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Seducing Stephen
Bonnie Dee
Summer Devon
Seducing Stephen★★★ summary:
1856年、夏。
裕福な友人の家に招待されたケンブリッジの学生Stephenは、夜中に目を覚まして仰天する。
見知らぬ男が自分のベッドに入ってこようとしていた。

寝室を間違えたその男こそ、Stafford伯爵 Peter Northrupであった。

Stephenは、年上のPeterの遊び慣れた様子に惹かれた。
彼はこれまで同性に興味を持つ自分自身をどうしても許容できずにいたが、Peterのような男ならば、これまでどうしても恐ろしくて入りこめなかった世界を彼に見せてくれるかもしれない。体の欲求に導かれた先にある世界を。

2人は合意の上で、週末だけの行きずりの関係を持つ。
StephenはPeterに強く惹かれるが、Peterにとって、Stephenとの関係は楽しみ以上の深い意味を持たなかった。少なくとも自分にそう言い聞かせていた。
だが、シャイですぐ口ごもるくせに快活で、橋の設計に打ち込んでいるひたむきな若者の存在は、思うより深くPeterの内側に入りこんでくる。

2人の間にあるものを拒否しようとするPeterは、自分が予期したよりも強くStephenを傷つけてしまう。
別れは一瞬ですむ。すぐ互いに忘れ去る。その筈だ。
そう思いながら、夏から時が経ち…
.....



味わい深い歴史物です。
キャラがすごくいい。若く、自分に確信が持てないStephen。彼は厳格な家庭に育ち、自分が同性に惹かれることを後ろめたく思っている。左利きであることもそれと関係あるのではないかと疑い、右利きのふりをしているほどです。
たとえば、どもっていた彼が、段々と確信を持ったたたずまいになっていくところとか、Peterへ気持ちを込めた手紙をいつもの右手ではなく情熱のままに左手で書くところとか、そういう描写からStephenの姿がしっかりと浮かび上がってくる。

Peterも素敵な男で、皮肉っぽい彼は自分のことを「ただ裕福に日々を食いつぶしていくだけ」の男だと思っているけれども、その内側には押し隠してしまったやわらかなところがある。
Stephenの存在が深くくいこんでくるのを快く思わないPererは、とりあえず全力で逃げる。大人って仕方ないねえ。

でも逃げつつ、逃げられないわけで、どうしても気持ちはStephenに戻る。
出会った時には余裕がありあまっていたPeterが刻一刻とその余裕を失っていく姿が、非常に楽しい。
彼は自分がStephenの中に何を見ているのか、何を求めているのか気付き、価値観がひっくり返される。遊び人ですが真摯でいい男だ。

19世紀のイギリス、同性の関係は罪であり、表沙汰になれば未来は閉ざされる。
そんな中で、自分たちなりの真実を探す2人の物語。
青春のような甘さと大人の世界が入り交じった苦さが出ていて、気持ちが引き込まれる話です。

惹かれあったり、拒否したりと、物語もドラマティックで起伏がしっかりしています。
描写もくどくないけれども美しくて、歴史物好きは勿論、「純情で奥手な受けと年上攻め」にぐっとくる人におすすめ。

★遊び人×純情
★イギリス貴族












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