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Slash(m/m小説) レビューブログ

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英語覚え書き。
今回はミステリ絡みのネタで…と思ったらふたつしか思いつかなかったんだぜ。修業が足りません。


downtown
「下町」のことですが、ミステリで使われると「警察署」をさすスラングでもある。
"I'll take you to the downtown." とか "Let's go to the downtown." なんかで「ちょっと署まで来てもらおうか」って感じです。

do the time
くだけた言い回しで「服役する」。timeは懲役のこと。
"I've done the time!" とか前科者が言ってたら、「お勤めはちゃんとすませたぜ!」みたいなニュアンスだと思われ。
"Do you know he did the time?" (あいつが前科者だって知ってたか?)とかにも活用されます。


「downtown」なんかは知らないと右から左に流しがちですが、気がついてみるとたまに出てるスラングです。
この間見たテレビドラマで「彼はダウンタウンに行ったわ」ってそのままの字幕がついとりました。スラングは難しい。

DreamSpinnerPressが、出版社1000タイトル目を祝して5週間のセールに入りました。

3/14~20 ノベルの20%オフ
3/21~27 ノベラの20%オフ
3/28~4/3 短編の20%オフ
4/4~10 アンソロの20%オフ
4/11~17 ペーパーバック版の20%オフ

狙い目はやはり20日までのノベル、および27日までのノベラのセールかな!(ノベル=長編、ノベラ=中~長編)くらいの感覚で)
まあここはたまに20%オフはやってるのでそう必死になることもないんですが、何を買おうかなー。

にしても1000タイトルって凄いですね。ここはたしか7年目ぐらいの出版社だった気がするんですけど、私がM/Mを読み出した頃はまだLooseIDやSamhainの後塵を拝して一歩遅れている印象がありました。それが今では大手のひとつと言ってもいい、それどころかコンスタントにM/Mを出版してくれるありがたい出版社になってます。中の人がしっかりしてるんだろうなあ。

The Little Death
Andrea Speed
The Little Death★★ summary:
ロサンゼルス、エコー・シティ。
Jake Falconerは数年前に相棒を亡くしたまま、探偵事務所を続けているアルコール浸りの探偵だ。
そんな彼に、モデルの男が依頼を持ちかける。双子の弟が姿を消したと言う。

調査を始めたJakeは、殺された証人の事件で濡れ衣をかぶせられそうになり、銃撃され、圧力をかけられる。
失踪者はどこへ消えたのだろう?
足取りをたどるうちに、彼は高級なセックスクラブへとたどりつくのだが…
.....



ハードボイルド系のお話。
文章も何だかハードボイルドチックで、Jakeの死んだ相棒が「スペンサー」という名前だというところからも、ハードボイルドを意識しているのがよくわかります。(スペンサーはロバート・B・パーカーの小説の主人公で、ハードボイルドの代表的な探偵のひとり)
エコー・シティつーのは架空の都市だと思います。バットマンみたいなものかもしらん。

相棒を亡くし、恋人とも破局し、Jakeは酒瓶の底をのぞくような生活をしています。
その恋人と言うのは若く正義感にあふれた警察官で、今回の事件を通してJakeと再会し、「また飲んでるのか!」と小言を言うけれども、Jakeが危機に陥るたびにそこから引っぱり出しにやってきてくれる。
彼への気持ちがまだ残っているのを感じつつ、でもJakeはふらっと誘惑にかられて依頼人の男と寝ちゃったりするんだけどね。ダメな男だからしょーがない。ダメな男だけどいったん噛みついた事件は離さない。

あっちでめった打ちにされ、こっちでぶちのめされつつ、Jakeは真相に向かって這うように進んでいく。
由緒正しいハードボイルドとマカロニウェスタンを混ぜたような感じで(主人公がボコボコにされるのが伝統なのです)、何かなつかしい感じで読んでしまった。絶対その状態じゃ動けないだろ!という怪我でも動いちゃうのがハードボイルドの探偵なのだ。
よたよたとしながらへぼへぼと、でもしがみつくように事件を追っていく様子が楽しい。ラストまでしっかりと雰囲気を保っている点が高評価です。

