Slash×Slash

Slash(m/m小説) レビューブログ

※万人向けの内容ではないのでご注意ください
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2013年も残りわずかになりまして、レビュー300本は来年の春までにこなしたいと思います。
一年間、おつきあいいただいてありがとうございました。
年末になってうれしいクリスマスプレゼントやお年玉のようなお話がふってきました。

Adrien_asashi.jpg
←29日づけの朝日新聞の朝刊で、朝日の書評委員さんたちが「今年の3冊」を選ばれるのですが、三浦しをんさんにアドリアン・イングリッシュのシリーズを選んでいただきました!
おー。新聞だよ。ってことでご近所からもらってきてしまいました(うち読売なのです…)。

ていうか大好きな乙川さんと並んでいる(紙面的には)のがもうなんだか、一体何事!?ってぐらいのもので、かなり挙動不審になりました。

そして、今月に出た「このBLがやばい!」では、フェア・ゲームが14位にランクインしました。びっくり!ラニヨンさん凄い!
投票していただけた方々に感謝を。
こうして、誰かに見ていただけて、評価してもらっているのだなあと思うとうれしいし、身がひきしまります。感想などいただいても、本当にしっかりと読まれているという感じがあって、出す方としても全力で向かっていかねばならないなあと心しています。(そして全力で原書読みを……)


様々な方にお世話になりつつ、2013年をなんとかのりきることができました。楽しい一年でした。
力及ばないことも多々ありますが、ひとつずつ、来年もやっていきますので、原書読みの方や翻訳読みの方、どなたさまも気ままに、楽しく、おつき合いいただけると幸いです。
みんなで幸せになろうよ(By 後藤隊長)

新たな一年が、素敵な萌えのある一年でありますようにー!

小説ディアプラス」のフユ号にクリッシー・マンダーさんの短編「聖夜の理由(The Reason for the Season)」の翻訳が載っております。
Chrissy Munderさんは、このお話はまだレビューしてないのですが好きな作家さんで、お話もキャラも誠実でかわいくていいのです。
今回の話は、クリスマスシーズンに他人の車に乗せてもらって姉の家へ向かう大学生が、途中で雪に降りこめられてしまって……というお話。ホワイトクリスマスもホワイトクリスマスです。季節的にぴったり。

マンダーさんは少し今体調を崩されていて、心配なのですが、翻訳はとても喜んでくれました。ラングレーさんが「南部ではね」と南部方言を教えてくれたように、マンダーさんにも「ミシガンの方ではこう言うの」と北部方言(かな?)を教えてもらいました。
"used salt rides"という言い回しが文中にあって、ボロボロの中古の車とか使い古しの車という感じなのはわかるけれども何でsaltが出てくるのか不思議で聞いてみまして。「ミシガンでは冬に除雪の後、凍結防止に不凍剤をまくけれども、これに塩が入っているので車が錆びる。だから、いい車は冬はガレージにしまっておいて、冬は中古車やボロボロの車を乗り回すことが多い」んだそうです。そのボロい方をused salt ridesと呼ぶんだとか。余分なガレージと車を用意しておける、というのがとてもアメリカっぽいなと思いました。
翻訳では、そこまでのニュアンスは日本語に入れられないのが残念。うーん。

雑誌の方は、次はナツ号かな。興味ありましたらよろしくお願いします。

A Reason to Believe
Diana Copland
A Reason to Believe★★☆ summary:
Matt(Matthew) Bennettの毎日はひどいものだった。刑事としての相棒──そして私生活でのパートナー──を失い、二人の関係が上司にばれ、デスクワークに降格された。
クリスマスシーズン、六歳の少女が行方不明になった家の捜査にMattが駆り出されたのは、単に皆が休暇で人員が足りないからだった。

その家で、Mattは少女の幽霊を見る。

幽霊など信じていなかった。見たところで信じたくもない。
だが、見てしまったものは否定できない。

友人に引きずられるようにして、彼は交霊ショーに行くことになる。
疑いに満ちた彼の前に現れたのは明るい、若い男だった。そのKiernan FitzpatrickはMattにまだあの少女の幽霊がくっついていると告げ──
.....



