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Shenandoah
Ally Blue
Shenandoah★★☆ summary:
Mother Earthシリーズ2

海の怒りによって、かつて栄えた文明は脆くも失われた。
人々は過酷な自然の中に隠れ住みながら、あるいは群れを作って戦い、あるいは互いを狩って生き延びていた。

出会ったばかりの男、追放者であるDragonを守るために己の部族を去ったBearは、旅が過酷さを増してもその決断を決して後悔したり、振り返ったりはしなかった。
彼らを受け入れてくれる部族はどこにもないだろう。ただひとつ、「Shenandoah」──どこかにあるという、誰もが平等に暮らせる街以外は。伝説のその地を探すのはBearの夢でもあったし、そこへ向かうことに迷いはなかった。
たどりつく方法はまだ知らない。だが必ずたどりつける。Bearの確信に揺らぎはない。

だが、DragonはBearにそんな決断をさせてしまった自分自身に迷いを感じていた。
Shenandoahなど、所詮は噂にすぎない。夢にすぎないだけの存在だ。本当に存在しない街を探し求めて何になるだろう?

Bearは強い。彼はひとりでも生きていける。
Dragonも決して弱い戦士ではなかったが、Bearに比べれば、常に彼の足を引っぱる。そのことがいつか悪い運命をもたらすのではないかと、Dragonは旅の中で懐疑心を抱くようになっていた。
いつか、Shenandoahなどどこにもないのだと悟った時、Bearはそんな空しい旅に自分を引きずり込んだDragonにも失望するのではないだろうか。ならば、今の内に彼らは離れた方がいいのではないだろうか。
.....



短編「Dragon's Kiss」の続編。これだけでも読めますが、続けて読んだ方がわかりやすい。
前作は本当に短い話だったので、キャラの陰影もそれほど深くはなく、全体のファンタジーや廃虚の雰囲気を楽しむ感じの話でしたが、続編はそんな2人の姿や、2人の差をくっきりと描き出しています。

食うか食われるか。そんな恐ろしい場所になった世界を、2人は安全な場所を求めながら旅をしていく。旅の細かいディテールがよく練り込まれていて、読んでいて楽しい。
Bearは「Shenandoah」という神話の街にたどりつこうとしていて、Dragonはそれに従うけれども、決してShenandoahの存在は信じていない。そんなものはただの噂にすぎないと思っている。ここで彼らは大きくくいちがう。

Bearは強く、迷いなく、その名の通り獣のようなゆるぎない強さと本能を持つ男です。Dragonは知的で論理的だけれども、その分迷いやすい。
そんなDragonの悩みは、旅の間に少しずつふくれあがっていって、彼を苦しめていく。

Bearがすごくいい男で、がっつりと「雄」って感じの男なんですが、決して雑なわけではない。DragonがShenandoahを信じないまま、Bearに従っているだけだと言うことも、何かを悩み始めていることも感じている。
でもそのことすら軽々と両肩に担いでしまう、そんな力強さがあります。「DragonがShenandoahを信じていなくても構わない。自分が彼の分も信じてそこへ向かえばいい」という揺るぎのなさ。
Bearの気持ちはまっすぐで、純粋で、時に荒々しい。Dragonはそんな彼に対してどこか負い目を感じていて、心の影を振り払えない様子がリアルで、痛々しくもあります。コントラストがよくてきれいなカプです。

着の身着のままで土ぼこりにまみれて旅をしていく、みたいな野性味のある話なんですが、こういう人たちのエロってスラだと雰囲気が出てていいよな~と思います。
言い方は悪いけど、ちょっと小汚い感じや、生々しさがよく出ているんですよね。そういう何か生々しい文章って、我に返って和訳してみるとあんまり萌えなかったりするのが不思議ですが。

滅びかかった世界を旅していく雰囲気もよく出ていて、ファンタジー好きにおすすめ。
ラストに向けての流れも実にこなれててうまいと思う。旅の終わりでもあり、何かの始まりでもあるというおさまりのよさがさすが。
この2人の話はこれでおしまいかなーと思いますが、シリーズとしては続いてほしいシリーズです。

★伝説の街
★2人だけの旅












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