キャラに感情移入すると言うよりは、雰囲気を楽しむ一本。
ハードボイルド好き、硬派な感じが読みたい人ににおすすめ。

★アル中の探偵

The Station
Keira Andrews
The Station★★ summary:
1841年、イギリス、エセックス。
富裕な家に生まれついたColin Lancasterは子供の頃から、厩舎回りで働くアイルランド人のPatrick Callahanが好きだった。Patrickは暴れ馬からColinを救い、乗馬を教えた。
だがある時を境に、ColinはPatrickのそばに行くことが出来なくなった。
Patrickが、男と厩舎の奥で及んでいる淫靡な行為を目にした時から。

同性愛は、つるし首になるほどの重罪だ。だがColinが衝撃を受けたのはそのことではなく、自分の反応だった。
Patrickへの気持ち、そして欲望が自分の内側で育っていくのを感じながら、彼は出来る限りPatrickを避けようとした。

だがある夜、Patrickの罪は明るみになる。そしてColinの運命も根底からくつがえり、彼らは二人でイギリスを追われることになるのだった。
.....



「いい育ちの息子」と保護欲の強い「召使い」パターンは個人的にとっても好みど真ん中。しかもその息子が、過酷な運命に陥っていく、というのも好物なので、非常に楽しく読みました。
全体にしっかり書けていて好感の持てるヒストリカルものです。

Colinは自分の人生に何となく確信が持てないでいる。ケンブリッジに行って、いつか妻をめとって、家の名を保っていく。そういう、前に「敷かれた」未来を持て余しています。
そんな時、Patrickを救おうと大胆な行動に出た彼は、Patrickとともにイギリスを追われてオーストラリアへの移民船に乗せられるのです。

さて、かつてヨーロッパはこうした開拓地に労働力として犯罪者を送り込みました。アメリカもそうした地のひとつです。アメリカは、一発当てたい人や新たな夢を求める人が目指す地だったと同時に、追放された者が流れ着く世界の果てでもあった。
そしてアメリカの開拓が一段落した後は、オーストラリアがそうした場所になったのです。
今回の話の後半も、そうしたオーストラリアでの話。カンガルー食ったりしてます。

子供の頃からのPatrickへの気持ちをかかえていたColinですが、Patrickは彼を突き放そうとします。Patrickは故郷のアイルランドを離れてイギリスに流れ着き、そこも追われてオーストラリアに行くという漂泊の人生を送っており、彼は誰も信じていない。少なくとも、誰も信じるなと自分に言い聞かせ、Colinにもそう言い聞かせるのです。
しかし根がまっすぐなColinは、誰かを信じることをやめようとしないし、何よりもPatrickを信じることをやめようとしない。
少年のまっすぐさとPatrickの苛立ちの葛藤が、読んでいてなかなか楽しい。

それなりに過酷な道行きなのですが、悲惨ではなく、全体に希望も感じられる話です。
事態が転がり出すまでは少し展開が遅いかなーという印象もありますが、定植者の女性とか、現地案内人とか、周囲のキャラもほのぼのしてて、後半はのびのび読めます。
ヒストリカル好き、つっけんどんだけど保護欲のある召使い(元)とかに萌える人におすすめ。後味がいいです。
タイトルの「The Station」のStationは駅のことではなく、牧場とかのこと(オーストラリア用法)だと思います。知らなかったので、途中まで、映画の「駅馬車」みたいにどこかの駅を目指す話かと思って読んでたんだな…

★追放
★オーストラリア

2011年個人的ベストリーディング!です。
読んだもののレビュー書かずに放置されてるものもあり、「2011年に読んだもの」ではなく「2011年にレビューしたもの」の中から5冊リストアップしました。うむ。
こうやってざっくり振り返るのもおもしろいですね。レビューだけでなく、自分の読書記録にもなっているのだなあとあらためて実感。"The Trap"や"Imperfect"なんかは読みやすいこともあって、何回か読み返して楽しんでる一冊です。

