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Slash(m/m小説) レビューブログ

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小説ディアプラス フユ号にラングレーさんの「With Love」の翻訳版、「恋する狼」の前編が載りました〜。
ご興味ありましたら是非おねがいします。後編は次号に載ります。ドジっ子の出てくるラブラブいちゃこらなお話だ!

今年も様々にお世話になりました。
「このBLがやばい! 2015」にアドリアン・イングリッシュと人狼シリーズがそれぞれ16位、20位にランクインしました。応援して下さった方、ありがとうございます!
来年は二月にアドリアンの4巻「海賊王の死」が出ます。5巻もできればすぐ出したいんだけど、ちょっと作業スケジュールが危険だ……

レーベルにはほかの動きもありまして、同じ二月に柿沼瑛子さん翻訳、ローズ・ピアシーさん作の「我が愛しのホームズ」が復刊!されます。三月にはさらにほかの翻訳者さんで一冊出ます〜。
2015年はモノクローム・ロマンスも三年目。今の時代に翻訳物を出していけるのはとても恵まれたことだと思います。2015年がひとつの正念場になりますので、またしっかりと気合いを入れてがんばりたいと思います。

Widdershins
Jordan L. Hawk
Widdershins.jpg★★★ summary:
Whyborne&Griffinシリーズ1。

Percival Endicott Whyborneは力のある父親を持ちながら、家から離れ、静かに研究に没頭している学者であった。
同僚の中には彼を馬鹿にして見下す者もいたが、Whyborneはただ静かに生きていきたかった。

そんな時、Griffin Flahertyという探偵が現れ、Whyborneに書物の解読を依頼する。それは、謎の死を遂げた青年が死の寸前に家族にあてて送ったものだという。
銀の杖を手にしたGriffinの存在は、Whyborneの心をかき乱す。だが知られてはならなかった。同性愛が知られれば社会的に抹殺される。そんな時代だ。

しかし段々と捜査に巻きこまれていくWhyborneは、謎の秘密結社と、暴かれた墓のことを知る。
そして彼の手にあるものがただの本ではなく、別の世界への鍵であることも……。
.....



今かなり人気のヒストリカル・ホラー・サスペンスシリーズの第一作。
この作家さんは初めて読みましたが、これはちょっと毛色が変わっていておもしろかった!
そしてクトゥルーものだったりしますよ。昔少し読んだだけであんまり詳しくないのですが、ヨグ=ソトトって(ヨグ=ソトースが多いようですが、私が読んだ本の訳語はそうだった)Yog-Sothothって書くんだ……実に邪悪そうな綴りです。

主人公、Whyborneのキャラクターがとにかくいい。奥手で、引っ込み思案で、おどおどとどもったりするのですが、その奥には頑強な意志の力を持っている。誰にも見せないけれども、心の奥には火のようなものを持っている男です。しかもけなげだ!
そしてそれを、Griffinは見抜き、惹かれていく。
私はこういう文系/探偵の組み合わせの時って、基本的に探偵側がお気に入りになるのですが、今回はWhyborneが一番のお気に入りだった。Griffinもいいけど、Whyborneには本当に「お前はいい子だよ!がんばれ!」って言ってあげたいぞ。

Griffinは元ピンカートン探偵社の調査員です。このピンカートン探偵社というのはアメリカではとても有名な私立探偵社のこと(同名のアラン・ピンカートンが創設)で、最盛期が19世紀後半なので、この話の舞台もそのあたりかと思います。
ピンカートン探偵社は小説でもたまに出てくるので、覚えておくといい単語。

さて、Griffinはそのピンカートンの元で働いていたが、何かあってから探偵社を去り、今は一人で調査を行っている。
彼の過去にも深い傷があり、夜にうなされたり、何か語りたくないことがある。その過去もまた、今回の謎めいた事件と関係があります。
謎めいた秘密結社、解き明かされていく神秘の力。

Whyborneの数少ない友人である同僚の女性学者が非常にきっぷがよく、気持ちのいい女性です。富裕な家に背を向けた学者、十九世紀の女学者、ピンカートン探偵社を去った探偵と、時代や社会背景から行くと「異端者」である三人が力を合わせて謎の敵と戦っていく。
今、六巻かな、そのくらいまで出ているので読むのが楽しみ!

