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Wolf's Survival
T. A. Chase
Wolf's Survival★★ summary:
アメリカ内務省で野生生物保護の仕事をしているOliver Wingateは、Red Criffの町を訪れる。
絶滅した狼の回復活動の一環として、内務省は狼のペアをRed Criffに接する野生の保護地域に離すことを決定したのだった。
それは狼の種としての回復とともに、野生の動物の生態系のバランスを取り戻すための試みでもあった。

小さな町の保守的な牧場主たちは、狼と役人の両方を毛嫌いして、激しく反発する。
かつてこの地には狼たちの群れがいたが、人々はそこを開拓し、狼を絶滅させてこの町を作ったのだった。

だが、彼らの知らないところで、狼は生きのびていた。
ただ一頭の生き残り。群れを失った狼は、人と関わりをほとんど持たずに孤独に暮らしていた。
家族を失い、最後の一頭となった人狼。
Jacob Tasker。

Oliverに出会ったJacobは、長い年月の中ではじめて誰かに心を許しはじめる。
だがJacobの秘密と長すぎた孤独は、彼を最後のところで押しとどめる。

果たして二人は、Jacobの心の中の壁をこえてお互いに手を差し伸べることができるのか。
.....



今回ぐぐってみて知ったのですが、「狼の再導入」と呼ばれる回復計画は1970年代から行われていたんですね。
人狼の末裔のJacobは、故郷を離れているうちにすべての一族を失い、残っていた妹までも人間のせいで見失った。彼は人を信じていない。
牧場の犬たちだけが、孤独な彼の友です。

Oliverは狼を愛し、人を信じている。
彼は5年前に恋人をイラクで失ってから、その喪失をかかえていきています。前向きだけれども、繊細でシャイな男。

彼らは、出会った時から相手に対して大きな磁力を感じる。けれどもJacobの気難しさや、彼のかかえる秘密が二人の間にたちはだかる。
「狼をこの地に呼び戻したい」とJacobの協力を求めるOliverに、Jacobは「彼らはその時がきたら人の力を借りずに戻ってくる」と冷淡に答えます。彼はもう、人を信じていない。

とは言え、T.A.Chaseのカプらしく、相手に対して純粋な気持ちを向ける様子は愛らしくて、苦しみをかかえたそれぞれの様子もそんなにダークなものではありません。
甥っ子の教育のために「毒づかない」と決めているOliverの口調がかわいくて、「shit」とか「fuck」とか「damn」とか言えないものだから、色々な形で何か言ってます。何故か食べ物が多い。"swedish fishes" とか "duck farts" とか。
あんまりバリエーションがあるんで、今度リストにしてみようかと思います。

Oliverに強い支配欲を覚えつつ、人間不信や自分が抱えた秘密の重さに葛藤するJacobの姿が、物語にいい具合の陰影を付けています。
Jacobが満月の夜、死んだ一族の毛皮を保管している秘密の部屋で、ひとりずつの毛皮の匂いを嗅いで孤独を噛みしめるシーンは深くて、味わい深い。

元々ブログで連載していたストーリーですが、エピローグやシーンをいくつか足していますね。特に追加されたラストは、Jacobの言った「狼たちは、その時がきたら戻ってくる」という言葉に呼応していて、希望に満ちています。
孤独な狼と、シャイだけど強気な男のカプに萌える人におすすめ。Oliverに対する自分の保護欲の強さにとまどっているJacobの様子なんか、とても愛らしいです。でかくてゴツくて、支配的なのに、肝心なところでたまにたどたどしいんですよ。

★最後の狼












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