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Brier's Bargain
Carol Lynne
Brier's Bargain★★☆ summary:
Brier Blackstoneは数年前まで、生涯のほとんどを病院ですごしてきた。
まだ幼児の頃、父親の虐待で頭に傷を負ったため彼は知能の発達が標準よりも遅れ、感情のコントロールが難しい。虐待から保護するために、政府は彼を家族と離した。
ほんの十年前まで、双子の弟すら彼の存在自体を知らなかった。

その弟の尽力によって、Brierは病院から出て人並みの生活を営むことが出来るようになり、ボディガードの会社の事務として働くまでに回復した。
そして、その会社で想像もしてなかった素晴らしい相手と出会った。
Jackie Benoit──会社のボディガードスタッフの一人。
Brierの恋人。

そのJackieが中東の任務でひどく負傷し、片足を失って帰ってきた。

Jackieはこの無垢でひたむきな恋人を愛していた。彼が乗りこえてこなければならなかった過去も知っている。かつて病院を脱走し、感情のままに罪を犯したこと、収監された病院で性的虐待を受けていたこと。
それをのりこえ、ハンディキャップを持ちながらフルタイムで働き、様々なことにチャレンジし始めたBrierの姿は、Jackieが自分の傷と向き合うための力でもあった。

だがまだBrierの心は脆い。
そんな時、性的虐待の加害者が捕まったとFBIから連絡があり、JackieはBrierにどう話したものか悩む。FBIはBrierの調書を取りたいと言うが、ふたたびあの体験を思い出させるのは気が進まない。

しかしBrierの覚悟は決まっていた。Jackieや、双子の弟が思う以上に。そしてきっと、彼らが望む以上に。
.....



Brierは軽い知能障害があるけれども、きちんとまっすぐに物事を考える人です。彼なりの筋道を立て、人のことを思いやりながら生きている。36歳。
Jackieは彼の初恋。
そのJackieが中東へ仕事へ行ってしまっている間、淋しさのあまり感情的にめちゃめちゃになって双子の弟を心配させたりしてしまいます。

でもJackieが負傷して帰ってきてから、Jackieの世話をし、そばで暮らしながらBrierの気持ちも落ち着いていく。
そんな彼のひたむきな様子と、彼にめろめろのJackieの様子がかわいらしい。また実際、Brierの弱いながらも凛としたたたずまいが綺麗で、Jackieの気持ちがまっすぐ彼に向かっているのもつたわってくる。
JackieがBrierの面倒を一方的に見ているわけでも、子供のように扱っているわけでもなく、彼らは互いに支えあう対等な恋人同士なのです。そこがいい。

周囲の人間はBrierを守ろうとするけれども、Brier自身は段々と自分の頭で物事を噛みしめ、自分の足で歩こうとしていて、その覚悟は時たま周囲とぶつかる。
そのBrierの気持ちの変化と、それを受け入れていかざるを得ない周囲との変化が書かれています。

読み始めて、知能障害というのはあまり好きなテーマではないので迷ったのですが、とてもおもしろかった。読んでいる間も、読後感もいい。兄に罪悪感を感じながら過保護にふるまう双子の弟もかわいい。
作者のCarol Lynneは前にも下肢の障害がある人の話を書いたりしていたので、何らかのハンディキャップ(精神的な弱さとかも含む)をかかえたテーマが好きなのかもしれない。うまくツボを押すエピソードが重なっているけれども、決してお涙ちょうだい系でもありません。
この作者のキャラは根がポジティブでたくましいので、重いテーマでも話が暗くならないのかな。性格はわりと乙女っぽかったり繊細だったりするんだけど、それでもどこか前向きで、世界を信じている感じがします。

Brierが過去をのりこえ、自分の新しい一歩を世界に刻んだことが、最後の騒動からもよくわかる。
世界は彼にとって優しい場所ではないけれども、彼はまだその世界を信じ、人間の善意を信じている。Jackieが、Brierの視点を通して見える世界が美しいと思うのも無理はない。

この「Bodyguards in Love」は作者の新しいシリーズで(まだ全部読んでないんだけど、代表作のCattle Valleyシリーズが終わったのかな?)、このボディガード会社を舞台に進んでいくと思う。
見るからにゲイばっかりの会社ですが、まあそれもよし。先が楽しみです。

ある意味かなり極めた「包容攻め×けなげ受け」なので、そういうシチュ萌えの人に特におすすめ。エロも多めで、全体に楽しく読めます。

★障害
★保護欲












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