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Out of Light into Darkness
T.A. Chase
Out of Light into Darkness★★ summary:
その世界では、吸血鬼がすべての権力を握り、人はそのなわばりの中で彼らの「餌」として生きつづけていた。

Andorはもう何百年以上もの齢を重ねた、強大な力を持つ吸血鬼であった。
だが、いつのまにか彼の屋敷にいる「餌」の群れは何者かの手によって汚染され、その汚染は彼の視力を奪いはじめる。

ひとりだけ、汚染されていない、ビュアな血を持つ人間がいた。
Sven。Andorが幼い頃から目をかけてきた青年。
そのSvenはAndorの屋敷を脱走して姿を消していた。

Svenは、Andorの「餌」のひとりであることにもはや耐えられなかった。
彼はAndorを敬慕していたが、「餌」以上のものとして自分を見てくれないAndorに失望し、逃げ出したのだ。

Andorは、Svenの血だけでなく、Svenの存在そのものを必要としている。だが誇り高い吸血鬼が人間に弱みを見せることなどできるだろうか?
それともこのまま、Svenを拒否し、すべての光を失うのが彼の運命なのだろうか?
.....



とりあえず舞台は現代と考えていいようです。現代パラレルと言うか。
吸血鬼が支配する世界で、Andorはサンフランシスコ一帯を領地に持つ強大な吸血鬼。

Svenは、かつてAndorがまだ人間だった時に愛した女の子孫です。吸血鬼と化して、Andorは彼女との未来を諦める。
かわりに彼女は、Andorのために「群れ」となる子供たちを生んだ。彼女の血を引く一族が、現代までAndorの「餌」として飼われつづけています。だから、Andorはほかの吸血鬼のように「餌」たちを非情に扱ったりはしませんが、いささかいびつな状況です。

Svenはまっすぐだけれども少し直情的すぎるところもある若者で、Andorの素っ気ない態度に傷ついて姿を消そうとする。
やがて連れ戻されてしまうのですが、それからも反発したり逆らったりと、主人である吸血鬼を前にして気骨のあるところを見せてくれます。
彼を支配しようとしつつ、Svenの率直さにとまどい、どうするべきか迷うAndorが、段々と自分の気持ちをひらいてSvenを受け入れていくあたりが読みどころです。しかし、Andorが「人間」であったのはもう何百年も前のことで(バイキングの戦士だったと言うので、12世紀ぐらいの人かしらん…)、うまくふるまえないAndorは、時にあまりにも冷たくSvenを傷つけてしまうのです。

不器用と言えば不器用な人(吸血鬼)なんですが。
Andorは、視力を失いながらそのことを恐れ、傷ついている。でもあまりにも誇り高い彼は、Svenを心底必要としているのに、そのことを伝えられない。
脆さをかかえながら、あまりに長い間人間であることを捨ててきた彼は、自分の脆さにすら気付いていない。
彼には、Svenの助けが必要なのです。

引いたり、押したり。うろたえたり(主にSvenが)、怒ったり(主にSvenが)、傷ついたり(主に…)。
さらに、Andorを害そうとして「餌」たちを汚染させた敵の存在もある。もしその敵がこのなわばりを奪えば、Addorの「餌」たちは皆殺しにされてしまいます。
色々な要素が入り混じってテンポよく進んでいく話で、気をそらさずに最後まで読めます。

変わったバンパイア物が読みたい人、「主人と餌」みたいなねじれた関係の恋が好きな人におすすめ。

★吸血鬼×餌
★現代パラレル












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