Slash×Slash

Slash(m/m小説) レビューブログ

※万人向けの内容ではないのでご注意ください
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Kindleの新型出ましたね!
ついにハードキーボード排除か。やはり時代の潮流かな? 安い&軽いで、さすがなAmazonの底力。
スペシャルオファー(広告表示つき)だと何と79ドル。すげーなあ。ほぼ5000円じゃないですか。
nookやkoboも追いつけ追いこせでがんばってほしいところです。

さて、とりあえず使ってみた段階での、nook touchの使い方解説や感想。
マニュアルは読んだけど、知らない機能とかまだあるかもしれません。
※公式を中心に写真や画像借りてます。


続き...

届いたnookはこんな感じ。
nook1.jpg


続き...

nookを購入。
今回は、nookが日本に届くまでの話。
転送業者を使いましたが、私自身、使うに当たって色々なブログのレポートを見ながら流れをつかんだので、ちょっと詳しく書いてあります。


続き...

nook simple touch(以下nook touch)を買ってみましたよー。
というわけで、購入から使用まで、レポして行こうと思います。

nook-touch.jpg
これがnook touch。
Barns&Nobleのだしている読書用端末です。


続き...

Foxe Hunt
Haley Walsh
Foxe Hunt★★☆ summary:
SkylerFoxeミステリ2

高校の英語教師Skyler Foxeは、命からがら殺人事件を解決し、臨時のフットボールコーチアシスタントのKeith Fletcherとも、ついにうまくいきそうだった。
Keithとのデートや、朝のコーヒー。どれもSkylerにとってははじめての経験だった。

25歳のSkylerは、散々遊び歩いては来たが、いわゆる「ボーイフレンド」的なつきあいを1度もしたことがない。
いざ足を踏み入れてみると、居心地はいい一方で、常に逃げ出したいような気持ちにもかられて、Skylerはとまどっていた。

そんな時、彼は古い友人のEvanとJeffに出会う。イラクからの帰還兵である彼らは、体も心も傷つき、行き詰まっているように見えた。
心を痛めたSkylerだったが、何もできずにいる内に、恐ろしい出来事が起こってしまう。

学内でおこった教師の転落事件はまだ解決しておらず、「ボーイフレンド」のKeithにはまだミステリアスで、疑わしい部分も残る。
生徒のひとりはゲイ支援のサークルを立ち上げようとしてSkylerに協力を求めるが、Skylerは教師の職を失うことを怖れてカミングアウトには踏み切れず…
.....



前作「Foxe Tail」の続編です。次の「Out-Foxed」で完結の3部作ミステリ。
それぞれに大きな謎は解決されつつ、別の謎が持ち越されていくので、1冊読み終わるとすっきりしますが、次も気になる。上手な構成です。

私は前作をちらほら読み返してまして、Skylerのキャラが好きです。遊び人で軽い、教師の職にはとても真面目。親切だけどちょっとお調子者で、感情に正直。
何か、「いい奴だなあ」って感じがする。「善人」的ないい人ではなく、ドジふんでるのを見ながらちょっと笑って「あいつ、いい奴だなあ」って言っちゃうような感じ。
ああだこうだ考えながら、1度は決心しても、その決心が揺らいでしっぽを巻いてしまったり、そんな自分を嫌悪したり。人間くさくて底が明るいキャラクターで、読んでて結構気持ちがいいです。
Skylerの友達連中は、みんな1度はSkylerの遊び相手(寝る相手)だった男たちなんだけど、彼らがお互いみんなでうまくやっているのは、何となくSkylerを放っとけないからなんだろうなーという気がひしひしとする。またいい友達なんだ。ちょっと口が軽かったりするけど。

そんな友達連中と、謎の「ボーイフレンド」Keithと、久々に再会した友人と、Skylerの学校の生徒たちと。
話はそのへんをぐるぐる回りながら、Skylerの日常を中心にして進んでいきます。生徒とのやりとりもなかなかおもしろくて、GSA(Gay-Stcaight Alliance)というゲイ・ストレート同好会みたいなの(ゲイの生徒をサポートするのが目的だと思いますが)を立ち上げようとする生徒に対して、Skylerは自分がゲイにもかかわらず、参加やサポートにたじろぐ。彼は学校でカミングアウトしてないから。
そんな自分を偽善者だと思うし、勇気がないことを恥じる。あやまって、生徒になぐさめられたりして、いい先生です。

