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Seb's Surrender
Carol Lynne
Seb's Surrender★★☆ summary:
Bodyguards In Loveシリーズ 2

Jared Grantは人生のほぼすべてに渡って、様々な虐待を受けてきた。
自殺を試みて入れられた病院では看護人からの性的虐待を受け、退院してからも、その男につけこまれてみじめな暮らしをしていた。
警備会社で働くBrierが、裁判の証言者として彼を探し出し、説得してそこから連れ出すまで。

そして今、Jaredは警備会社の寮に世話になっていた。周囲をボディガードの男たちに囲まれ、Jaredにとって、それは人生で初めて安全な時間であった。
だがそれも、逮捕されている筈の彼の虐待者から脅迫の手紙が届くまでだった。

ボディガードのSebastian Jamesは、Jaredのくぐり抜けてきた虐待について、自分自身の過去の経験から多少の想像がついた。
心身ともに傷ついたJaredを守ってやりたいと思うのは、共感からだろうか。
Sebは弟を失ってから、誰かに気持ちをよせたことはない。必要以上な関わりは避けてきた。だが長い年月で初めて、JaredはSebの心の奥のやわらかな部分にふれる存在だった。

SebはJaredを守ろうとするが、Jaredは深い傷をかかえていて、簡単に気持ちをひらこうとしない。
彼には学ぶことがたくさんあった。自立して生きること、誰かをたよること、酒を飲んだからといって誰もが人を殴るわけではないということ。
そしてSebもまた、Jaredに信頼してもらうためには、長年自分を覆ってきた殻をひらかねばならない。誰も知らない過去の自分を、見せなければならないのだった。
.....



前作はBrierとJackieの話でしたが、そのラストでBrierが救い出した同じ虐待の被害者Jaredと、ボディガードの会社で働くSebの話。
こういうちょっと弱い感じのキャラを書くと、Carol Lynneはうまい。
ただ深刻に書くのではなく、深刻な一面を切り取りつつ多少の軽みも加えて読みやすく仕立てているあたりが、さすがだと思います。

長年の虐待の被害者であるJaredの様子が、またよく出ている。
誰かにたよることを知らず、何かが起こっても立ち向かうのではなく、ただそれが過ぎ去っていくのを待とうとする。
意見の食い違いからSebが怒った時に、思わず頭を抱えこんでその場にうずくまるJaredの様子は、その象徴でしょう。Jaredにとっては当然の行動ですが、Sebは自分に殴られるのを恐れるかのようなJaredの行為にショックを受ける。

2人ともに、心に壁があります。
Jaredは被害者としての殻にこもっているし、Sebはかつて弟を失った時のつらさから、誰かに心をひらくのを拒んでいる。
どちらも、もしかしたら恋に落ちる準備はできていないのかもしれないけれども、彼らはわりとおだやかに、何だか相手の存在に気付くように関係を深めていきます。
実のところ、色々なトラブルがあって、そんなにのどかに構えてはいられないのですが、染みこんでいくような恋の展開はなかなか素敵だ。

うまく色々なことを盛り込んであって、読んでいる間に気持ちをそらさない、切なくも前向きな話です。ほのぼのだけじゃない色々なおっかないエピソードもこみですが、そこもいい味。

たよれる男がトラウマからひっぱり出してくれる、とかその手の話が好きな人におすすめ。このボディガード会社はほんとにでっかい家族みたいなので、「仲間」という感じが好きな人にもおすすめです。
今は金持ちの男をたぶらかしてる遊び人Ravenの話とか、そのうち読めるかな。読みたいなあ。

★虐待
★立ち直り


ここの会社の経営者たちの話は別のシリーズにも出てきますので、もしBrierの兄のBramや下の弟の話が読みたい人は、この「Reunion」ものぞいてみるといいかと。BrierとJackieがはじめてくっつく時のエピソードも楽しい。
こっちはやたらとキャラが多いので、多少人間関係の基礎知識つけてから読んだ方がおもしろいと思います。












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