超自然ものサスペンス、といっても幽霊(女の子の)が出現する以外はきわめて現実的にひも解かれていくサスペンスストーリーです。
キャラクターがわかりやすく描き分けられていて、謎で最後までしっかりと引っ張られていく。

主人公のMattは仕事・私生活ともに大きなダメージを受け、そこから抜け出そうという気力も出ないような状態。
そんな彼が、クリスマスでかりだされた現場で幽霊を見て、しかもその幽霊に導かれて死体まで発見してしまうのです。
「幽霊を見た」と正直に上司に報告すると(正直者め!)そのままカウンセラー送りになってしまい、挙句に休暇を取らされる。踏んだり蹴ったりのクリスマスです。

彼には、わりと典型的な「元気で強引な女友達」がいて、彼女に引きずられるようにして霊能力者のショーに行くことになる。Mattは霊は信じていないけれど、自分の目で見たものは否定できず、かといって「あなたのお母さんがここにいます」というショーは尚更うさんくさくて馬鹿馬鹿しい。
そんな気持ちで出ていった彼は、若く明るい、馬鹿みたいなジョークを書いたTシャツを着たKiernanに出会うのです。

Kiernanのキャラがよく立っていて、なかなかユニーク。姉をマネージャーにして今では売れっ子の霊媒師であるけれども、この二人、結構ヘビーな過去をかかえていたります。でも過去があろうが霊が見えようが、Kiernanは持ち前のどこか無邪気なほどの前向きさでのりこえています。
ただし過去の男運は悪い。幽霊は見えても人の心は読めないらしい。
真面目で、心に傷を負ったままの刑事と、前向きで明るい霊能者は、女の子の幽霊に導かれるようにしてふたりで事件に巻きこまれていくことになります。

そのさなかで二人の関係が近づいていく展開も丁寧に書かれていて、事件の描写も非常にバランスがいい。上手な作家さんですね。一面、少しばかり個性に欠けるかなという感じも残りましたが、筆致が誠実で全体のレベルが高いと思います。
6歳の女の子の幽霊もいい味出していて、なんせ6歳だからちゃんと物事が筋道立てて説明できないとか、癇癪をおこしたりだとか、可愛い。それだけに読んでいて応援したくなる。彼女の存在感が全体の話をよく引き立てています。
いいサスペンスものが読みたい気分の時におすすめできる作品です。まだそれほどキャリアのない作者さんですが、今後も要チェックですね。

★霊能力者
★相棒の死

After the Sunset
Mary Calmes
AftertheSunset.jpg★★☆ summary:
Timingの続編。

Stefan JossがRand Hollowayの牧場にやってきてから二年後、ついにStefanは自分の人生をそこで築く決心をする。
ずっと「逃げ場」を確保してきた彼が、地元の職を得て地元に根をおろすことにしたのだ。
それは大きな決心だった。

迷う時間は長くとも、一度決めたらもう迷いはない。StefanはRandの留守に勃発した土地の権利騒動を勝つため、牧場の面々をひきつれてロデオ大会へおもむく。
それは次から次へとつらなるトラブルへの第一歩だった…
.....


結婚式のどたばたの中で花嫁の兄と恋に落ちる(というか、ずっと恋に落ちていたのだと理解する)お話、「Timing」の続編。
二年後で、StefanはRandの牧場に住んで、ついに人生をそこに据える決心をする。

Randはそれをずーっと辛抱強く待っていたわけで、傲慢で自分勝手な俺様攻めですが、そういう優しさとか理解力を見せられるとほろりとしてしまいますね!
この二人はいかにもMary Calmesさんのカプらしい二人で、スーパー攻め様なRandとはつらつとしたトラブルマグネットの姫受け(でも非常に独立心旺盛でやんちゃ)のStefanという王道の組み合わせです。
前回と同じく、愛され姫のStefanを好きになれるかどうかが楽しく読むコツだと思います。可愛いけどね、Stefan!どんどこ色々なことを片付けてはトラブルに巻きこまれ、右往左往しつつ時にはがつっと地面に足を据えて絶対に引き下がらない。あの強靭さと可愛らしさ、強情さのコンビネーションが読んでいて楽しいです。

ロデオの出来事もとにかくテンポがよく楽しい。多分、あんまりリアルじゃないことまで入っていると思いますが、そのあたりは一気に楽しんじゃおうぜな勢いです。
土地争いのごにゃごにゃとロデオのごにゃごにゃと、さらに今回はRandの出生の秘密まで絡んできて、後半は本当にめまぐるしく立て続け。なんだかあんまり親戚関係の血縁のつながり方が呑み込めない私ですが(何度も読み返してるんだが……)、まあそのへんは読み流してもしっかり楽しめます。

にぎやかで前向き、しかもスーパー攻め様ありですし、楽しいものがさらっと読みたい時にぴったりの一本です。
「そしてみんな幸せに暮らしました」とか、そういう言葉が本当によく似合う話だし作者さんだと思う。なんか、なんでものりこえていきそうなパワーがキャラクターにあるのです。

