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Slash(m/m小説) レビューブログ

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Anarchy in Blood
T.A. Chase
Carol Lynne
Anarchy in Blood★★☆ summary:
Dracul's Revengeシリーズ2。

ホワイトハウスの周辺で金髪の若い男の死体が発見される。
それがはじめての死体ではなかった。そして、最後の死体でも。

Douglas大統領の個人秘書として働くAaron Bakerは、その死体と大統領とを結びつけようとする噂に頭を痛めていた。
誰かが大統領を陥れようとしているのだろうか? 彼と相いれない副大統領の策謀だろうか?

Aaronは、元シークレットサービスのGrayson Millsに連絡をとり、調査を依頼する。
Grayson Millsは、ゲイ嫌いの副大統領によってあらぬ言いがかりをつけられて、シークレットサービスを首にされた男だ。

Grayは、転落の原因であったホワイトハウスに2度と関わりたくはないのが本音だった。
だが、Aaronの頼みであるならば、話は別だ。数度しか会話をしたことのないこの若い男に、Grayはずっと惹かれていた。

彼らは次々と現れる死体の謎を解こうととりかかる。
何よりもGrayを悩ませたのは、金髪で若いその被害者の特徴が、まさにAaronにもあてはまることだった。それは偶然なのだろうか。
.....



Dracul's Bloodの続編です。前回のカプとは違うカプで、でも友達なので途中で前のカプも出てくる。

Aaronは子供のころから知っているDouglasのために大学生の頃に選挙スタッフとしてボランティア参加し、今では大統領の個人的秘書として働いていますが、まだ若くて生き生きとしている青年です。
彼は大統領を尊敬していて、その窮地を救うためにGrayに連絡する。AaronはずっとGrayの事が気になっていたのですが、Grayがホワイトハウスを去ってからの二人は縁が切れている。

Grayは一度は転落した男で、そこから這い上がって今は探偵社をやっています。
彼もまた、ホワイトハウスにいるうちからAaronのことが気になっていましたが、結局声をかけられないままに、人の策謀によってホワイトハウスを追われた。
そんな二人を、血なまぐさい事件が再び結びつける。

すぐに惹かれあう二人ですが、なかなか簡単にはいきません。
事件の調査もあるし、Aaronはホワイトハウスで働くだけあって労働時間が無茶苦茶。なかなか会えなかったり、あっても時間が短かったりしますが、彼らは一緒にいる時間を精いっぱい楽しむ。

Grayはかつて戦場の秘密任務で負傷して軍隊を離れ、ホワイトハウスでシークレットサービスとなるも、ゲイ嫌いの副大統領に言いがかりをつけて追い出された。
人生の落後者となり、そこから這い上がった彼には強さと弱さが同居していて、それが複雑なキャラクターの陰影を作っています。
彼が若くて少しやんちゃなAaronに恋をして、幸せそうになっていく様子がいい。
Aaronが煙草の匂いに執着していて、Grayのキスの匂いなんかに興奮してる様子もなかなかエロくていいと思います。

話は前作の「血のワイン」の存在を引き継ぎ、秘められた結社である「Knights of Paiderastia」の存在がまた浮かび上がってくる。
それはAaronの中に流れる血筋とも重なり合って、最後にスリリングなクライマックスとなっていきます。いや、ラストの方には意表を突かれた。

作者二人の合作二作目で、かなりいい感じの調和が取れてきていると思います。
現代の吸血鬼ものが好きな人におすすめ。前作を読んでいた方がいいですが、単独でも読めます。

★ホワイトハウス
★連続殺人事件

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Dracul's Blood
T.A. Chase
Carol Lynne
Dracul's Blood★☆ summary:
Dracul's Revengeシリーズ1

はじまりは大富豪の男が、家中の使用人──それも彼に長く仕えた使用人たち──を惨殺して血を飲んだ事件からだった。
ニューヨークの警察官Bobby Marksは、その凄惨な事件の捜査に取りかかる。
富豪の屋敷には古いワインボトルがあり、その調査のために彼は若い教授Nikolay Radinの力を借りることになった。