Keithとのつきあいも、Skylerにとっては一大事。デートに誘われて「おごってもらうべきか、割り勘か。誘われたんだからおごってもらうんだろうけど割り勘の方がよくない?」と悩みまくったりとか、いちいち大変。
まあ、何度か足を踏み外しながら、がんばってます。

ものすごく印象の強いシーンがあるとかではないのですが、ミステリ部分も興味深く書かれてるし、全体に渡って筆致が明るく、時にコミカルで、読み味がいい1冊です。
じたばたしつつ前向きに進んでいく主人公が可愛い。
ユーモアミステリの好きな人におすすめ。2だけでも何とかはなるけど、1から読む方が無難です。

★がんばる主人公
★初めてのデート

Again
Mary Calmes
Again★★ summary:
Noah Wheelerは、恋人のDante Cerretoを迎えに空港へ向かっていた。
彼には大きなニュースがあった。彼らはずっと人工授精で子供を作ることを話し合ってきたのだが、Noahの妹の了解と協力の元、ついに彼女が妊娠したのだ。Danteの精子と彼女の卵子による子供だ。

だが空港で、Danteは、もうNoahとは終わりだと告げる。
潜入捜査の仕事をしている間に、パートナーとしてふるまっていた女性に恋に落ちたのだと。

心が破れるような別れから6年。
Noahは休暇を取ってラスベガスにいた。娘のGraceと、恋人の男とともに。
そこで彼が顔を合わせたのは、Danteと、彼の家族だった。

彼らは、一目でGraceがDanteの子供だと悟り…
.....



Mary Calmesらしい、強引で美形の攻め×はねっかえりの愛され受け。
短めで、見どころもいくつかあり、キャラのコントラストがはっきりしていて、最後まで楽しく読めます。

Danteからいきなりの別れを切り出された時、もうNoahの妹はDanteの精子で妊娠していた。そもそもそのへんはちゃんと事前に報告しないとまずいんじゃないの、とも思いますが、DanteはCIAのエージェントで、潜入捜査をしている間はとにかく連絡が取れないのです。
で、久々の再会に胸をときめかせたNoahは、赤ん坊の超音波写真を持って空港に向かったのですが、そこで見たのはDanteが別の女性にキスしている光景。そして別れの宣言。

打ちのめされ、子供のことなど何も言えずに別れたものの、でもやっぱり言わないとまずいよなーと思ったNoahはDanteやその家族に連絡を取ろうとするけれども、何故だか誰も連絡がつかない。そのまま彼は1人で娘のGraceを育てます。
人見知りでおしゃまで知りたがりのかわいい娘は、彼が愛した男そっくりの目を持っている。Noahは彼女をとにかく溺愛しています。
恋人になりかかっている男はいるけれど、娘のことを1番に優先していて、自分の恋愛生活は後回しになっている。ぶっちゃけ、娘がいれば恋人は別にいなくてもいいかな、という感じで、あまり深くない関係です。

そんな時、Danteと再会してしまう。

とにかくDanteがゴージャス。傲慢で高飛車で、容赦がない。絵に描いたような「攻め様」です。
この作者はほんとにそういう攻めが好きだよね(BL好きでもあるらしい)。リアリティには欠けてますが、読んでるとテンション上がります。

6年前のいきなりの別れには、Noahが知らなかった裏があって、でもだからといってNoahもすぐにDanteを許す気にはなれない。
押すDante、押し返すNoah。傲慢攻め vs 意地っ張り受け。
鉄板。