★傲慢攻め×愛されやんちゃ受け
★ロデオ大会

Slide
Garrett Leigh
slide.jpg★★☆ summary:
Ashはホームレスとして路上で絵を描いて小銭を稼いでいるところを金持ちの娘に見いだされ、今はタトゥアーティストとしてシカゴで生計を立てている。
内に引きこもり、他人との接触を嫌がり、時おり心ここにあらずといった様子で意識がとんでしまう。
繊細で、難しい青年だった。

Peteはシカゴの救急救命士で、忙しい日々を送っている。
ルームメイトとしてPeteと一緒に住むことになったAshは、長い間彼のことも避けていたが、Peteの包容力はAshの壁をも溶かしていく。
だが悪夢はやまない──どれほどPeteとAshの絆が深くなっても、世界はまだ闇ばかりだった。

何か、Peteには理解できない、そしてAsh自身にもわからない何かをきっかけにしてAshはまた闇の中へ落ちていってしまう。
彼を救えないかと、Peteは苦しむのだったが……
.....



繊細で痛々しいトラウマもの。
今年わりと話題になった小説で、実際本当に痛々しくよく書けている傷と回復の物語です。

Ashの繊細さはとても難しいもので、他人の多くがそれを扱いかねるし、Ash本人も自分自身を扱いかねている。Ashは自分が悪夢に囲まれていることはわかっているけれども、その理由も、その向こうにあるものもわかっていないし、悪夢を抜けるべきかどうかの判断もつかない。
Peteが彼の手を引っぱるまで。

二人の関係がゆっくりと築かれていく過程の描写がとてもこまやかで、そこがメインだといってもいいでしょう。多くのトラウマ小説が「回復期」のようなものをメインに据えていくのに対して、これはちょっと珍しいかな。静かに苦しむAshと、次第によりそって彼を支えるようになるPete。
痛々しくも、ほほえましいくらいお互いを必要としているカプです。

語り口は淡々としていて、攻撃的なところはなく、それだけにしんしんと痛々しい感じ。
両方の一人称で進んでいくんだけど、私はAshの一人称が好きだなあ。Ashから見たPeteの、すべてを受けとめてくれる包容力が半端ない。
そんなPeteも時には限界に達してしまうのですが。そりゃそうだよ、っていうぐらい大変なふたり。

シリーズ物だということなんですが(Roadsシリーズの第一作なんだとか)、どうここからシリーズになっていくのかはよくわからない。中に出てきたJoeの話とかかなあ。複雑そうな背景がありそうなキャラだったんだけど、特に説明されなかったので気になっている。多分シークエンス的に物語が続いていくのではないかと思います。

痛いものが読みたい、ひたりたい気分の時にぴったりの読み物です。特にこの作者さんはそういう、「心が壊れたりどこか欠損しているひとたち(当人談)」のお話を書き続けているそうで、いずれほかのものも読んでみようと思います。
愛がすべてを癒す、というタイプの話ではなく、愛の上にさらに様々なものを築いてやっとそこから第一歩を踏み出そう、という話。

★トラウマ

Diversion
Eden Winters
Diversion.jpg★★★ summary:
薬物の違法取引。それは、ストリートで行われているものだけではない。
もっと大きな、もっと目に見えないマーケットがあり、そこにはストリートギャングたちとは違う種類の商人がいるのだ。
時には紳士の顔をした者まで。

"Lucky"──Richmond Lucklighterは薬物の違法取引で10年の刑をくらったが、今は南カリフォルニアの薬物取締局で働いている。
だが自由の身ではない。
いつ刑務所に戻されてもおかしくない。ただ犯罪者としての、裏の知識を利用され、働いているだけだ。

あと少しで、その契約も終わる。
後任としてやってきた新人Bo Schollenbergerは元海軍だというのに、Luckyの目にはあまりにやわで、あまりに真面目すぎる男に見えた。ベジタリアン、モラルの塊、片付け魔。
こんな男が自分の後任?
彼を叩き直し、潜入捜査で殺されないように仕上げてやるのがLuckyの仕事だ。

廃棄薬物が違法にリサイクルされている証拠をつかもうと、囮捜査が始まり……
.....