かわいい奥手の文系青年に萌え萌えしたいなら是非おすすめ。
ホラー風味とはいえ怖いわけではないので、読む人はあまり選ばないと思います。

★クトゥルー
★初めての(略)

The Royal Street Heist
Scotty Cade
RoyalStreetHeist.jpg★★ summary:
南北戦争時代の高価な絵画が二枚、美術館から盗まれる。
そして、後には死体が転がっていた。

ニューオーリンズ警察の班長Montgomery "Beau" Bissoneは、その事件の捜査にとりかかる。
そこに現れたのが保険会社ロイズから派遣されてきたTollison Cruzだった。

捜査に口出しされるのを嫌うBeauはCruzに冷たくあたる。だがCruzが美術品業界に精通していることは間違いなく、二人は失われた絵の手がかりを追って、美術館を運営する一家の周囲を調べていくのだが…
.....



強面の腕利刑事と、保険調査員の顔をした過去のある男のお話。

刑事のBeauは、実はまっすぐでいい奴なんですが、とある刑事と恋仲になって同棲した挙句、浮気されて別れ、その傷心から立ち直ってない。しかも悪いことに、その相手と同じ現場で働かなければなりません。毎日気まずいなんてもんじゃない。
そんなわけで、どんどん冷たく、どんどん厳しく剣呑な男になっています。

そこに颯爽と現れた保険調査員。当然のようにBeauはこの男の口出しが気に入らないし、相手のCruzはBeauの見下したような態度が気に入らない。
いいですねえ。二人の男がツノ付き合わせて捜査。私の大好物です。
ことあるごとに文句を言い、ことあるごとに反感を抱いて、それでも感情的に二人は段々と近づいていくのです。嫌いな相手のことって四六時中考えてしまうからね。何かと気になるからね。
恋とよく似てるよね!っていうか恋じゃねえか、それ。

そのあたりの反発の感じはよく書かれていて、とてもおいしい。
あとBeauの、過去の恋へのあれこれがグダグダ並ぶのですが、ここも真面目で誠実なBeauの性格がにじみ出ていてよかった。彼は決してパートナーを裏切るタイプではないから、裏切った相手を許すことができない。どんなにその相手が後悔していても、その傷を忘れられない。誠実だけど、その誠実さが今は彼を不幸にしている。でももしパートナーが裏切ったのだとしても、関係の破綻は片方だけの責任なのだろうか?

BeauとCruzは反目の挙句、案の定、なんだか勢いあまってベッドインしますが、簡単にはうまくいかない。
実はCruzには、美術品窃盗の過去があった。今回あまりにも都合よく彼が美術品盗難の現場に現れたのは、偶然なのか、それとも保険調査員の顔こそが偽物なのか。

Cruzとの関係が深まるにつれ、Beauが過去の傷と向き合い、その痛みを手放していく経過がひとつ物語の大きなターニングポイントを作っています。そのあたりも楽しみながら読むと話がちょっと広がる感じ。

捜査の展開も無理がなくて、おもしろかった。
あとは少し、第三者の視点が入ってくるバランスが気になったかな。それとBeauがもう少しCruzの過去に悩んだりしてもいいんじゃないか、あいつ真面目だしさー、もっと良心の問題を問うてもいいと思うよ!とかその辺、私の好みとしてはもう一歩つっこんでほしかった。つっこんだらおいしかっただろうに!
お洒落というか薄味というか、好みで分かれるところかもしれません。でも全体にこなれていて読みやすかったし、楽しかったので、シリーズの次の話も楽しみにしてます。あとこの作家さんのほかの本もちょっと読んでみよう。

真面目で強面の刑事と美形の有能保険調査員の恋、という言葉でときめく人におすすめ。

★美術品盗難
★過去のある男

★Three-Star rating system★


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