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Wishing For A Home
T.A. Chase
Wishing For A Home★★★ summary:
Derek St. Martinは人気のカントリー歌手であった。
名声と富。熱狂的なファン。
望む物を手に入れた筈なのに、Derekの心はいつも空だった。

ゲイであることを知られるわけにはいかない。それは彼のキャリアを滅ぼしかねないとマネージャーは言い、Derekは何年も嘘で塗り固めた生活を続けてきた。
だがもう限界だった。
薬で痛みをやわらげながら、このままどんなふうに生きていけるだろう。

義理の弟は彼に休みをすすめた。誰も彼のプライバシーに踏み込んでこない、静かなところ。
知り合いがいい牧場を持っていると言う。

牧場頭のMax Furloは、カントリーシンガーがやって来ると聞いて、あまりいい気持ちではなかった。
牧場のオーナーたちは、彼にセレブのお守りをまかせてヨーロッパへ出かけてしまったのだ。
わがままな歌手の面倒を見るつもりなど、彼にはさらさらなかった。

音楽の寵児と、無愛想なカウボーイ。
彼らの出会いは偶然で、たとえ一線を踏み越えるとしても、それは一夏限りの軽い遊びで終わる筈だった。
.....



Homeシリーズ第三作。
今回はTonyとBrody(Home of His Ownより)の牧場が舞台ですが、2人はTonyの甥に会いにヨーロッパへお出かけ中。
残された牧場頭のMaxと、そこにバケーションにやってきたカントリーシンガー、スーパースターのDerekの話です。

Derek St. Martinは前作の「Home of His Own」にちらっと出ていますね。Tonyがハワイから帰る飛行機で隣に乗り合わせて、2人で話をしていた。
Derekは深くクローゼットに入ったゲイで、そのことにすっかり疲れ果てている。誰も彼を気にしない静かな牧場に来て、ゆっくり眠り、彼はやっと自分を見つめる時間を取り戻します。そして、そこにいるカウボーイMaxに視線を惹かれる。

彼とMaxが近づく、その過程はゆっくりです。
そこに何かがあるのを知りながら、まず2人は友人として親しみを持ち、互いを認めあう。Derekの歌に対する情熱をMaxは理解し、DerekはMaxの頑固さと誠実さを心地いいと思う。

これまでのシリーズ二作のように、大勢がより集まってわやわやと疑似家族をしているにぎやかさがないのは淋しいですが、DerekとMaxがゆっくりと関係を作り上げていく様子はひたむきで、真摯なものです。
2人とも、これがこの夏だけの関係であると知っている。休暇が終わってDerekがまた「スーパースター」に戻れば、Maxと関係を続けられるわけがない。Maxは嘘の中で生きることは出来ないし、Derekはスーパースターの仮面を外せない。
それでも、その夏だけでも、彼らは丁寧に相手と向き合おうとするのです。
それは、深い孤独や傷を知っている者同士の、おだやかな癒しの行為でもある。いかにも大人同士という感じが素敵だ。

最後の最後にDerekがする決断は深いもので、彼がその道を「Maxのためではなく、自分のために」選びとった、そのことが本当に深い。
それ以上、自分を失わないために。
でもそんなふうにはっきりと彼の姿を鏡に映し出し、Derekに自分の望むものをわからせてくれたのも、Maxの存在と愛情なのです。

前作までのキャラがちらちらと出てくるのも楽しい。次の話のネタも蒔かれています(次はPeterでしょう、きっと!)。
ワイオミングの自然も美しくて、その中でゆっくりと心をほぐしていくDerekの姿が静謐に書かれています。

単体でも読めるけど、他のキャラもうろうろしているので、DerekとMax以外の人間関係がつかみにくいかも。やはりこれはシリーズでいった方がいいと思います。
カウボーイ好き、孤独な2人の大人がわりとのどかに互いを好きになる話に萌える人におすすめ。

★一夏の恋
★スーパースター












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