Nikはそのワインボトル、いや正確にはワインのキャスクにある古い刻印に注目して、つてをたよって深い調査を始める。
それはルーマニアの貴族ヴラド・ツェペシュの時代まで遡るワインであった。ヴラド・ツェペシュ。「ドラキュラ」のモデルとなった男。
そしてこのワインを作らせたのがヴラドの弟、Radu Draculであることまでもをつきとめた。

忌まわしい力を持つこのワインが人を狂わせるのだろうか?
そして、数千年の時を経てまだ隠然とした権力をふるいつづけるKnights of Paiderastiaの手が、事件を調べる彼らにまでのびつつあった。
.....



T.A. ChaseとCarol Lynneという、大御所作家ふたりの共作で、Dracul's Revengeシリーズ第一作。
全体にまだシリーズの入り口と言う感じで、ドラキュラ(つってもモデルになった人間の方です)の弟が復讐のために作ったワインの存在と、その力を説明するような巻になっています。

だからか、それとも共作がはじめてだからなのか、この2人の話にしてはちょっと全体に焦点が薄い感じかもしれない。気は優しいが力持ちの刑事Bobbyと、上がり症でオタク気質でシャイなNik、という組み合わせは王道なんですが。
2人の間にある引力がちょっと弱い感じで、カプ的な意味でのハラハラ感が薄いのが残念です。
でもいいところになるたびにBobbyに電話がかかってきて捜査に出かけないといけなくって、なかなか本番にまで至れないとか、Bobbyの好きな競馬につきあうものの賭事に興味がなく、それなのに馬の色だけで馬券を買って勝ってしまうNikとか、あちらこちらはすごくかわいい。
どうしてもつい庇護欲が強く出てしまう心配性のBobbyとか。事件が凄惨なだけに、2人でいる様子はほのぼのします。

ワインについての設定はなかなか凝っていて、ヴラド公の生い立ちや父親を殺した成り上がり方なども練り込まれています。
そのワインの力を手にしている「Knights of Paiderastia」の「Paiderastia」というのはギリシアの少年愛のことをさしていて、今に至る秘密結社もその伝統(と言っていいんだか)を受け継いでいます。清らかな少年を愛でることで至上の力を手に入れる、的な。

濃密な盛り上がりとかはありませんが、ほのぼのカプと、神秘的なお膳立てのストーリーで楽しく読めます。
シリーズ導入部としてはなかなかの出来かと。現在、続編の「Anarchy in Blood」が出ていて、こちらは大統領も絡むお話だったりします。

★ドラキュラ伝説

Deadly Wrong
Victor J. Banis
Deadly Wrong★★★ summary:
サンフランシスコ警察殺人課の新米Stanley Korskiは、上司に辞職を申し出る。
前の事件を解決できたのは運によるものだとわかっていたし、自分が警官に向かないことも彼にはわかっていた。
そして何よりStanleyは、Tomが2度と彼の方を見向きもしないだろうことに耐えられなかった。
Tom Danzel。決して自分がゲイであると認められない男。

上司はStanleyの辞職を留保し、とりあえず休暇を与えることで決着する。
そんな時、Stanleyは古い友達から電話をもらった。彼女の弟が人を殺したとしてつかまったのだと言う。
何かができるとは思えなかったが、Stanleyは押し切られて彼らの住むBear Mountainへ向かう。

山あいの小さな町で、彼が見たものは、保守的な人々の中でほとんど野放図にゲイとして生きていた被害者、そして彼の体を自分の好きに使っていた男たちの姿だった。
被害者が持つ唯一の「友」がCarlであり、そのCarlが今回の容疑者である。
状況はきわめてCarlに不利に見えたが、Stanleyはおぼつかないまま捜査をはじめる。

そんな時、サンフランシスコのStanleyの自宅をTomが訪れ…
.....