Luckyは元犯罪者でまだ刑期は明けていませんが、現在はいわば猶予措置として政府のために働きつつ、口は悪いし態度も悪く、他人をよせつけず他人にたよらない男。
一言で言えばまさにasshole。
今回、組むことになった新人のBoに対しても、彼はひたすら嫌がらせを続けて対立する。嫌なやつなんだけど、じつに憎めない。

Boは絵に描いたような「真面目君」ですが、Luckyが思うように温室育ちのヤワな男ではないことが段々わかってくる。
薬剤師の免許を持つBoは、実は過去に違法に薬物を持ち出していた(理由はあるのですが)という汚点があり、Luckyと同じようにその償いとして政府のために働いているのです。二人ともに、過去に傷を持っている。

Diversionのシリーズは今のところ3冊まで出ていて、一話完結の犯罪捜査もの。薬物取締局近辺の話なので、毎回そうした薬物流通(麻薬に限らず、医薬品横流しなども含む)の事件を取り扱っており、とにかくその話の骨格がしっかりしています。潜入捜査の進行具合、捜査のためにもぐりこんだ側の心の動きや組織同士のパワーバランスなど読みどころが多い。アメリカの医療制度や保険制度などについても鋭く切り込んでいる。
その一方で堅い話になりすぎないのは、ひとえにLuckyの人徳だな。すべてのものを下品に茶化して鼻で笑いとばし、足で踏みつけていく男です。Boのことも踏みつけようとしますが、Boはそこまで簡単な相手ではない。

水と油のような二人の男の関係と、Luckyの悪態と嫌がらせへのBoのしぶとさや不屈さなどは本当に読みどころで、あまりのことに時々にやにやしてしまいます。Luckyは実は一皮剥けば結構かわいい男なんだけど(背も小さいし)誰にでも牙を剥いて人をよせつけないようにしているから、壁が厚い。
がんばれBo!

一巻では、明かされていくLuckyの過去が大きな読みどころ。犯罪者としての暮らしや、結果としてボスを裏切って刑を軽くしたことなど、はさみこまれる追憶シーンが凄くいい。Luckyが何故ああも人をよせつけようとしないのかもよくわかってくる。
特にパスポートに関わるシーンは、クライムものに惹かれる人ならあれは読んでおいて損はない、という名シーンだと思う。
Luckyたちのボスの、でっぷりとして鷹揚で、でも切れ者というWalterもたまらん存在感を醸し出している。

映画のような一冊で、がつっと骨太な話です。シリーズ通していくとBoの成長っぷりも読みどころ。

★犯罪者
★潜入捜査

Hotel Pens
Geoffrey Knight
HotelPensLG.jpg★★☆ summary:
トラベルライターのJoe Jordanは、彼氏と別れてからずっと、旅から旅へ、ホテルからホテルへと飛び回る生活を続けていた。
ホテルごとに、彼はホテルのボールペンをこっそりくすねて、集める。子供っぽい、だがやめられない癖。

ニューヨークのホテルで、別の客がJoeがペンを盗む瞬間を見て、ちょっとした申し出をする──「ニューヨークを再発見する五つの方法を教えてあげよう」と。
男はホテルのペンでJoeの体にメッセージを書き、Joeはその言葉に従ってニューヨークの街を歩き回る。
・ほかの客のカメラを通して街を見ること
・グッゲンハイム美術館で会おう──ただし、一番最後から、逆回りの順路で

次々と、ひとつずつメッセージの意味を解き明かし、Joeは新しい風景を見て新しい人々と出会う。
そして最後に……
.....



ホテルペンを盗んでいるところを見られたところから始まる、ちょっとミステリアスでちょっと洒落た、映画のような展開の話です。
Joeは淋しい根無し草だということは、読んでいる内にわかってくる。恋人がプレゼントしてくれた高価なペンを使わずに手近なホテルのペンを使い続けていたら、プレゼントのペンをもらったこと自体も忘れてしまった。恋人は出ていった。そして、Joeは手当たり次第にホテルのペンを集め続けている。
そんな彼の手や腕に、男は謎めいたメッセージを書き残していく。「ニューヨークの新しい顔を見せてあげるよ」と。

と言っても男もニューヨーカーではなく、フランス人ですね。わりと最初の方で、彼がJoeに「鏡で自分を見てみるといいよ」(君にメッセージを書いたから)と文字通り告げるシーンがありますが、この「鏡で自分を見ろ」というのは英語的には「お前のツラを見てみろよ」的な侮蔑の言葉にもなりかねない言い回しです。
Joeは案の定傷ついて、翌日、鏡を見るまで気付かない。このあたりの行き違いは笑えます。

全体に軽いタッチで、ホテルペンや素肌に書かれたメッセージという小道具がよく雰囲気を引き立てていて、味わいのいい話です。
勿論、メッセージをたどっていった先には素敵な結末がある。それもまた、映画のようですね。

