Only For Him
Shawn Lane
★★ summary:
法律事務所でアシスタントとして働くBarnaby Lassiterは、事務所の弁護士の1人、Nathan Llewellynに惹かれていた。
だが、彼はどうしたらいいかわからなかった。
何故Nathanのような生真面目な、社会的地位のある人間がBarnabyに興味を持つだろう? 髪を染め、逆立てて、ピアスをして化粧をした若者に?
実際、Nathanの目にはBarnabyのことなどうつってないようで、彼らはまともに話をしたことすらなかった。
ひどいインフルエンザでベッドから起きられず、事務所に電話したNathanは、書類を届けにBarnabyが来ると聞いてうろたえていた。
Barnabyは今のNathanが一番会いたくない相手だった。
あのゴージャスな青年のそばにいると、Nathanはまともな口も利けなくなる。まるで初恋に落ちたティーンのように、目を合わせることすらできない。
思い悩みながらNathanがドアを開けると、そこにはBarnabyには見えない、だがたしかにBarnaby本人が立っていた。あの金髪と化粧はどこに行ったのだろう?
Nathanには、何故Barnabyが変わったのか、変わろうとしているのか理解できない。
彼らはまるで違う世界の、違う人間同士。誰が見ても似合いのカップルではない。
だがそんな差をのりこえて、2人は自分たちの恋を育てることができるのだろうか?
.....
opposite attraction、というやつがテーマですね。渋谷系の若者と堅物の弁護士(しかも眼鏡)、10歳差って感じでしょうか。
渋谷系っていうよりビジュアル系入ってる気がしないでもないんですが。
なかなかにBarnabyがかわいくて、彼はNathanが自分を見てくれない!と思い悩んだ末、兄に相談して、「Nathanが相手にしそうな人間」になってみることにする。髪染めと化粧を落とし、社会人らしい格好なんかしてみたりして。
でも、実はNathanは元の、奔放なBarnabyが好きなのです。自分にそういう自由さがないことを知っていて、過去から臆病になっているNathanは、人生を楽しむBarnabyの存在に惹かれている。
噛み合っているようで、噛み合わない2人です。
かいがいしくNathan看病しつつも、病人が寝てると飽きちゃうBarnabyの勝手さとかもかわいらしく書かれています。だってNathanが寝ちゃっててつまらないんだもん!みたいな、その感じがBarnaby。
看病のお礼に夕食をご馳走するよ、とNathanに言われれば天にも昇る心地だし、でもその後何の音沙汰ももらえないと土砂降りに降られたようにへこむ。
そんな活発なBarnabyを見ながら、Nathanは「彼が自分を好きになるわけがない」と勝手に決めている。
Nathanの「常識的なところ」がつい口うるさい注意の形で出たり、積極的に出てみたもののNathanがいつ「やっぱりやめよう」と言い出すのではないかと不安なBarnaby。
お互いの差そのものよりも、その差を気にする自分たちの心の内にこそ恋の障害があるようです。
短めで、ほどほどのアップダウンがあって可愛い一冊です。気楽な読書がしたい人におすすめ。
ここの弁護士事務所は、群像劇風のシリーズの舞台なんだと思います。ほかの本はまだ読んでないんだけど、そのうち読もうと思います。
★正反対の2人
■ShawnLane ■長さ:1~3万語 ■キーワード:年の差 ■キャラ:弁護士 ■キーワード:人見知り