Deadly Nightshadeの続編。Deadly Mystery シリーズ2です。

前作で気になったStanleyの「オネエっぽさ」はなりをひそめてて、この人はこっちの方がいいと思うなあ。口から先に生まれてきたかのようなおしゃべりと早合点はそのままですが、そんな後先考えない活発さがStanleyのいいところ。

彼はシリーズ1で、クローゼットに深々と入った(入っていることを自分でも知らないほど)警官Tomに恋をしますが、結局Tomは自分の体面や未来のためにStanleyを去る。
傷心のStanleyは警察をやめてインテリアコーディネーター(これはどうも「ゲイっぽい」職らしい…)に戻ろうとするものの、意外にも上役からの評価が高く、結局辞職は保留されます。
そして古い友達を助けるために田舎町へと単身向かう。まあそのへんの無謀さも彼らしい。

「トラブルマグネット」とTomに言われたStanleyの性質は相変わらず健在で、彼はあちこち鼻をつっこみながらどうにか友達の弟の容疑を晴らしてやろうとする。
この話は真ん中近くまでTomが出てきません。ので、途中まではStanleyひとりによるTomへの恨み節とか未練と、事件捜査記録です。
まあ勿論、恋人は彼のピンチに駆けつけてくるわけですが。最後まで出てこないんじゃないかと思ってちょっとはらはらした。Tomはあんな強面だけど、結構理解があっていい男なんだよなあ。一見ただのマッチョですが、一皮剥けば「保護者」タイプのようで、StanleyはTomの保護者ボタンを押しまくるみたいです。

この話では、別れた2人がまたくっつきつつ、でも自分の立ち位置がよくわからない、Tomが何を求めているのか理解できないStanleyが迷ったり怒ったりするのも読みどころですが、一方で事件の陰影もなかなか深い。
特に、殺された青年の、誰とでも寝まくって、自分に暴力を振るうバイカーに依存していた姿は痛々しい。彼は結局、セックスを通してしか人間関係と言うものを感じられなかったのかもしれません。話の後半で出てくるのですが、友達のCarlに拒否された彼が1人で泣きじゃくっていたというシーンは非常に孤独で、そこに彼が陥っていた闇があるような気がします。
田舎町特有の閉塞感や、優越感や劣等感が至るところににじみ出す人間関係がよく書けていると思います。

読むならシリーズ1から。スラ要素のあるミステリって感じですが、入り組んだ人間関係が好きな人ならかなり楽しめるかと。主人公2人も入り組んでるけど、今回はほんとに背後で人と人との負の感情が絡み合ってて、最後に浮き上がる犯人の姿にも説得力を与えています。

「自分から別れた筈の相手を忘れられずに追っかけてしまうマッチョ」とかに萌える人にもおすすめ。TomはStanleyに自分の気持ちをなかなか言えませんが、それはわざとではなくて、表す言葉が見つからないからです。いい男ではあるんだが。
まだまだ彼らには波乱の予感がありますね。シリーズの先も楽しみです。

★別れた恋人
★自称ストレート

Deadly Nightshade
Victor J. Banis
Deadly Nightshade★★☆ summary:
Stanley Korskiは誰がどう見ても一目でわかる「ゲイ」で、彼とパートナーを組まされたTom Danzelはそのことについて幸せではなかった。
だが彼には、この新米でゲイの小柄な刑事とパートナーを組んで解決しなければならない殺人事件があった。

Stanleyにとって殺人課の刑事は、彼を忌み嫌う父親に対して示せる最大限「男らしい」仕事だった。
彼の考える「刑事」も「殺人捜査」もほとんどドラマの中にある物だが、この事件を解決さえすればは殺人課での未来がひらける。
彼は、Tomが自分のことを「ノーマル」と思いながら深くクローゼットに入っているケースだと思い、Tomに惹かれるが、パートナーと込み入ったことになるのは利口なこととは思えなかった。
それにTomはStanlyを汚い物のように嫌っている。

殺された被害者は、直前にドラッグクイーン──女装した男と連れ立っているところを見られていた。
StanlyとTomはドラッグクイーンやゲイがいりまじった世界に足を踏み入れて、容疑者のドラッグクイーンを探そうとする。そこはTomの知らない、あるいは知りたくなかった世界であった。
.....