軽く、洒落た気持ちで楽しみたい時にオススメの読書です。
短めなので読みやすいですよ。

★ニューヨーク観光
★謎のメッセージ

The Good Thief
James Buchanan
TheGoodThief.jpg★★☆ summary:
Caesar Serranoは場違いにも引っぱり出されたハリウッドのパーティで、実に好みの男に出会う。
だが、相手のNateの家にころがりこんで熱い一夜をすごした次の朝、彼はとんでもない事実を知る。Nateは、ロサンゼルス市警の警官だったのだ。
これはまずい。
なにしろ、Caesarは泥棒なのだ。

何故こんなにいい男が、彼の天敵でなければならないのだろう?
遠ざかろうとしながら、二人はどうしても離れることが出来ない。

そんなある日、Caesarはしのびこんだ家の中で、隠し場所にしまいこまれた写真の束を発見する。子供たちが性的な虐待を受けている写真だ。
モラルを他人に説ける立場ではないが、これを見逃すことなど出来ない。
Caesarは、Nateへと写真と情報を渡す。だがその写真の主はとんでもない人物で……
.....



前科持ちの、しかも現役の泥棒と、真面目で誠実な警官のカプ。
これは萌える設定!

実際なかなかうまく設定を活かしていて、Caesarが刑務所へ逆戻りする危険を冒して情報を持ち込んだ後、Nateが「何だってただの悪党じゃないんだ、そんな良心を持ち合わせた悪党なんて、俺はどんな気持ちでこいつと顔を合わせればいいんだ」とか悩むところとか、おもしろいしぐっときます。
体の相性は最高。お互いの立場を忘れている時の、気楽な雰囲気も最高。
気取らないCaesarに、真面目くんのNate。性格も合う。互いを気に入っている。
でもCaesarは「こいつは警官だ」と思い続け、Nateは「こいつは悪党だ」と思い続けて、どうにか気持ちだけでも距離をおこうともがく。

その二人が、望みはないと思いながら、それでもどこかから一緒にいる未来を描こうとしはじめる。おずおずと、臆病に。可愛いし、リアルです。

思ったほど、後半に事件が盛り上がらなくて、そこのところもリアルはリアルなんですが(なんか法律とか詳しい作家らしい)、二人の関係と事件のクライマックスの交錯がひとつほしかったかな。二人の関係性のテンションは高い一方で事件の方のテンションが低いというか淡々としていて、Caesarが最初に事件を発見した時の昂揚感がおいてきぼりにされてしまった感じはある。
でも全体のテンポはよく、エロ満載で(互いに発情期の雄が二匹いるからね!)、そのエロも濃厚かつ感情表現がこまやかで、読んでいてとてもおいしい話でした。

天敵同士の恋が好みな人なら間違いなくおすすめ。やや崩れた会話表現が多いので、そのあたりの英語に少し慣れた人向けかな。下品なジョークも多くてニヤリとさせられます。
ガチムチなんだけど受け攻め固定というちょっと珍しい感じで、エロも萌え萌え。地に足のついた、でも夢のある二人の男たちの話です。

★犯罪者/警官
★逃避行

出ました、モノクローム・ロマンスの「アドリアン・イングリッシュシリーズ」1と2。
ジョシュ・ラニヨンさんのFatal ShadowsとA Dangerous Thingの邦訳版で、邦題は「天使の影」と「死者の囁き」となっています。
アマゾンリンクはこちら。

天使の影死者の囁き



もうなんかとても素敵な表紙でこう、こんな二人がこの先ああなったりこうなったりするのかと思うと!

モノクローム・ロマンスの企画が始まった時、アドリアンのシリーズをやらないかというのは話として最初に出てきたのですが、5冊出さないと意味がないと思ったので、足元が整ってからとお願いしていました。フェア・ゲームなどで足がかりを作ったことで、今回出すことが出来てとてもうれしいし、支えていただいた方々にこの場を借りてお礼申し上げます。(毎回まだまだ崖っぷちですが、最初は本当に一寸先は闇だったので…)
いや、こんな日がくるとは、本当にね。

今回は1の頭に「1999年 ロサンゼルス パサディナ」と、原書にない一文が入っています。アドリアン・イングリッシュミステリが最初に書かれたのは1997年で、その後で幾度も加筆をくり返されてきました。作者と相談の上、「舞台になっているのがいつごろなのか示しておくのはいいかもしれない」とあえて入れた一文でして、快く許可していただいたラニヨンさんに感謝です。
まあ3巻とかですでに5年ぐらい先にとんでる感じはあるんですが(笑)、その辺はシリーズものには珍しいことでなし、ある種、暗黙の了解的なもので吸収できるだろうという結論で合意しました。いや結構、いざやってみると色々と考えてもみなかったことが出てくるものですね。


