語を読む上でも大事な要素なのですが、長くなったのでそれは次の記事。












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