サンフランシスコの刑事の話。「Deadly Mystery」シリーズの1。今5冊まで出ていて、2まで読んでみました。

ストレート、あるいはクローゼットに深々と入った警官と、あからさまにゲイの男というのは、「Adrian English」シリーズや「L.A.」シリーズなどにも見られるようにいいモチーフです。
ゲイをオープンにしてる側の方がのびのびしていて、警官が時には不本意なまま惹かれてしまい、葛藤するのが読みどころ。

今回は、自分がそもそもゲイであることを知らない男です。女性を好むと公言し、結婚したこともあり、ゲイを忌み嫌っている男、Tom。
彼のことをStanleyは「ネアンデルタール」と悪口を言うけれども、Tomに強く惹かれている。

読んでいてちょっとびっくりしたのが、Stanleyがやたら「オネエ系」とでも言うような話し方をするところ。"sugar"とか"honey"とか、別に深い仲じゃないのにわざわざそんな呼びかけをするのは、そういう人なのか、Tomへの嫌がらせなのか。シリーズの2ではそこまで「おかまっぽい」感じもなく、ただの活発なゲイなんですけど。
今回「ゲイはインテリアコーディネイトに気を使う」と断言してるところとか、ピンクのバスタオルを使ってるとか、偏見なのか(自分もゲイなんだけど)ジョークなのか、何だか微妙だった。私だけかも知れないけど、行間から「やたらなれなれしいオネエ」って感じがしてしまうのですよ。
これは結構ウザいと思う。ので、Tomが全力でStanleyの動きを防御しまくるのもよくわかります。

その一方で、二人の関係が近くなってからのStanleyの変化はおもしろいです。下品でなれなれしい態度やしゃべりは、多分Tomの嫌悪に対するStanlyの防御策のひとつで、本来繊細な人なんだと思う。
いざ据え膳!みたいな時になると、「終わったら嫌われるだろうなー」と思っていきなりそれまでのヤル気がどこかにいってしまったりとか。ちなみにStanleyは基本的にTopの人で、そんなことまで彼はべらべらとTomにしゃべるんだけど、最後にそれをTomが覚えているシーンがあって、なかなかほろりとします。びっくりもしたが。

おしゃべりなStanleyと遠慮のないTomの組み合わせで、会話はとても楽しい。捜査中の証人たちとの会話も切れがよくておもしろいです。ドラッグクイーンや、妻を捨ててドラッグクイーンにはまってしまった男とか、色々な人間が出てきます。
都会の片隅の吹きだまりにいる人たちの姿は、時にユーモラスで、時に痛々しい。乾いた筆致ですが、そういう「痛々しさ」をにじませるのがうまい作家なので、全体のミステリとしての雰囲気もいいです。
2人にハッピーエンドの気配はないまま、彼らの関係はもつれていく。スラとしてより、スラまじりのミステリとして読むのがおすすめ。

おしゃべりで活発なゲイの男と彼から「ネアンデルタール」扱いされる有能な刑事の組み合わせに萌える人に。

★ゲイ/ストレート

Giveaway!

L.A. Wittの「Nine-tenths of the Law」をうっかり2冊買ってしまったので、1冊プレゼントします。
選べるフォーマットは

・Adobe Acrobat ・Adobe Acrobat for Sony
・Ebook ETI-2 ・EPUB ・HTML
・Microsoft Reader ・MobePocket/Kindle
・Rocket Book

のどれか。

先着1名様にしますので、ほしい人はこの記事のコメント欄に「ほしい」とか何か書いて(応募者がもういるというお知らせなので、一言でいいです)、右側のメールフォームからアドレス記入の上メール下さい。
コメント欄に誰も書いてなければ、まだ誰も応募してないってことで、いつまでも募集継続中だと思ってね!と。