3巻は来年の夏、4、5は2015年になる予定です。

来年の予定としては、まず4月か5月に「狼を狩る法則」の続編、With Cautionの翻訳が出ます。夏にアドリアンの3。
Captive Princeの出版も決まっていますが、そちらは詳細未定なのでしばしのお待ちを。その他、ちょっと色々ありまして、ヒストリカルやコンテンポラリーにも広げていきたいという野望はあります。とりあえず、ひとつずつですね。
来年も是非よろしくお願いいたします。

Private Eye (Liaisons)
S. E. Culpepper
PrivateEye.jpg★★ summary:
Rafe Bridges、ゲイ、私立探偵。

朝起きると、うっかり別れた元恋人のベッドにいた。これが第一の失敗。

プライベートと仕事は混ぜない主義。だが、数ヶ月前に顔を合わせた警官からたのまれて、その知り合いの17歳の娘の失踪事件の捜査を引き受けることにする。
これが第二の失敗。

その警官、Jeremy Hallidayは実にホットだった。だがストレートだ。
ストレートの男に恋に落ちる──
これが第三の失敗。

望みのない恋をかかえながら、Rafeは捜査を続ける。いなくなった娘、異様なほど心配する父親、その父親に抗えない母親、父親から名指しで「誘拐犯人」と糾弾される彼氏。
だが娘は本当に誘拐されたのか?
そして失踪なら、何のために?今どこにいる?
.....



一見ハードボイルドな男だったけど、一皮剥いたら意外と「乙女」だったぞー、という感じで途中からにやにやして読んでました。

Rafeは優秀な探偵ですが、どうも男運はない。流されるようにしてしばらく暮らした元恋人は、Rafeに今でも未練があるけれど、二人はとにかくうまくはいかない。
そして次に恋を──こんな気持ちは初めてだというほどの恋を──したと思ったら、相手はドストレートの男。それも警官。

相手のJeremyはいい男で、Rafeと親友として気が合い、仲良くなっていく様子が実に楽しげです。
RafeもJeremyと一緒にいるのは楽しい、だが一緒にいる時間が長引けば長引くだけ恋心も強くなってきて、「やばいやばいやばいあいつはストレートだし!」の呪文を唱え続けながら、とにかく必死。
けなげだ。その、外見に似合わぬ乙女っぷりを楽しめる一冊です。

Jeremy自身も段々とRafeに惹かれはじめ、しかしその気持ちをどうしていいのか自分でわからない。
ぶつかり合い、時にすれ違う二人の恋模様も実に楽しい!

事件の方も、複雑なものではないですが、無駄なく作られていて後半に向けて一気に盛り上がっていく。もうひとひねりほしかったかなあ、というところはありますが、充分きちんと全体の話を支えています。

とにかくRafeとJeremyのキャラがいい。プライベートのことになるとちょっと優柔不断なRafe、誠実だがやや堅苦しいJeremy。
一緒にいてくつろいだ様子が可愛いので、彼らの恋も応援したくなるんだけど、何しろ片方が完全に及び腰だし、片方は「俺……あいつのこと好きなのか?まさか俺、ゲイ?」から始めなきゃいけないし。ハードル高いです。
Rafeの「あああ俺はストレートの男に落ちていきそうだ、ヘルプ求む!」という緊急電話にこたえて駆けつけてくる親友もちょっと笑える。JeremyのせいでRafeが傷つくのではないかと目を光らせて友を守ろうとするのですが、やりすぎ、明らかに。それだけRafeのこれまでの男遍歴が悪かったってことだよね……

探偵と刑事の恋、ストレートとゲイの恋もの、というキーワードに惹かれる人におすすめ。

★ゲイ/ストレート

How I Met Your Father
L.B. Gregg
howImetYourFather.jpg★★ summary:
数年前、ボーイズバンドのメンバーとしてかつて人気の絶頂をきわめたJustin Hayesは、今は音楽業界でそれなりにおだやかに暮らしている。
だがこのクリスマスは、シカゴでのんびりしているわけにはいかない。バンドのメンバーでもあり、随一の親友の結婚式があるのだ。バンドのメンバー全員が集まる。クリスマスに、とある島に。

ナーバスな気持ちで飛行機に乗っていたJustinは、乱気流で動揺する。落ちるかも!
隣に座っていた年上の男が手を握って落ちつかせ──二人は勢いのまま、空港のトイレで盛り上がってしまい、乗り継ぎの飛行機をのがす。

にぎやかなパーティに遅れてついたJustinは、自分の相手が花嫁の身内だったと知って動揺する。バンドの人気とイメージのため、ゲイだということは隠してきた。今はもうカミングアウトしてもいい──だが、隠してきた習慣は根強い。
クリスマス、パラダイスのような島で、花嫁から花婿まで巻きこんだにぎやかな数日が始まる……
.....