ラスベガスでの休日と結婚式(親戚の)の数日間の物語で、テンション高く、はずむように話が進んでいきます。
短めで、話として入り組んだところはないので、軽く楽しい読書をしたい時におすすめ。周囲のキャラも可愛い。
Danteに捨てられた後、アパートの床から起き上がる気にもなれずにもそもそしてるNoahのところに兄がやってきて、「寝たままテレビを見られるように」とテレビを横に倒して帰っていくエピソードが好きだなあ。Mary Calmesのキャラはドラマティックな一方で、どこか変にたくましいので、読んでて楽しいのです。

★子持ち
★誤解

Bound by Law
SE Jakes
Bound by Law★★☆ summary:
Men of Honorシリーズ2

LCは悲惨な子供時代、家から逃げ出した後、クラブのオーナーGregの元で大人に育った。
同じようにそこにいた少年、Styxと激しい恋に落ちたが、Styxはある日いきなり彼を置いて姿を消した。

それから10年、LCはStyxがいつか戻ってくるのではないかと待っていた。だが、もうそんなことはやめなければならないのかもしれない。過去を捨てて、歩き出すべきかもしれない。
事件を通して出会った刑事、Pauloに惹かれている自分にも気付いていた。

だがそんな時、いきなりStyxが彼らの前に現れる。

Styxの過去を追いかけていた亡霊が、LCにまで牙を剥こうとしていたのだ。Styxは敵からLCとPauloを守ろうとするが、LCとふたたび顔を合わせるのは彼にとってたやすいことではなかった。
忘れたことなどなかった。LCを守るために姿を消した10年前から。
出会えばすべてがよみがえる。情熱も、痛みも。それはLCにとっても同じだ。

Pauloは2人の男の激しい感情の間にはさまれて、どうすべきかわからない。LCには惹かれている。だが、LCの心に誰かが住んでいることには始めから気付いていた。
その誰かがStyxであることも、一目でわかった。
.....



前作「Bound By Honor」で、クラブオーナーのDamonの友人兼共同経営者だったLCの話。

1作目が粗削りながらも気に入ったので、2作目を買いに行って、表紙で3Pだと気付いてびっくり。
1でLC(本名はLaw)の過去の恋がStyxに対するものであることは出てましたが、Pauloともいい感じになってきてたので、2でPauloとくっくんじゃないかと思ってたのでした。

さて、結構、彼らの過去が複雑です。まず、LCとStyxとDamonは、少年の時にGregというクラブオーナーに引き取られてそこで育った。LCは児童虐待の被害者で、一方のStyxにはそれまでの記憶が全くない。
Gregは彼らに寝床だけでなく教育もあたえ、クラブ経営の仕事を教え込んだ。Styxが前触れもなく姿を消した後、LCとDamonは軍に入り(デルタフォース)、戻ってきてからはBDSMクラブを一緒に経営してる(今はそのクラブも売りに出してる)。
Styxは、子供時代の記憶を失っていますが、やがて犯罪社会で大物である父親が彼を追ってくる。それに気付いた時、StyxはLCを守るために姿を消すのです。愛しているから。
なかなかにドラマティックで、「過去持ち」のキャラやトラウマものが好きなら萌え萌えです。ちとてんこもりすぎるかな、という気もしないではないぐらい。

今回、ふたたびLCは狙われ、Pauloは巻きこまれ、Styxは彼らを守るために姿を現す。
LCの感情は、Styxを見た瞬間から、まっすぐStyxへと向かっていく。ありったけの痛みや怒り。その向こうにまだ横たわっている、激しい愛情。

巻きこまれた形になったPauloは、LCの心を一瞬にしてつかんでしまったStyxに対して憎しみや怒りを感じるべきだと思いつつも、そういう気持ちにはなれない。むしろ、LCの怒りや冷たい言葉にも耐えなければならないStyxが気の毒だと思って、Styxを弁護したりする。いいヤツです。

3人が身を隠す山荘で、主に出来事は起こっていきます。3人の感情がもつれあい、深い過去の傷や意外な秘密がむき出しになる。傷をのりこえようとする葛藤と、過去と向き合おうとする苦しみなども生々しい。
エロシーンも盛りだくさんで、色々なパワーバランスの変化や関係の深まりが投影されているので、読んでて飽きないです。ちょっと事件解決のオペレーションシーンとかは貧弱だけどね。全体のドラマの濃密さはなかなかすごい。