The Trap
 Indigo Wren
・昔の親友に島に監禁されて…!という話。設定の無茶苦茶さを力押ししててとても楽しい。

The Dark Tide
 Josh Lanyon
・Adrien Englishの第五作&完結編。やはりこのシリーズは全体で一作なのだなあと思わされる一冊。

Promises Marie Sexton
・Codaシリーズの1。不屈と頑固のカップルが何とも愛らしい。

Imperfect
 Cassidy Ryan
・口の悪い相棒物。とにかくそれに尽きる…!

Dark Horse
 Kate Sherwood
・主人公の優柔不断っぷりにちょっと苛々もさせられますが、感情表現のうまさは圧巻。


こんなん読んだけどおもしろかった!とか、コレおもしろかったならこっちもおすすめ!などなど、是非みなさまのベストリーディングも聞かせていただけるとうれしいです。

Cop Out
KC Burn
Hot Head★★ summary:警官のKurt O’Donnellは、捜査中に相棒のBenを失う。年上の相棒は、あまり自分のことを話さなかったが、Kurtにとってたよれるパートナーであった。
だがBenが死んだ後、KurtはBenのことを何も知らなかったことに気付く。
彼の私生活、彼が死んで悲しむ相手。
葬式に現れた謎の男女の正体…

Benは彼を信頼していなかったのだろうか? 自分のことを話せないほど?
だが彼らはパートナーだった。
パートナーなら、Benが残していかなければならなかったものの面倒をみるだろう。もし未亡人が残されれば、彼女を訪れて励まし、新しい生活をはじめられるまでサポートするものだ。それがパートナーだ。

Kurtはそして、Davyに出会う。
葬式で泣いていたこの青年こそ、Benの隠していた秘密。Benの恋人だった。

打ちひしがれたDavyを立ち直らせようと、Kurtは彼を励まそうとする。だがそれは、彼にとってもDavyにとっても思わぬ方向へと転がり始め…
.....



死んだパートナーは実はゲイだった。しかもよかれと思って親切にしてるうちに、その恋人と恋に落ちてしまいそう。でもKurt自身はストレートであり、家族は信仰に篤いカトリック。さあどうする!
というわけで、なかなかシチュ自体は私の好みど真ん中です。
ただ問題がないわけでもなくて、何と言うか、ちょっと小骨が残る感じになったのが惜しい話でもあります。

さて、熱血刑事のKurtはパートナーのBenの秘密をかぎ出します。それは隠された男の恋人、Davy。繊細で若い男。
Benは誰かに自分がゲイだと知られることを非常に恐れていたようで、二人は一緒に出かけたり、恋人らしいことを何もしてなかった。Davyはほとんどかごの鳥のような存在だったようです。
そんなDavyをKurtが励まして、笑顔を取り戻させ、自立する気持ちを取り戻させようとする過程はほのぼのして気持ちがあたたまります。

それはやがて恋心を生むのですが、KurtはDavyに対して芽生えた気持ちが恋であることを、否定しようとする。
そしてDavyは、また「刑事の隠された秘密」になることを拒否する。もしDavyを手に入れたいと思ったら、Kurtは家族や相棒にカミングアウトしなければなりません。でもカトリックの家族がどう反応するか、Kurtは言い出せない。その苦しむ様子がしっかりと書かれていて、心にせまります。

熱血くんでまっすぐな主人公のキャラもいいし、取り巻く周囲の様子もいい。特にKurtの次の相棒のSimonなんかいい男で、非常に好きなんですが、最後までひっかかったのが死んだBenのこと。
Kurtにとってはいい相棒だった男だけれども、Benが恋人のDavyに対して行っていた、誰にも会わせず家からもほとんど出さないような生活は、ほとんど一種のDVのように見える。それが何故だったのか、何故そこまでBenがゲイだと知られることを恐れたのか、理由が書かれていないのでただ「嫌な奴」っていう感じが残ってしまう。
でもDavyはそんなBenを愛していたわけだし、Kurtはパートナーとして尊敬もしていた。そこのところの釣り合いがうまく取れていない気がします。もしきちんと恐怖の理由が書かれていて、Benも実は苦しんでいたのだとか、そのあたりにひとつ説明がつけば、ぐっと話全体の印象が締まったと思うんですが、ちと残念です。
あと、これは好みの問題ですが、カプが逆だった。うむ。というか、エロシーンで展開にも上下にも虚を突かれましたよ。何か浮いてる気がするんだな。