L.B.Greggさんは少し執筆から離れていましたが、作家仲間のすすめやサポートもあって戻ってきたらしい。これは久々の中編です。めでたい!彼女のようなユーモア小説を書く人はほかにはいないし。てわけで新刊ひっつかんできましたよ!

さて、主人公はちょっとナーバスで空回りしたり暴走したりする感じの、どこか守りたくなる男。
飛行機の乱気流で「うわあああ」「ああああ」となりかかっていた彼の手を、隣の席の男がぎゅっと握ってくれる──でもその手は段々、ちょっと不埒な雰囲気を漂わせてくるわけです。
かつて誰もがきゃあきゃあ言った人気絶頂のバンドのボーカル、Justinは、まだカミングアウトしていない。人から見られたらどうしよう!と思いつつ、うかうか流されて、その場から逃げ出す。その感じがすごく可愛い。

飛行機を乗り継いで島にたどりつくと、かつてのバンド仲間がみんなすでに集まっていて、実ににぎやか。がやがやとお互いにはやしたて、悪口を言い、楽しんでいます。
その「パーティ」感と「クリスマス」感の中にまぎれてしまおうとするJustinですが、「歌おうぜ!」とそそのかされてみんなで歌った翌日にtwitterでそのビデオが大拡散されていて、しっかり身バレ(自業自得)、もはやおしのびでもなんでもなくなってしまう。しかも飛行機で出会った男は花嫁の──(ごにょごにょ)

ほかにも山登りしたり、「あいつ実は妊娠してるんだ」の告白タイムあり、次から次へと翻弄されていく主人公がとても楽しい話です。
久々ということもあるのか、まだこの作家の本来のリズムは完全には戻っていないかなっとも思いますが、でもやっぱり主人公可愛いなあ、がんばってるなあ、と気持ちよく読める中編でした。にぎやかで、甘々ではないのに何故か幸せで、というクリスマス/結婚式のお話。後味も可愛い。

★元セレブ
★年の差!

The Tin Box
Kim Fielding
TinBox.jpg★★★ summary:
かつて精神病患者を収容していたJelley’s Valleyの精神病院。カリフォルニアで最大の精神病院だったという。
今はからっぽのその建物に、William Lyonは管理人としてやってくる。秋までの間、そこなら誰にも邪魔されずに論文を書き上げることができる。その筈だった。

Williamには孤独が必要だった。そこで静かに引きこもって、あとは妻が離婚の手続きをすませるのを待とうと思った。
だがふたつのものが、彼の孤独な心をかき乱していく。

ひとつはColby。町の唯一の雑貨屋兼郵便局を手伝っている若者。何にも屈さないような明るさを振りまく彼は、Williamの拒否などかまわずずかずかと近づいてくる。

そしてもうひとつは、小さな錫の弁当箱。昔々、誰かが使っていたような。
病室のひとつに隠されていたその箱の中には、もう70年も昔に書かれた手紙が入っていた。届けられることのなかった手紙。
その手紙には、70年前、ゲイだということから精神病院に放りこまれて様々な「治療」を受けていた一人の若者の心の叫びが綴られていたのだった。
.....



Williamはまだ子供の頃、自分がゲイだと感じて、保守的な両親に「ゲイだ」と告白する。途端に親たちは彼を「治そう」として、サマーキャンプやセラピーに送り込む。
自分が誘惑にかられるのは、自分が弱いから。祈りが足りないから。
そう信じてWilliamは努力を続ける。そう信じて、気の合う女性と結婚し、「正常な」暮らしをしようとする。限界が訪れるまで。

そんな彼を「何かいいもんが町に来た!」とキラキラした目で見るのがColbyです。
とても小さな町で、「あのパン屋はいとこ、あのレストランの料理人もいとこ」というような町ですが、Colbyは自分がゲイだということはまるで隠そうとしていない。のびのびと、自分らしく振る舞っているColbyにWilliamは最初たじろぎますが、次第にその自由な空気を好むようになっていく。
このあたり、はっきりと「こうだ」というエピソードはないのですが、自然に二人の雰囲気がよくなっていく感じはよく読みとれて、実にうまい作家さんだなと思います。

Williamが「ゲイの初心者」だと知ったColbyは「よしきた!」とばかりにやる気になり、Williamにゲイポルノを見せ、ゲイロマンスを貸し、ゲイクラブまでドライブに連れ出す。
このあたりは「おいおい!」ってちょっとつっこみつつ楽しく読めました。後から思うと、Colby、退屈しすぎだろ…
そんな中で、二人の距離感は変わっていくのです。

