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Immortality is the Suck
A. M. Riley
Immortality is the Suck★★☆ summary:
犯罪者とつるみ、潜入捜査の内に薬物に手を染め、潜入捜査官のAdamの身辺は、決してきれいなものではなかった。
そんな彼をいつでも暗闇から引きずり出そうとするのが、友人のPeterだった。

Peterは模範的で優秀でクリーンな警官だった。
ただひとつ問題があるとするなら、彼がAdamと寝ていること──このどうしようもない男に、恋をしているということ。
自分の腕の中で血まみれのAdamが息を引き取った瞬間は、Peterにとって人生最悪の時だった。

だが、Adamは死んではいなかった。いや、死んではいた。しばらくの間。
死体安置所で目を覚ました彼は、自分を「殺した」犯人を捜し出そうと動きはじめる。

何故Adamは生き返ったのか。何故こうまで空腹なのに、普通の食べ物で腹を満たせないのか。
何故、血の匂いを甘く感じるのか。何故、陽の光で火傷をするのか──

闇の中をもがくように、血と死体の跡を残しながら、Adamはこの混乱の元を探して戦う。
暴力、殺人、裏切り‥‥何もかもがめちゃくちゃだった。
自分の人生の闇と混乱がPeterを引きずり込んでしまうことを恥じながら、AdamにはPeter以外に頼る相手がいない。

だが彼らの絆にも、そしてPeterの忍耐にも限界があった。
.....



殺されて、起きたら吸血鬼になっていた悪徳刑事の話です。
最近この手の現代吸血鬼もので、「後天的に吸血鬼化した」話が流行ってるような気がするなあ。

Adamは悪い奴なんだけど、破天荒な魅力があって、彼と離れられないPeterの気持ちもよくわかる。
どんなに無謀でも、身勝手でも、たとえ犯罪者すれすれのモラルしかなくても、PeterはAdamが好きですが、このどうしようもない友人が今回はまりこんだ悲惨な状況を、さすがの彼もどうしたらいいかわからない。

Peterはすごくいい人で、もう彼の欠点といったらAdamを好きなことくらいでしょう。
最大にして最悪の欠点ですが。
Peterの中には、かつて自分が栄転の誘いに乗ってAdamとのコンビを解消しなければ、もしかしたらAdamの転落をとめられたのではないかという思いがあるんじゃないかなあ。
Adamを救おうとして、救えない。その歯がゆさが彼の心を侵食していく。

一方のAdamの中にも、Peterに関してだけはやわらかな部分があって、時おりAdamはそんな自分から逃げ出そうとする。Peterと決定的な何かを築くまいとしている。
Peterを求めながら、彼はどこかで自分がそれに値しないとも思っています。愛しいと思いながら離れようとする。
Adamは傷ついた孤独な獣のようで、そういうAdamの姿も切ない。Peterがいくら手をのばそうとしても、Adamは時にその手を振り払うしかない。

あれだけしたたかで、人を疑い、利用するAdamが、とある男にだけは手もなくだまされてしまうシーンがあります。理由をAdamは語りませんが、Peterがその男を信じているからAdamもただ信じた、そうとしか思えない。
切ないなあ。
A. M. Rileyの小説には読んでいると心臓を絞られるような切ない瞬間があって、それがたまらない。
主人公たちの行き場のない感情が複雑に交錯してどちらも動けなくなる、どうしようもなさというか、やるせなさが満ちていて、読んでいるととても痛い。

話としてはクライムサスペンスで、暴力と流血に満ちています。
前半は色々な名前を追っかけるのがちょっと面倒かもしれませんが、そのへん読みとばしても後半にちゃんとまとまってくるので大丈夫。
あとスペイン語がとびかってますが、これもまあ流して問題なし。巻末にスペイン語解説ありです。

複雑な痛みをかかえた絆の話。
悪い男にぐっと心をつかまれてしまった身ぎれいな男、というシチュが萌えならすごくおすすめ!
後日談として短編の「What to Buy for the Vamp Who has Everything」があって、こちらはPeterの視点からの短いクリスマスストーリー。やはり甘さと痛みが絡み合った、気持ちの奥に入ってくる話です。

★吸血鬼(後天性)












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