できればメール時に希望フォーマットも知らせてもらえると嬉しいですが、決めてない人も相談に乗ります。
最後まで読める自信がなくてチャレンジしたことがないんだけど、とかそういう人でもOK。大体5万語ちょっとの小説で、L.A. Wittはわりと固めの文章を書くので読みやすい方だと思う。
この作品ページの「Excerpt」で、中身の一部抜粋が読めます。

ご応募待ってます~

Nine-tenths of the Law
L.A. Witt
Nine-tenths of the Law★★☆ summary:
“I believe you have something of mine, Zach.”
Zach Owensはバーで見知らぬ男からそう挑まれ、とまどうしかなかった。
彼の物を持っているだろうと言われても、Zachは目の前の男をまるで知らない。

だがZachの恋人、Jakeは相手の顔を見て顔色を変えた。
彼らは他人ではなかった。4年間の恋人同士だったのだ。

知らずに他人の恋人を寝取っていた事実をつきつけられて、Zachはひどい罪悪感にさいなまれ、立ち去っていく相手の男を追いかける。ただ謝罪したかった。そんなつもりはなくとも、彼を傷つけていたことにかわりはない。

相手の男の名はNathanと言った。おかしな出会い方をした2人は、そのテンションのままに一夜を共にして、別れる。
数日後、Zachの経営する映画館にNathanが姿を見せ…
.....



人の恋人を寝取ってしまった男と、寝取られて激怒している男の話。
彼らをつなぐのは2人を裏切っていた誠意のない男。でも憎しみに満ちた筈の出会いは、予想外の方にころがっていくのです。

同じ男に裏切られていたと知った彼らは、互いに惹かれるものを感じて関係を持つようになるのですが、Nathanが人を信頼していないことにZachは段々気付いていく。Nathanには恋人に裏切られた過去が──今回だけでなく──あり、そのため、Zachが仕事で遅くなったりデートをキャンセルしたり、電話に出なかったりすると、その裏にある物をすぐに疑ってしまうのです。
また裏切られるのではないかと。
疑われるたびにZachはとまどい、傷つく。

カジュアルなセックスフレンドならともかく、ある程度の関係になってくると信頼は重要です。信頼のない関係は長続きしない。
ZachはNathanに信頼されたいけれども、どうしたらいいのかわからない。Nathan自身にも、人をすぐに疑ってしまう自分の気持ちをどうしようもないのかもしれません。

誠実なZachの性格がなかなかいいです。場末の映画館を友人とともに買い取り、掃除をしてきれいにメンテナンスし、ギリシャの劇場の名前を付けて経営に精を出す。言うことを聞かない映写機をがんばって修理し、だらしのない従業員を解雇して溜息をつく。そんな毎日。
誰に対しても彼が誠実に接しているのがわかるだけに、何故Nathanが彼を信じられないのか、不思議になるほどです。

しかし信頼の問題をどうにかNathanが乗り越えない限り、彼らに未来はない。Zachは、永遠に疑われながら関係を続けていくことはできない。
どれほど好きでも。好きだからこそ。

「Nine-tenths of the Law」ってのは所有に関して定められた法律のようで、「実質的に所有していれば所有権がある」みたいなことらしい。
2人を手玉に取っていた男があんまり魅力的に見えないのはちょっと残念かな。ZachもNathanもいい男だから、彼らがだまされた相手はもうちょっと魅力的な方がうれしいなあ。でもそうなると話がまた複雑になるか。

L.A.Wittははじめて読んだのですが、凝った設定で人間関係をひねって話を始めるのがうまい作家です。人と人との間の緊張感が高くて、気持ちのねじれがおもしろい。
マイナス感情からはじまる人間関係が好きな人におすすめ。

で、この「Nine-tenths of the Law」をうっかり2冊買ってしまった(カートを行き来してる内に2冊入ってたらしい…)ので、1冊今週中にプレゼントします。うかつであった。

★恋人の恋人
★信頼関係

色々と状況が変わってきたからか、最近「Stanza」はデスクトップ版の配布をやめている。もしかしたら再開しないんじゃないかと思う。
わけで、新しい状況に合わせるべく「最近のStanzaの使い方」を調べてみた。あんまりこのやり方で使い込んでないので、おかしな点があったらご指摘等歓迎です。