元々LCとStyxがカプで、そこにPauloが入っていく感じで3Pのカプになるのですが、Pauloの存在が「おまけ」になってしまわないようにうまく工夫がこらされている。
LCがめっちゃ愛されてるのがまた楽しい。軍人上がりのガチムチな美形ですが、扱いは「姫」だな。クールで悪い感じの、とがった男なんだけど、「姫」。
手がかかりそうな人なので、3Pぐらいで丁度いいのかもしんない。

3P好き、「過去の男」もの、感情が複雑に描き込まれた話が好きな人におすすめ。なかなかに濃密。
ちょっとまだ粗削りなところもあるんですが、今後も楽しみな作家です。

★トラウマ
★記憶喪失

Microsoft社は、自社の読書プログラムである「Microsoft Reader」の開発終了と、専用フォーマットである「lit」の終了を宣言したそうです。
Microsoft Readerやlitを使ってる人は今となっては少数派ではないかと思いますが、お知らせまで。
私は初期はlitで買ってました(当時、iPodTouchのStanzaと相性が一番よかった)。今はePubだけど。

フォーマットの問題は、紙の本にはない電子書籍特有の問題で、特に日本ではこれをクリアしない限り電子書籍の時代は来ないでしょう。今後の流れとしては、おそらく世界的にはほぼePubが共有規格としてひろまっていくのではないかと思います。
ePub3.0でルビや縦書きなども整備される予定で、多言語化も進んでいます。

しかし日本がこの流れに乗れるかどうかはわかりません。
日本ではシャープなどが独自フォーマットを持っていて、日本メーカー開発だけあって組版的に優れた点も多々ありますが、なんせ囲い込みのフォーマットと言うのは弊害がでかい。シャープ以外のリーダーで読めないとか。(そのフォーマットのファイルを作るアプリがバカ高いとか…)
問題をクリアすべく、日本では国策として「中間フォーマットづくり」の会議をやってはいるのですが(フォーマットとフォーマットの橋渡しとなるようなものを作るらしい?)、この会議も事業仕分けの対象にされまして、なかなか難儀しています。どうなるかなー。どっちにしても、あと2年くらいで流れが決まるでしょうね。

Asongoficeandfire.jpg
今回はちょっと脇にそれて、一般ファンタジーの本の話。

G.R.R.マーティンのファンタジー大作「氷と炎の歌」シリーズの新刊(5巻目)、 "A Dance with Dragons" が届きましたよ~。
ほんとは2ヶ月ぐらい前?に出てたんですが、私はこの本をアマゾンのカートに3年ぐらい入れっぱなしなんです。それだけ発売が延期され続け、ずっと待ちわびてたわけですが、いざ新刊が出たらアマゾンから「この本のお届けは10月になります」とかお知らせが来て、倒れるかと思いました(笑)

えっ、すぐに発行されるバージョンじゃない物を何年も予約してたってこと?

冷静になってから考えてみると、どうせ6が出るまでまた何年かかかるだろうし、2ヶ月ぐらいいいか…と何か後ろ向きに納得したので、そのまま放置してたら、「意外と早く届けられそうです」ってお知らせがまた来て、先週届いた。新刊。

ほぼB5サイズのハードカバーで厚さが7センチあるよ、ママン。道理で箱がでかかったわけだ。

…てなわけで少しずーつ読んでます。紙の洋書は久しぶりだ。

私は元々、ナルニアとか、大人向けファンタジーだと「時の車輪」とかを読みたくて洋書に手を出したんですが、はじめはまず日本語で読んでから、洋書で続きを読んだりという感じでした。「日本で翻訳されていないもの」をまるきり一から読んだのは、このシリーズがはじめて(今は邦訳も出てます。色々問題あるようだが)。
作者のマーティンは、本当に、文章が上手い。何と言うか「英語がうまい」って感じで、日本語ではできないような言い回しやニュアンスをこめてくる。決して複雑な文章ではないのですが(単語も平易)、英語特有の切れ味のよさと辛辣なユーモアがあるのです。
英語ができない私が、英語で小説を読むことの楽しさを覚えたのはこのシリーズからでした。日本語大好きなんだけど、英語もすげえ!と思った。マーティン先生にはいくら感謝してもしきれない。

