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Shades of Gray
Brooke McKinley
Shades of Gray★★★ summary:
FBI捜査官のMiller Suttonは、有能で、非情であった。犯罪者を追いつめ、利用し、すべての物事を白黒はっきりつけながら生きてきた。
だが麻薬組織の幹部のひとり、Dannyと向き合った時、Millerのクリーンな世界は崩壊を始める。

FBIの罠にかけられたDannyは、ボスを裏切って裁判で証言するという取引を呑む。
それがどれほど危険なことか、彼は知っていた。裏切り者は楽には死ねない。地の果てまでも、追われるだろう。
FBI捜査官のMillerは身の安全を保障し、証人保護プログラムを組むと言ったが、Dannyはそれを信じていなかった。
だがそれが彼の運命なのかもしれない。泥水を飲むようにして生きてきた。麻薬のディーラーに拾われ、友人を組織に引きずりこんで死なせ、刑務所に入り、そして裏切り者としての死を迎える。
彼にふさわしい最後かもしれなかった。

MillerとDanny。FBI捜査官と情報提供役の犯罪者。
光の当たる場所ですべてに白黒をつけて生きてきた男と、暗い世界で多くの泥にまみれてきた男。
お互いが理解できるはずもない2人だった。だが彼らは互いに惹かれ、Millerははじめて白と黒だけでは解決しない世界の存在をつきつけられる。

生きのびるために。愛するものを守るために。時には暗い選択をし、重荷を背負わなければならないこともある。
その選択を、はたしてMillerはできるだろうか。そしてそんな自分に耐えられるだろうか。
.....



正義を盾に犯罪者を道具のように扱う捜査官と、泥の中で生きのびてきたしたたかな犯罪者。
しかもいずれ証人保護プログラムがはじまれば、彼らは二度と会うことも、連絡を取ることもできない。
こういうシチュは萌える!

MillerとDannyの価値観、2人の変化や融合が丁寧に書かれていて、緊張感のある話になっています。
Dannyがいいですね。減らず口を叩き、癇癪をおこしながらも、彼の中にはひどくやわらかい部分がある。これまで自分が気持ちをよせた2人の相手──古い友人と元妻──の人生を台無しにしてしまったのを見て、もう誰とも深く関わるまいとする。
ボスに対しても、恐れや憎しみもあるが、その一方で時おりに示される信頼や優しさに、心の深くで忠誠をおぼえてもいる。
弱さと強さが複雑に絡み合った様子がリアルで、とても強烈なキャラです。

Millerは、Dannyの中にある繊細な痛みに惹かれますが、その一方で自分が「FBI捜査官」であるということにしがみつこうとして、Dannyを傷つけることもある。
彼にとっては、白黒のつく世界がすべて。
だがDannyは彼を惹きつけ、彼の世界を揺さぶる。これほどまでに誰かを求めたことはない。これまでの白黒のついた美しい世界がすべて色あせて見えるほどに。

過去の追憶と現在の展開がうまい具合に混ざり合っていて、Dannyの中にある深い傷が徐々にあらわれる構成が巧みです。Dannyの人生が明らかになっていくにつれ、Millerとの対比がより際立つ。
彼らはまるで違う世界を生きてきた。まさに白と黒。
そしてDannyは、自分の生きる混沌の世界にMillerを引きずり込みたくはない。たとえMillerがそれをよしとしたとしても、状況はあまりにも絶望的で、彼らに道はない。
そんな中でのDannyの葛藤と荒々しさ、Millerへの愛しさ、そして暗い人生を生きのびてきた男のしたたかさが文章の中に凝縮しています。


Danny wanted to howl and rage like a wounded animal, demand that they find a way to make it work. But there was no point in that. Danny had learned early that sometimes there was nothing to do but suffer through.


Danny視点で、まだ知らないはずのMillerのファーストネームが地の文に書かれていたり、Millerの婚約者の存在感があまりにも薄いことなど、気になる点もありますが、でも全体に骨太で、最後まで緊張感を失うことなく書ききられた話です。
こういう、「心理の成り立ちと変化を詳細に描写した作品」って英語の方がいい気がしますね。日本語でひとつひとつ語られたらかなりループになると思うけど、英語は言葉の輪郭がくっきりしているので、読みやすいというか入ってきやすい。

FBI捜査官と犯罪者とか、マフィアに追われる明日のない2人、とかそういうシチュに萌える人ならまず買いの1作。

★FBI×犯罪者
★密室












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