感情表現がしっかりしていてドラマティックなので、あちこちのシーンを読み返すとやはりいい話だと思う。その一方で、全体をもうひとつまとめあげてほしかった感が残ったのがマイナスポイント。
読みやすいし、テーマがわかりやすいので、カミングアウトものや残された恋人ものがツボだったらがっちり楽しめます。

★死んだ相棒の恋人
★秘密

Hot Head
Damon Suede
Hot Head★★☆ summary:
9.11のツインタワー崩壊以来、消防士たちはアメリカのヒーローとなった。
鎮魂の日となるべき毎年の同じ日は、消防士のグルーピーたちが馬鹿騒ぎをくりひろげる日になりつつあった。女には困らない。
だが、Griff Muirがほしいものは決して手に入ることがない。

Griffには厳格な父親がいたが、子育てに興味のない父のかわりに、家族のように育ててくれたのがAnastagioの一家だった。騒々しく生き生きとしたこの家族の中で、Griffは本当の息子のように慈しまれた。
Anastagio家の息子のひとり、Dante Anastagioとも本当の兄弟のように育った。

だが9.11が、彼の中の何かを変えた。あの日の混乱の中、Danteを失いかけたことで、彼の中の何かが目覚めた。
決して知られてはならない。Danteとの友情を失うことはできない。だが、いつまで自分の気持ちを隠していられるか、Griffにはわからなくなっていた。

そんな時、Danteが金に困ってゲイポルノに出ると言い出し…
.....



消防士もので「親友を好きになってしまった」シチュ。そして両方ともストレート。
萌えシチュが色々つめこまれた感じですが、意外と中をあけてみると、「とまどい逃げ回るGriffを楽しもう」読書だったりします。

Griffがとにかく、真面目。必死。不器用。
好きになってしまったDanteから自分の気持ちを隠そうとするんですが、何だか本当にちゃんとそれ隠れてるのかって感じです。
でも当人は必死こいて隠しておりまして、あんまり真面目に思いつめているので、そのうちどうしようもない袋小路にはまってしまいそうで痛々しい。

非常に深刻なゲイバッシングとかもあるし、思いつめるGriffの性格もあって、ユーモラスな反面かなり重い話なんですが、そこでDanteのキャラがうまく効いています。
奔放、いい加減、ガキ、でももしかしたら結構一途。根本はいたずら小僧みたいな考えなしのやんちゃ。
女の子と遊び歩いてる彼は、でもGriffに動物のような感じでなついています。しかしある時、金に困った彼は、「よーしネットのゲイビデオに出ちゃうぞー」とくるのです。Griffは必死にとめますが、「いい解決法を見つけたぜ!」とキラキラしているDanteはとまりません。キラキラする一方でちょっと不安だったりもして、そんな時にGriffに「大丈夫だよ」と言ってほしくて必死にこっそりすがってくる彼は、度し難いけれども可愛い奴です。
そして、DanteにすがられたGriffは絶対にノーとは言えないのです。

ストレートの男が友達とゲイビデオに出て、というシチュはStr8te Boysにもありましたが、あっちが大学生で初々しかったのに対してこっちはムキムキマッチョな感じでこってりしとります。
人間関係や感情表現もこってり系なので、こってり好きの人におすすめの一本。途中まで少し状況が呑み込みにくくてリズムがうまく取れないところもあるんですが、途中からは色々な糸が絡み合ってきて、一気に読める感じです。

★消防士
★ゲイビデオ

★Three-Star rating system★


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