このシリーズは、ファンタジーが好きな人は勿論、人間ドラマが好きな人なら読むべき!てぐらいの名作です。長いけどねー。(1のラストまでは我慢して読むべき)
100人をこえる人間達が交錯しながらくりひろげる血みどろのドラマや、無残な挫折、だましあい、その中でも気高くあろうとする者の努力など、色々なシーンが胸に来る。そんな中で全力を尽くして生きのびようとする、したたかで骨太な、人間の生命力の鮮やかさ。
それぞれのシーンを切り取っていく英語の切れ味のよさもあって、是非原書で読むのをおすすめしたいシリーズです。マーティンは「フィーヴァードリーム」という吸血鬼小説も萌えるよ!

ちなみに7で完結予定。マーティン先生のお年だけがちょっと心配…(失礼)

Imperfect
Cassidy Ryan
Imperfect★★★ summary:
刑事のZach GibsonとLogan Armstrongはパートナーだ。
だが、Zachは時おりLoganを撃ち殺してやりたくてたまらない時があった。無謀で命知らずのこの相棒に、何度Zachの命がちぢむ思いをさせられたことだろう。

お互いの性格のちがいにもかかわらず、彼らは仕事のパートナーである以上に、親友であり、そして、それ以上の関係でもあった。
それがどんな関係なのか、体以上のものなのか、どちらも名前をつけようとはしていない。彼らには、少なくとも今の彼らには、それでよかった。

Zachは祖父にたのまれて、死者から盗まれた指輪の事件を追い始める。
その事件は思いもかけず、Loganが10年前、過去に置いてきたつもりの痛みや親との壊れた絆を、2人の目の前に引きずり出すものとなっていき…
.....



よき相棒であり、互いにののしりあう悪友であり、背中をまかせられる友でもある。
私の好みど真ん中のタイプのカプなので、この話はとてもおいしかった。もうちょっと長かったら言うことないんだけど!でも、逆にこの短さだからこそ、いいところてんこもりって感じで幸せなのかもしれない。

話は、Zachが「金輪際てめえの相棒はやらねえ!俺はおりた!」と怒鳴るところからはじまります。Loganは犯人をつかまえてご機嫌だけど、Zachは相棒のやらかしたあまりにも無謀な行動が気に入らない。
それは愛だよ、というのは段々わかってくるのですが、どちらも互いの関係や、一緒にいる時の居心地のよさを名付けずに、今はそのままでいいとも思っている。イージーに、でも相手を大事にして、容赦なく罵倒する関係です。
朝方、腕の中で眠るLoganが、Zachの胸に顔をのっけてよだれを垂らしながらいびきをかいているのを見て、Zachはそんな彼をかわいいと思ってしまうんだけど、それを認めるくらいなら死んだ方がマシだとも思っている。口から出るのはいつもののしり言葉。そんな2人。くそう、萌える。

彼らの日々を揺るがすのがある盗難品の事件で、その中で、Zachはこれまで知らなかったLoganの一面を見る。墓に足を踏み入れることを極端にいやがり、その後誰かの墓参りに行ったようだったけれども、その花は家族によって無残につきかえされる。
明るく何事も気にしないようなLoganが、10年かかえこんできた闇。それを彼らは一緒に乗り越えていきます。

短いんだけど、全体の話のメリハリがよく利いていて、一緒に事件にあたっていく中で新たに深まっていく2人の関係が味わい深い。トレーラーハウスに住むLoganが家の図面を見てる姿とかね。
最後のオチまでいい感じで、悪友ぶりや相棒としての相性のよさ、バカップルっぷりなども味わえる良作だと思います。口の悪い相棒ものに萌える人なら絶対おすすめ。

