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Nine-tenths of the Law
L.A. Witt
Nine-tenths of the Law★★☆ summary:
“I believe you have something of mine, Zach.”
Zach Owensはバーで見知らぬ男からそう挑まれ、とまどうしかなかった。
彼の物を持っているだろうと言われても、Zachは目の前の男をまるで知らない。

だがZachの恋人、Jakeは相手の顔を見て顔色を変えた。
彼らは他人ではなかった。4年間の恋人同士だったのだ。

知らずに他人の恋人を寝取っていた事実をつきつけられて、Zachはひどい罪悪感にさいなまれ、立ち去っていく相手の男を追いかける。ただ謝罪したかった。そんなつもりはなくとも、彼を傷つけていたことにかわりはない。

相手の男の名はNathanと言った。おかしな出会い方をした2人は、そのテンションのままに一夜を共にして、別れる。
数日後、Zachの経営する映画館にNathanが姿を見せ…
.....



人の恋人を寝取ってしまった男と、寝取られて激怒している男の話。
彼らをつなぐのは2人を裏切っていた誠意のない男。でも憎しみに満ちた筈の出会いは、予想外の方にころがっていくのです。

同じ男に裏切られていたと知った彼らは、互いに惹かれるものを感じて関係を持つようになるのですが、Nathanが人を信頼していないことにZachは段々気付いていく。Nathanには恋人に裏切られた過去が──今回だけでなく──あり、そのため、Zachが仕事で遅くなったりデートをキャンセルしたり、電話に出なかったりすると、その裏にある物をすぐに疑ってしまうのです。
また裏切られるのではないかと。
疑われるたびにZachはとまどい、傷つく。

カジュアルなセックスフレンドならともかく、ある程度の関係になってくると信頼は重要です。信頼のない関係は長続きしない。
ZachはNathanに信頼されたいけれども、どうしたらいいのかわからない。Nathan自身にも、人をすぐに疑ってしまう自分の気持ちをどうしようもないのかもしれません。

誠実なZachの性格がなかなかいいです。場末の映画館を友人とともに買い取り、掃除をしてきれいにメンテナンスし、ギリシャの劇場の名前を付けて経営に精を出す。言うことを聞かない映写機をがんばって修理し、だらしのない従業員を解雇して溜息をつく。そんな毎日。
誰に対しても彼が誠実に接しているのがわかるだけに、何故Nathanが彼を信じられないのか、不思議になるほどです。

しかし信頼の問題をどうにかNathanが乗り越えない限り、彼らに未来はない。Zachは、永遠に疑われながら関係を続けていくことはできない。
どれほど好きでも。好きだからこそ。

「Nine-tenths of the Law」ってのは所有に関して定められた法律のようで、「実質的に所有していれば所有権がある」みたいなことらしい。
2人を手玉に取っていた男があんまり魅力的に見えないのはちょっと残念かな。ZachもNathanもいい男だから、彼らがだまされた相手はもうちょっと魅力的な方がうれしいなあ。でもそうなると話がまた複雑になるか。

L.A.Wittははじめて読んだのですが、凝った設定で人間関係をひねって話を始めるのがうまい作家です。人と人との間の緊張感が高くて、気持ちのねじれがおもしろい。
マイナス感情からはじまる人間関係が好きな人におすすめ。

で、この「Nine-tenths of the Law」をうっかり2冊買ってしまった(カートを行き来してる内に2冊入ってたらしい…)ので、1冊今週中にプレゼントします。うかつであった。

★恋人の恋人
★信頼関係












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