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Quinn's Hart
Cassandra Gold
Quinn's Hart★★☆ summary:
Quinn Delaneyはこれまで出会いに恵まれたことがなかった。6フィート7インチ(約2m)と身長が飛び抜けて高く、シャイな彼は、36歳になる今まで人とうまく接することができなかった。
彼は、酒のみの父親をなくしてから施設で育った。そこで出会った友人が、今やただひとりの彼の家族であり、親友だった。

その彼女のたのみを断りきれず、人数を合わせるために、Quinnは独身ツアーに参加する羽目になる。
ストレート、ゲイ、レズビアン、それらの独身者がごっちゃになってディズニーワールド行きの旅をするのだと言う。
Quinnは旅がひどい結果に終わるだろうと思いつつ、仕方なく参加して、初日から身の縮むような思いをしていた。

31歳の小児科医Josh Hartは、勉強ばかりであまり子供らしい子供時代をすごしたことがなく、はじめてのディズニーワールドへの旅に年がいもなく胸をときめかせていた。
一緒に行く筈だった恋人がつれなく彼を去ったが、幸い、旅行会社の女性は彼の旅をシングルツアーのキャンセルの中に押し込んでくれたのだ。
そしてその旅で、彼は大柄だが優しく、シャイで、殻にこもったQuinnと出会う。
Quinnは彼の「タイプ」ではない──だが、いつもこわばっている彼が笑顔を見せた時、Joshはその笑顔から目を離すことができなかった。

Quinnにとって、Joshはほとんど「理想の男」だった。そんなJoshが自分に興味を示していると感じながら、Quinnは自分の望みを否定しつづける。そんな筈がない。そんな幸運が彼を訪れるわけがない。
だがそれでも、一縷の望みが心の中に残る。
わずかな最後の勇気、Joshと向き合うだけの勇気を、果たしてQuinnは奮い起こせるだろうか。
.....



シャイで引っ込み思案で自分の価値に気付いていない男と、殻に隠れた彼の素顔に恋するいい男。「俺はあいつの本当の価値を知っている」みたいな。
わりとよくあるパターン(だって鉄板だしね!)ですが、その中でもかなりいい雰囲気を醸し出している一作です。

その雰囲気の良さは、繊細なキャラクターによるところが大きいと思う。
Quinnは後ろ向きで、自分を低く見て、Joshの好意もいちいち「親切だから自分をかわいそうに思ってくれたんじゃないか」とか「やっぱり俺は邪魔なんじゃないか」とか勘ぐります。
でもその後ろ向きさは、あんまり陰険なものではなくて、あくまでおだやかです。たまにいる「ドラマクイーン」タイプの悲劇の主人公ではなく、ただひたすらにシャイ。
これまで傷つけられてきた過去を抱き込んで、Quinnは静かです。

Joshは多分、これまで見た目のいい派手な、自分とつり合うような相手とつきあってきたんじゃないかと思う。途中で出てくる彼の元彼も、まさにそういうきらきらしたタイプ。
誰もが「Quinnはお前のタイプじゃない」と言い、Josh自身もそう思いますが、Quinnにゆっくりと確実に惹かれる自分を否定もしない。Quinnの中を見て、そこにある正直さや、くつろいだ時のQuinnの笑顔やジョークにくらっとする。こちらもまっすぐでいい男です。

シングルツアー(しかも毎日テーマパーク!)という、「非日常」の中での出会いと恋ですが、勢いに呑まれているというよりは、互いをちゃんと見つめて、確かなものを作り上げていく恋愛模様です。
周囲の人間たちも彩りよくて、友人同士になったほかの男たちとか、Quinnに目をつけて「俺を縛って叩いてくれないか」とか言っちゃうちょっとお馬鹿な男とか、いい味出してます。最後の方にQuinnが彼を冗談で撃退するのはいいシーンですね。最初に「縛って」と言われた時はもう凍りついて、その場から逃げ出してしまい、みっともなく逃げたことに落ち込んだりしてたのに。

Joshが一方的にQuinnを殻から救い出すのではなく、2人は出会いの中でゆっくりと、互いの存在を認め、自分の価値に気付いていく。
Quinnもまた、Joshのよき理解者であり、時に彼を守る。そのバランスがとてもよく、読んでいて味わいの楽しい一冊です。

シャイな大男に萌える人は鉄板。「殻にこもった繊細な男」のシチュが好きな人におすすめ。
タイトルの「Quinn's Hart」の「Hart」はJoshの名字であると同時に、「Heart」や「Hurt」とかけてるのかなあ…と。わかりませんが。
しかしこのツアー、うっかりすると無法地帯になりそう。

★人見知り
★独身者ツアー












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