★相棒
★家族との断裂

Quick to the Hunt
Cameron Dane
Quick to the Hunt★★☆ summary:
Hawkins Ranchシリーズ

Hunter Tennisonはイラク、アフガニスタンと死線をくぐり抜け、一部の指を失い、満身創痍で故郷の町へ戻ってきた。妹の元へ。
だが、彼の魂には深い傷がついたまま、誰にもそれを見せることができず、彼にとってまだ地獄は終わっていないかのようだった。

自分の中にひそむ暴力衝動。死に彩られた悪夢。
時に、暗い嵐に呑み込まれそうになると、Hunterは自分の体を傷つけることでその瞬間をのがれてきた。

Alexander Quickは、貧しい家で育ち、自分の力で会社を成功させた。
小さな町に、開発計画の一環として美しい家を作ろうとして滞在していた彼は、ある日、Hunterと出会う。傷ついた魂をそこに見て、Alexの心は大きく揺さぶられた。そんな気持ちは初めてだった。

惹かれ合う2人の衝動は激しく、どちらをも呑み込もうとする。
だがHunterの怖れ──自分の中にある怪物が、Alexをいつか傷つけてしまうのではないかという恐怖が2人の間に立ちはだかる。

愛だけでは充分ではないのかもしれない。それだけでは何も癒せないのかもしれない。
どうやってこの嵐をのりきるべきなのか、2人のどちらにもわからなかった。
.....



Hawkins Ranchシリーズ新作。このシリーズは悪魔3兄弟(血はつながってないけど)が人間の世界で牧場をやってる、というのが最初の売りだったんですが、3人とも幸せなカプになって落ちついちゃったんで、最近は牧場周りの人間模様をやってます。悪魔関係なし。前の設定を読んでなくても大丈夫。
しかし、この「Quick to the Hunt」はストーリー的に前作の「Becoming Three」とかなり根強くつながってる気配がしますね。こっちはHunterの妹の話。
私は洋物の男女物は読まないので、こっちはとばしてます。今回のを読んでいて「何かあったな」っていう読み落としの気配はあちこちにありますが、話がわからなくなるようなことはないので大丈夫かと。

さて、この1冊は、かなり暴力的な愛情の話。
Hunterのむき出しの痛みがCameron Dane独特の濃い筆致で描かれていて、「戦場から傷ついて戻ってきた男」が好きな人にはたまらん感じです。彼の痛みや、戦場で植え付けられた恐怖は、平和な世界に戻ってきた今でも鮮やかで、彼の周囲は戦場のようにむごたらしい世界になってしまったままなのです。
その中に妹を巻きこむまいと、彼は必死で妹を近づけまいとする。

で、その孤独の中に、いきなり現れたのがAlex。
はじめはお互いに、相手との距離を残そうとしつつ、結局何かが破れるようにお互いに落ちていく。
Hunterの中に押し込められていた色々な傷みが吹きだすように、とても痛々しいセックスシーンです。物理的にも痛いのが駄目な人にも向かないと思うぐらい、激しい。
しかも、彼らにとってセックスはひとつの通過点ですらなく、新たな問題を生みだす火種でもある。こう、どこもかしこも、とにかく痛々しいです。

Hunterの傷や痛みが鮮やかな一方で、Alexの生い立ちもおもしろい。彼の初恋の男との関係なんか、疑似親子ものとしてもなかなか秀逸で味わい深い。
Hunterと妹の関係とか、あと久々に出てきたCainとLukeの話(Fallingのカプ)とか、Hunterに対するある馬の愛情とか、戦場で死んだ戦友とのエピソードなど、周囲の様子もよく書き込まれていて、ドラマティックな展開をしっかり支えてると思います。
この作者の話はとにかく激しいので、そればっかり突出しちゃうとアンバランスになっちゃうんだけど、今回はそのへんのバランスもよく取れてるんじゃないかな。

傷ついた男の話や、トラウマものに惹かれる人におすすめ。自傷行為あり。物理的に傷や暴力が出てくるので、そのへん苦手な人は注意。
濃いエロ好きな人にもおすすめです。まあこう、道端とか庭とかパブリックスペースで裸でいたりしたら通報されるんじゃないかとか、ちらほら思わんでもないけど。この人の話でそんなツッコミは無粋なのか…

