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Deadly Wrong
Victor J. Banis
Deadly Wrong★★★ summary:
サンフランシスコ警察殺人課の新米Stanley Korskiは、上司に辞職を申し出る。
前の事件を解決できたのは運によるものだとわかっていたし、自分が警官に向かないことも彼にはわかっていた。
そして何よりStanleyは、Tomが2度と彼の方を見向きもしないだろうことに耐えられなかった。
Tom Danzel。決して自分がゲイであると認められない男。

上司はStanleyの辞職を留保し、とりあえず休暇を与えることで決着する。
そんな時、Stanleyは古い友達から電話をもらった。彼女の弟が人を殺したとしてつかまったのだと言う。
何かができるとは思えなかったが、Stanleyは押し切られて彼らの住むBear Mountainへ向かう。

山あいの小さな町で、彼が見たものは、保守的な人々の中でほとんど野放図にゲイとして生きていた被害者、そして彼の体を自分の好きに使っていた男たちの姿だった。
被害者が持つ唯一の「友」がCarlであり、そのCarlが今回の容疑者である。
状況はきわめてCarlに不利に見えたが、Stanleyはおぼつかないまま捜査をはじめる。

そんな時、サンフランシスコのStanleyの自宅をTomが訪れ…
.....



Deadly Nightshadeの続編。Deadly Mystery シリーズ2です。

前作で気になったStanleyの「オネエっぽさ」はなりをひそめてて、この人はこっちの方がいいと思うなあ。口から先に生まれてきたかのようなおしゃべりと早合点はそのままですが、そんな後先考えない活発さがStanleyのいいところ。

彼はシリーズ1で、クローゼットに深々と入った(入っていることを自分でも知らないほど)警官Tomに恋をしますが、結局Tomは自分の体面や未来のためにStanleyを去る。
傷心のStanleyは警察をやめてインテリアコーディネーター(これはどうも「ゲイっぽい」職らしい…)に戻ろうとするものの、意外にも上役からの評価が高く、結局辞職は保留されます。
そして古い友達を助けるために田舎町へと単身向かう。まあそのへんの無謀さも彼らしい。

「トラブルマグネット」とTomに言われたStanleyの性質は相変わらず健在で、彼はあちこち鼻をつっこみながらどうにか友達の弟の容疑を晴らしてやろうとする。
この話は真ん中近くまでTomが出てきません。ので、途中まではStanleyひとりによるTomへの恨み節とか未練と、事件捜査記録です。
まあ勿論、恋人は彼のピンチに駆けつけてくるわけですが。最後まで出てこないんじゃないかと思ってちょっとはらはらした。Tomはあんな強面だけど、結構理解があっていい男なんだよなあ。一見ただのマッチョですが、一皮剥けば「保護者」タイプのようで、StanleyはTomの保護者ボタンを押しまくるみたいです。

この話では、別れた2人がまたくっつきつつ、でも自分の立ち位置がよくわからない、Tomが何を求めているのか理解できないStanleyが迷ったり怒ったりするのも読みどころですが、一方で事件の陰影もなかなか深い。
特に、殺された青年の、誰とでも寝まくって、自分に暴力を振るうバイカーに依存していた姿は痛々しい。彼は結局、セックスを通してしか人間関係と言うものを感じられなかったのかもしれません。話の後半で出てくるのですが、友達のCarlに拒否された彼が1人で泣きじゃくっていたというシーンは非常に孤独で、そこに彼が陥っていた闇があるような気がします。
田舎町特有の閉塞感や、優越感や劣等感が至るところににじみ出す人間関係がよく書けていると思います。

読むならシリーズ1から。スラ要素のあるミステリって感じですが、入り組んだ人間関係が好きな人ならかなり楽しめるかと。主人公2人も入り組んでるけど、今回はほんとに背後で人と人との負の感情が絡み合ってて、最後に浮き上がる犯人の姿にも説得力を与えています。

「自分から別れた筈の相手を忘れられずに追っかけてしまうマッチョ」とかに萌える人にもおすすめ。TomはStanleyに自分の気持ちをなかなか言えませんが、それはわざとではなくて、表す言葉が見つからないからです。いい男ではあるんだが。
まだまだ彼らには波乱の予感がありますね。シリーズの先も楽しみです。

★別れた恋人
★自称ストレート












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