その一方で、この話の主軸を貫いているのが70年前の「手紙」の話。
この手紙が話の主役だと言っても過言ではないでしょう。
ゲイだということで家族から精神病院に放りこまれた若者は、こっそりと取っておいた紙を使って、恋人へ届かない手紙を綴る。自分が「治療」でどんなふうに変えられてしまうのか、それでも気持ちは消えないと、真摯に綴られる手紙を読んでいると気持ちが締めつけられそうになります。またこの子がいい子なんだ……
彼に何が起こったのか。何故手紙は書かれなくなったのか。それを、Willamは知ろうとします。

途中で何度か、息抜きをしたくなるくらい読んでいて切ない話でした。
声高ではないけれども、それだけに強烈に迫ってくるものがあります。終わった後も気持ちが残る、辛いけれども後ろ向きではない話です。

切ないものが読みたいとか、どっぷり浸かりたい気分の時に。非常に読みごたえのある強いストーリー。
おすすめです。

★古い手紙
★なりたてのゲイ

Catch a Ghost
SE Jakes
CatchAGhost.jpg★★☆ summary:
Hell or High Waterシリーズ1

Prophet、元CIAの男。
今はExtreme Escapes, Ltd.という組織でボスの下で働きながら、様々な秘密作戦をくぐり抜けている。
よく言えば独立独歩、だがその実態は誰も信用せず誰も近づけない傲慢で孤高で危険な男。

Tom Boudreaux、元FBIの男。FBIとして挫折し、保安官としての人生も挫折した。
「勘」としか言いようのない感覚を持っているが、彼と組んだ相手は皆それを「不運」と呼び、Tomの存在を嫌った。

どんな相棒ともうまくいったことのない二人の男が、ボスの命令で組まされることになる。

二人ともに相手に対する敵意を隠そうともしないが、仕事には共に取り組み、死んだ男の足取りをたどって違法な地下ファイトクラブの存在をあぶり出す。
それぞれを追ってくる過去の亡霊をかかえながら、彼らは地下へ、血の臭いがする方へと潜っていく。

だがTomにはProphetに秘密にしていることがあった。まだ相棒として組まされることも知らなかった頃、誰かがProphetが拷問まがいの尋問を受けている記録テープを送りつけてきたことを。

そしてProphetにもTomに、いや世界全体に秘密にしていることがあった。彼の視力が、次第に奪われつつあるということを。
.....



SE Jakesさんは「Men of Honor」シリーズというシークエンス形式のシリーズがあります。この作家の話はとにかく「どいつもこいつもアルファ」ということが特徴。アルファというのは、自分が場を支配していないと気が済まないような強い男のこと。
片方がアルファ、というのはよくありますが、「両方」というのは結構珍しくそれも強いが傷をかかえた「さまよえるアルファ」だったりして、強情な男たちが時には血まみれになりながら戦うというたまらない人にはたまらないお話なのですよ!
そんなSE Jakesさんの新シリーズ「Hell or High Water」(天国と地獄的な極端なふたつの状態、そこから転じて「苦難をのりこえる」「何が起ころうとも」的な意味も持つ)。これは読まないわけにはいきません。

そして本当に、期待にたがわず傷ついたアルファたちの苦難の戦いでした。
ProphetはMen of Honorシリーズの5にちらっと出ていて、とても印象的なキャラだったのですが、今回は主人公。全4冊の予定だったかな、このシリーズは全編通して彼とTomの話だそうです。
二人が所属しているEEという組織は、多分民間企業の皮をかぶった政府組織だと思います。CIAなどが表向きにできない仕事を片づける、汚れ仕事役の連中。
「相棒なんかいるか!」と見下してつき放してくるProphetに、一歩も下がらず立ち向かうTom。二人の間にある緊張感が凄まじいくらいで、読んでいて楽しいったら。

事件はProphetの過去を追うような形で、深くアンダーグラウンドへと入っていきます。
TomはProphetにつきまとう過去の亡霊が気になって仕方ない一方で、これまで三人の相棒をなくしてきた経験から自分の持つ「不運」がProphetへも害を為すのではないかという思いにもとらえられていく。近づけば近づくほど、恐れは大きくなる。

後半、ちょっと感情に流されすぎてて「プロ」っぽくないあたりも出てきたりするのがややマイナスポイントだったりもするのですが、でも息づまるアルファ対決は読んでいてすごく楽しかった。
続編も楽しみです。次の「Long Time Gone」は買ってあるので読むぞ!
強い男、強い男たち、トラウマを抱えた戦う男、なんかにぐっとくる人なら絶対おすすめ。

★アルファ/アルファ
★対立する相棒もの

★Three-Star rating system★


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