つーことで、「iPhone/iPodTouchのStanzaに本を入れる方法」
2010年8月版。

その1。iTunesを使う。
iTunesにデバイスをつなぐと、その中の「App」タブからStanzaにファイルを入れることができます。
この方式で読み込ませることが出来るファイル形式は、「ePub, eReader, PDF, CBR, DjVu」なんだそうです。(Stanza3.03の段階)
正直ePub以外はあんま使い物にならない気がしますが(後半2つ知らんし)、まあとりあえず。

iPhone/Touchを接続した状態でAppタブを選ぶと、今インストールされているアプリの一覧が出てきますが…
Stanza1_20100810141357.jpg

その下にずーっとスクロールすると、共有画面がでてきます。
iOS3.2からあるそうだけど、目立たなすぎて気付かんかったぞ!
Stanza2.jpg

ここに入れたいファイルをドラッグすればOK。受け付けないファイル形式は、Stanzaを開けた時にエラーになってます。

その2。Calibreを使う。
Calibreはすぐれた電子書籍管理アプリで、無料。Windows、Mac、Linux版があります。ここからダウンロード可能
Calibreにはサーバーとして、他のデバイスと本を共有する能力があります。
どうやるかというと、細かい説明はここにあったりするので英語が得意な人はそっちの方がわかりやすいと思いますが、ざっくりまとめると

・PC(Mac)とiPhone/Touchなどのデバイスを同じローカルネットワークにつなぐ(無線LANで同じネットワークを使用していればOK)

・Calibreを立ち上げ、環境設定(右上の歯車風アイコン)から「Content Server」をひらき、サーバーをスタートさせる。

・iPhone/TouchのStanzaを立ち上げ、下部の「ブックを取得」から「共有」をひらき、右上の「+」アイコンを押してブックソースを追加。名前は何でもいいので、URLのところに「http://hogehoge:8080/stanza」を入れる。この「hogehoge」部分は、自分のPCのIPアドレス。
 我が家はそれでうまくいかなかったので、Calibreのヘルプに従い、「http://自分のパソコンの名前:8080」を入れて接続しました。自分のパソコン名は、Macだと「システム環境設定→共有」の画面を見ると、上の方に出てきます。

設定が出来たら、新しく作ったこのブックソースに接続すれば、Calibreの本棚にアクセスできます。ちなみにファイアウォールに邪魔されたりするので、うまく行かない時は一時的にファイアウォールを切ってみるのがおすすめ。うちのMac、ちゃんとCalibre許可してるのに通してくれないのだ…

んでもって、Calibreは色々な書籍のファイルを読めますが、どうもStanzaに入れられるのはePubのようです。litとかは駄目だった。
しかしCalibreはお利口さんなので、アプリ内でePubに変換できます。Stanzaに入れたい書籍はこのコンバート機能でePubに変換しておこう!
Stanza3.jpgこれをクリックしてコンバート。


Stanza4.jpg

出力フォーマットを「ePub」にして、OKをクリック。環境設定で常にここをePubにしておくことができます。

Stanzaだけでなく、iBooksもePub形式なので、コンバート目的のためだけでもCalibreを入れておくと便利ですね。一冊コンバートしてみたら、目次はふっとんだけど、章分けはちゃんとされたままで読み込まれてました。
表紙抜けなんかのトラブルはStanzaよりも少ないようです。
Calibreについてのおすすめ記事はこちらにもありますので、ご参考までに。

会話の中などで使う、ちょっとこなれた感じのイディオムとかことわざとか。

old school

「古い」という意味でおおよそ何にでも使われる。主義が保守的だとか、服の趣味が古いとか。
いい意味でも悪い意味でも使える言い回し。



Rise and shine

「起きて働け」ということ。「起きる時間だよ」と相手を起こす時にセリフでよく使う。
イザヤ書の
>Arise, shine; for thy light is come, and the glory of the LORD is risen upon thee.
からきたものらしい。



