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The Gentleman and the Rogue
Bonnie Dee
Summer Devon
The Gentleman and the Rogue★★★ summary:
1813年、4月、ロンドン。
男の馬車に乗りこんだ時、Jemは一夜の寝床と食事、ちょっとした稼ぎが得られればそれでいいと思っていた。
負傷して軍から退いたAlan Watleighは、ゆきずりの男娼と一夜の快楽だけを求めていた。

どちらも、それが人生を変える出会いになるとは気付いていなかった。

路上で暮らし、体を売り、盗みを働くJemと、軍を率いた将校であり貴族であるAlan。
家族を失い、生きる希望をなくしていたAlanは、うらぶれた境遇の中でもひねくれないJemの強さと、したたかさ、物慣れた風体の奥にある純粋さに惹かれる。
そしてJemは、食べる物にも寝る場所にも困らない筈のこの貴族の、孤独でうつろな表情に心を痛め、せめて短い時間だけでも彼に笑顔を取り戻したいと思う。

Jemが泥棒でもあると知りながら、Alanは彼を自分の侍従にする。
いくつかの不協和音はあったが、彼らは互いにうまく落ちつきつつあった。
そんな時、Alanが戦闘で失った部下の娘の身に苦難がせまっているという話を聞き、Jemは主人とともにロンドンを出て少女を助けに向かう。だが、その旅は2人の距離を縮めると同時に、秘めなければならない彼らの関係を明るみに出す危険もともなっていた。
.....



貴族とごろつきの少年(19歳)の話。

貴族のAlanは戦争で多くを失い、足を失う寸前の大きな負傷を負い、疫病で家族を失い、今はただ孤独に暮らしている。彼に忠誠を尽くす元部下がそばにいるけれども、その存在は孤独を癒すものではなく、Alanは、己の死を意識しています。
生きることの意味を失った男。
でも最後に、自分の薄汚い欲望(Alan視点では)を満たそうと、街に出かけて男娼を拾い上げる。それが彼の人生を変える。

Jemはしたたかで、人生の暗い面を大量に見てきた少年ですが、その奥に子供のような無邪気さを持ち合わせている。よくしゃべる少年で、楽しければしゃべり、不安になればしゃべり、思いついたことをしゃべり、人を楽しませようとしてしゃべる。
彼がAlanのわずかな笑みのために色々な小話をする、その様子がすごく可愛い。ほだされたAlanは、やがて、そんなにおもしろくない話でもJemの話のオチに笑ってやるようになるのです。すごい変化だ。

Alanはずっと自分の欲望を恥ずべきものだと思ってきた。勿論、時代が時代なので男色が明るみに出れば死罪ですが、自分の性癖を憎み、快楽を忌まわしいと思い、Jemを抱いた後もひどい自己嫌悪にさいなまれる。
そんな彼がJemのそばですごすにつれ、段々と変わっていく。Jemのしぶとい明るさがAlanの人生を照らしはじめ、Alanの心の中に凝り固まっていた色々なものが、少しずつほどけていく。戦争の記憶、悪夢、孤独。
そしてJemは、人生で初めて自分の居場所を見つけ出す。
境遇も身分もまるで違う2人が互いの存在を必要とするようになる様子が丁寧に、どことなくほのぼのと描き出されています。
Jemの明るさとAlanの生真面目さが時おりかみ合わない、その様子も可愛くて笑える。

キャラクターもすみずみまで丁寧に作られていて、脇役もいい味出してますね。傷だらけの部下、救い出された少女、頭のねじがゆるんだ医者。
基本は押さえつつ、ステレオタイプにならないだけの雰囲気や特徴をキャラに与えるのがすごくうまいと思う。激しい派手さはないんだけど、誠実で、読んでいて気持ちの奥がゆるむような話です。
にしても、急ぎの旅の途中なのに、お茶の時間に馬をとめて茶を飲むところがイギリス人だ…(急ぐために野営までしてるのに)

ヒストリカルもの、身分の差が好きなら鉄板。
Jemがエロの最中にどうにかAlanに dirty talk をさせようとするけど、育ちのいいAlanが使い物にならないあたりなんかもすごく可愛い。そのうち教育されてしまいそうだけど。

★身分の差
★主人/侍従












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