★帰還兵のトラウマ
★エロ濃いめ

Bound By Honor
SE Jakes
Bound by Honor★☆ summary:
Men of Honorシリーズ1。

1年前、Tanner Jamesのミッションは失敗した。友であるJesseは彼の腕の中で死んだ。
彼に最後の約束をさせて。

そして今、TannerはBDSMクラブの前に立っていた。友との1年前の約束を果たすために。たとえその代償に何を失うことになっても、友との約束に背を向けるつもりはなかった。
それが、BDSMクラブのオーナーに自分の体を差し出すことであっても。

Damon Priceは、死んだ恋人Jesseのメッセージを持ってきた男を、どう扱うべきかわからなかった。彼はJesseの最後の願いが理解できなかった。
Domとして、Tannerを一夜のパートナーにしろと?
しかもTannerはSubですらない。少なくとも、Tanner本人は自分のことをそう思っていない。

Damonの怒りと悲嘆は、一夜のレッスンを過酷なものにしてしまう。
どちらもお互いを受け入れるのを拒否した。だが、どちらもJesseの最後のメッセージを無駄なものにしたくはない。
友のために、死んだ恋人のために。そして自分たちのために、手探りの関係がはじまる。
.....



BDSMを中心に置いた関係ですが、DomとSubの関係とはかなりちがいます。「Master」とも「Sir」とも呼ばせないし、一部を除いてBDSMプレイっぽいものもほとんどなく、普通の恋人関係っぽい。エロもわりと普通(濃いめだけど)。
しかし彼らの関係の芯には、自分自身のコントロールを他人にゆだねることができるか、というBDSM的テーマはちゃんと含まれています。
Tannerは自分がTopだと思っているけれども、それだけでは満たされないことも自覚している。Damonはそれを満たすすべをすぐに見つけるけれども、1歩踏み込んでしまうのが怖い。Tanner相手では、踏み込んだらもう後戻りできない気がするから。
どちらも、自分を相手にゆだねるすべを覚えなければなりません。

Damonは死んだJesseを愛していたけれども、彼に満足することは出来なかった。Jesseが求め、Damonが与える、でもそれですべてが満たされるわけではない。そんな関係だったようです。
Jesseはそれを知りながらDamonを手放すことができず、でも死を目前にした最期の瞬間、友であるTunnerにDamonをいわば手渡す。
死者の存在と傷を間にはさんだTunnerとDamonの関係は時に痛々しい。時にお互いを抱きしめ、時に押しやろうとする。

Tunnerも軍人、Damonも店の共同経営者のLCも元軍人で、多分作者は軍人萌えなんだと思います。強い男たちが交錯する話なので、そういうの好きなら軍人萌えだけで楽しい。
ちょっと話のフォーカスが甘いところがあって、今ひとつ感情的な展開に説得力がない部分があったり、描写が足りないところも多々見受けられるのがマイナスポイント。過去のキャラの名前が何の説明もなく出てきたりして、全体像が見えてくるまでの流れが設定負けしてると思う。しかしキャラがなかなかに魅力的で、最後まで楽しく読めました。生傷のような心の痛々しさがよく書けてると思います。
特にDamonの友のLCのストイックな雰囲気が好きだー。シリーズの次は彼の話らしいので、これも読む予定。

「バイブ+コックリングプレイ」とか「お清めエッチ」とか何かこう、あちこちにBLっぽいシチュが見受けられるので、この人はBL(っぽいもの)を読む人なんじゃないかなあ。話の展開もBLに近いものがある。ガチムチ軍人の群れだけど。そこがいいのか。
一部のスパンキングと最初の公開プレイを除けばほぼBDSMらしいところはないので、そういうプレイが苦手な人でも読めますが、この話のおもしろさの一部は「BDSMのルールから逸脱している」というところにある気もする。ちょっと雰囲気のちがうBDSMものが読みたい人、強い男が過去をのりこえる話に萌える人におすすめ。

★恋人との死別
★義務感から始まる関係

★Three-Star rating system★


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