Takes one to know one

同類を知るのは同類である、というような意味。
"You are an asshole." "Takes one to know one."(「お前はろくでなしだ」「そっちも同類だろ」)みたいな感じ
ゲイだとか、オタク趣味だとか、色々な物に使われる。



Pot calling the kettle black

「鍋がやかんを黒いとか言ってるよ」ってことで、「目くそ鼻くそを笑う」の意。
「"pot, meet kettle."(「五十歩百歩だろ」)」みたいにセリフの中で崩して使われることも多い。ワーカーホリックの友達に「お前は働きすぎだ」と言われたら、"Hallo, kettle."と返してみたりとか。



ところでJ.L.LangleyがFiction With FrictionにSFシリーズのエロ短編投下してます。(Nateの話)
シリーズのファンにおすすめ~
しかしこのサイト、集まってる作家の面子が結構凄いな。

Jacob's Ladder
Z.A. Maxfield
Jacob's Ladder★★★ summary:
Jacob “Yasha” Livingstonは、ほぼ人生最悪の日を迎えていた。
まず、風邪で具合が悪い。そして家に戻った彼は複数の男が恋人のベッドにいるのを見る。
恋人はもともと口より手が先に出るような男で、だがかつてイスラエルで従軍したこともあるJacobは自分の身は自分で守ってきた。その日までは。

散々叩きのめされて血の海に残された彼は、病院を出てすぐに兄のところへ行こうと長距離バスに乗る。だがバスの運転手はJacobの咳を嫌がり、彼を途中で放り出した。
モーテルにまではどうにか行きついたが、意識を失ってしまったJacobは救急に搬送される。意識を取り戻して、迎えにきてくれと兄に電話したが、週末までは行けないという返事だった。

そんなふうに、JacobのSt. Nacho'sでの暮らしが始まった。
そこには、彼を運んだ救急隊員の男、JTがいた。JacobとJTはどちらもユダヤ人だが、Jacobはユダヤ教徒であることとゲイであることの折り合いをとうの昔につけていた。
明らかに、JTはそうではない。彼はJacobに惹かれる自分を恥じている。

ストレートであろうともがく男、ゲイであることを認められない男との関係に未来はあるだろうか?
それともそれは、Jacobの新しい傷になって残るだけなのだろうか。
.....


St.Nacho'sシリーズ3。
Jacobのイディッシュ語(移民のユダヤ人が使うらしい)での愛称が “Yasha” なんだそうです。何で?と思ったけど、Jacobは読み方によっては「ヤコブ」ですね。多分アメリカでは普通に「ジェイコブ」と発音して構わないと思うんだけど。
タイトルの「Jacob's Ladder」は日本語ではヤコブの梯子、天使が上り下りする、天と下界をつなぐ梯子のことです。

JTはさわやかで魅力的でやさしい男だけれども、いざ己のセクシュアリティのことになるとひどく混乱しています。
Jacobを求めながらも、彼は日の当たる場所ではそのことを自分自身に対してすら否定しようとする。そしてその否定がJacobを傷つけたのを見て、自分も傷つき、さらに混乱する。

JacobにはJacobの問題があり、彼は暴力のある場所に惹かれる自分をどうにかしたいと思っている。彼と兄は暴力的な父親の元で育ち、力を合わせて母親を守ろうとした。兄は結婚しながら、「自分が父親のようにはならない」ことを証明しようとし、Jacob自身はどこか母親のように暴力の被害者としての立場に入りこんでしまう。
実際に殴られたことがあるかどうかではなく、それは自分に対してどこかしら投げやりになってしまう彼の生き方の問題なのです。

そんなふうに複雑なものをかかえた2人の男の人生が、このSt. Nacho'sで交錯する。
St. Nacho'sは不思議な場所で、ここに来た人に自分の人生を立ちどまって見つめるための「隙間」を与えます。シリーズの1、2でそうしてこの町にとらえられたCooperやJordanの近況がかいま見えるのもいいですね。
Jacobを雇うことになるパイの店の女主人は、Jordanのお母さんです。彼女も多くのものをくぐりぬけて、St. Nacho'sで人生を取り戻した。

