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Family Unit
Z. A. Maxfield
Family Unit★★ summary:
退役軍人のLoganは、癌で死んだ恋人の家に移り住んだ。
恋人の記憶をしのんでいたハロウィンの夜、彼はRichardに出会う。

45歳のRichardには大きな過去があった。
ゲイであることを認める前の混乱、その時に生まれた息子。その息子も事故で死に、彼は8歳になる孫のNickを引き取って1人で育てていた。
Nickは、彼に残されたただ1人の家族だ。孫のためならRichardは何を捨てても惜しくはなかった。

たとえLoganにどれほど惹かれていたとしても、一瞬の情熱や恋のためには捨てられないものがある。
2人だけでも、Richardと孫のNickはまぎれもない家族として暮らしていた。

RichardとLoganは互いに惹かれながら、ただ恋人というだけではない新しいスタンスを探さなければならない。意見のくいちがい、価値観の相違、8歳の子供の存在。
そのすべてを乗り越えて、新しい家族の形を。
.....



45歳のおじいちゃんって若いよね。Loganも最初はRichardが「父親」なんじゃないかと思います。
Richardがのりこえてきた人生は楽なものではありません。若い時の性的な混乱でできた息子とは長年会えず、やっと互いの関係を修復したと思ったら事故で息子は失われ、薬物中毒の母親の手から孫を奪い返し、彼はそのNickをひたすら守って育てている。
かつて恋か子供かという選択を迫られて、RichardはNickを選んだ。それはNickが8歳になった今も同じ。

しかし勢い余ってRichardは過保護にすぎるし、すべてのものからNickを守れるわけではないということを、どこか納得していない風です。時にはNickは1人で戦わなければならない、そのことを受け入れようとしない。
Loganは彼を尊重するけれども、時おり2人の意見は大きくくいちがう。

特に暴力というか、「力」の関わるところになるとRichardは反射的な拒否を示します。
彼には何故Loganが従軍したのか理解できないし、家の中に銃を置いていると知るや彼の家に行くことも拒否する。ある種の潔癖症と言ってもいい。
Richardにはそういう、どこか理想的な完璧さを求めるところがあって、それは現実感覚に優れたLoganとはちょっと相いれない。

でもLoganはいい男だね!彼はRichardの拒否に傷つくけれども、理解している。RichardがNickのことになると過剰反応を示すことも、子供のことが第一に来ることも理解する。理解しすぎじゃないかという時もあるが、でもほんとにいい男だ。
譲歩ばかりするだけでなく、Richardにも理解して歩みよってもらおうと、Loganは色々な努力を重ねます。一方的な譲歩が2人の関係を壊しかねないことを、彼はよく知っている。

Richardの問題は他人との妥協に慣れていないことで、その深くには、「家族」を失ってきたことによる傷がある。ゲイであることが彼にその孤独を負わせた。
孫のNickに対する過保護なほどの愛情はその埋め合わせでもありますが、同時に彼はNickと自分の作った殻にこもって、他人をたやすく入れようとしません。
LoganがRichardと本当の恋人になるためには、「家族」としての信頼を得ないといけない。まあ、Loganは簡単にあきらめるような男でもないけどさ。
そういう2人の様子を書いた話です。

中年になってからの恋ではあるけれども、2人とも結構ピュアなところがあって、人と人との距離を丁寧に描いた話全体に繊細な味わいがあります。軍隊とかそういうあたりの価値観は何と言うか「アメリカン」な感じもするので、そのへんは好き好きあるかも。
ところどころRichardの名前が誤植でNickになっていて、人の名前が間違ってるのってそんなに珍しくはないんだけど、8歳の子供の名前だとさすがにこっちの萌えっとした気持ちがしぼみますね。惜しい。でも最後のオチまできちんと作られていて、いい話です。

価値観のちがう大人たち(片方子連れ)のリアルな恋模様に萌える人に。
ちょっと長めなので、じっくり楽しめます。

★元軍人×非暴力主義者
★家族












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