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After the Storm
Chrissy Munder
After the Storm★★☆ summary:
病で余命少ないVincent Poulsenは、最後の自分の住み処として、古い灯台を選んだ。
ここなら心配する誰かに囲まれ、朝から晩までその日の気分を聞かれることもなく、静かにすごすことができる。最後の仕事に集中できる。

望み通り灯台の塔で静かにすごしていたVincentだが、ひどい痛みの発作の後、彼の目の前に幽霊が現れる。
Captain Cason。19世紀の船乗りであり、かつてこの灯台に住んでいた男。そして何故か、死後もそこに住み続けている男。

VincentとCaptainはお互いを追い出そうとしたが、結局のところ合意に至り、しばらく一緒に暮らすことになる。

意外にもそれは悪くない日々だった。CaptainはVincentの痛みが日々ひどくなっても、Vincentのしたいことに口を出すことはなかったし、悪い話相手ではなかった。
だが彼は、何故灯台に住みつづけているのか、その問いには決して答えようとしなかった。
.....



死んでいく男と、灯台に住みついたゴーストのストーリー。
意外なことですが、この二人がカップルなわけではありません。彼らの奇妙な一瞬のつながりや、それがもたらす結果を書いてはいますが、スラとしてはこれは「Captainと、彼が遠い昔に愛した男」の話。

口の固い船乗りは過去のことをなかなか語ろうとしませんが、19世紀の追憶が少しずつ表れてくる。彼が段々と事情を明かすのは、Vincentが死につつある男であることも関係しているのかもしれません。
やがてあらわになる過去の出来事は痛々しくて、Captain Casonが恋人の亡骸を離せずに海に沈んでいくくだりなどは胸に迫るものがあります。
あんまり湿っぽい男には見えないので、余計にそのシーンが美しい。

死の気配に満ちた話ですが、筆致は淡々としていて、物語の輪郭は丁寧です。
Vincentにせまる死、Captainの過去、そして彼らの目の前にやってくる嵐。

「After the Storm」──かつて、嵐の後には、ひとりのゴーストが生まれた。
今度の嵐の後には、また別のものが生まれるのです。

この短さで、なかなかうまく書かれた話なので、幽霊話や寂しげな雰囲気の話が好きな人におすすめ。
色々と、読み終わった後も想像がひろがる話です。

★ゴースト
★病人












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★Three-Star rating system★


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