相変わらずなごやかな町の様子もいいし、今回はサブキャラがなかなか立っています。兄とか、JTの同僚とか。
Z.A. Maxfieldはここんところ書く物が今いちハマらなかったんですけど、やっぱりこのシリーズはいいな。
静謐な描写が重なり合っていく感じの小説で、静かでいながらおだやかに賑わっている町の背景と、2人の心の交錯がうまくとけこんでいます。交わされるのは愛情や情熱だけでなく、傷や痛みでもある。

これ単独で読めますが、St. Nacho'sという場所の特別感を味わいたい人は1から読むのがおすすめ。いいシリーズです。
心理描写を読むのが好きな人におすすめ。

★家庭内暴力
★立ち直り

Somebody To Love
Carolina Valdez
Somebody To Love★★ summary:
Nate Marquetteはヘリの操縦免許を持ち、普段はカナダやアメリカ北西部でで山の木をヘリで運搬しながら、ロス近郊の山火事と戦う消防士としても働いていた。
友人の結婚式に行った彼は、結婚式前のパーティでチッペンデールダンサーズのショーを楽しむ。
ダンサー達は何故か顔を隠すマスクをつけて踊り、その中の一人はステージから客席を走って消える際、Nateにキスをした。そのマスクの奥にあるコニャック色の瞳は、瞬時にNateの心をとらえた。

Kevin Connollyはテレビシリーズで刑事役を演じる、今人気絶頂のスターであった。
彼はゲイであることをひた隠しにしていたが、妹の結婚式の前のパーティでダンサーたちとストリップショーを演じた際、椅子に座った魅力的な男にキスをする自分をとめられなかった。

偶然の出会いは、彼らを思うよりも強く結びつける。
だが2人には障害が多かった。離れた場所で、それぞれに時間の制約の厳しい仕事をしている。
そしてNateは、学生時代に傷ついた経験から、どこかで裏切られるのではないかと言う不安が拭えないでいた。
.....



スターと山の消防士。
まあ消防士ってアメリカではある意味スター職業なので、お似合いと言えばお似合いです。

ホットな2人がホットな出会いをして、そこからきちんとした関係を作り上げようともがいていく。
彼らが出会うきっかけになったチッペンデールダンサーズは男性ストリップのグループで、非常にエロくも洗練されたショーを披露するので有名です。
見事な体の男たちなので、そこにまざって踊れると言うことはKevinも相当なもんなんだろうなー。

どちらも誠実で、正直な男で、互いに相手を大切に思うようになっていきます。いい男2人の恋模様はいつ読んでもいいものだ。
しかしKevinは誰かにNateのことを気付かれるわけにはいかず、2人は滅多に会えないし、NateからKevinに連絡をとることもできない。長い間の音信不通、不在、時おりの秘密の逢瀬。

Nateにはいくらか恋人付き合いに関するトラウマがあって、どこかに「俺は相手にされないだろう」という諦念があります。Kevinが連絡できないまま、約束の日に現れなかった時、彼は「やはりな」と思って傷つきながらあきらめ、でもKevinが現れれば怒ることもなく、疲れた恋人にマッサージをしてやる。
とても優しい、包容力のある男なのに。
でも彼は、Kevinの撮影現場で男がKevinにキスをしているのを見てしまった瞬間、自分のすべてが裏切られたと感じて、完全にKevinをシャットアウトしようとするのです。それが本当はどんなシーンなのか見極めようともせずに。

山火事の仕事の現場なども生々しく書かれていて、はなやかな設定の割にNateやKevinの存在感はリアル。NateはKevinにカミングアウトを求めないし、まだまだ彼らの関係は入り口って感じですが、そういう初々しい感じも読んでて楽しい。
個人的にはオチのシーンがちょっと唐突だったけど。Nate、そんなにチッペンデールダンサーズが好きか…
真夏の気楽な読書におすすめ。わりと短いので単純にアップダウンを楽しんで読めます。

★スター×消防士

★Three-Star rating system★


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