Slash×Slash

Slash(m/m小説) レビューブログ

※万人向けの内容ではないのでご注意ください
→このブログについて

After Arsenic and Rio
D. J. Manly
Arsenic and Rio★★ summary:
Arsenic and Rio」の続編。

少年だったMarshall Callettiだが、あの事件から10年が経ち、彼は償いを終えて社会に復帰していた。
今や小さな画材屋を持ち、恋人と家を買って一緒に暮らしている。

かつて社会からドロップアウトして犯罪に手を染めたあの少年からは想像も付かない、満ち足りた生活の筈だった。
だが、Marshallは夢を見つづけていた。
Angelo Farelliの夢──Marshallが愛した、そして殺しかけた男。
リオで2人ですごした、あの白い砂浜の記憶。

解決した筈の事件が、Halの仮釈放申請によって過去からよみがえる。
仮釈放反対の証人としてMarshallは証言を求められた。そしてその証言の場に、Angeloも証人として来ると言う。
.....



Arsenic and Rio」の続編で、前の事件から時が経った2人の話です。
愛した男を殺しかけた過去を、Marshallは忘れることが出来ない。大人になって、自分の人生をしっかり生きながら、彼はAngeloの夢を見つづけていて、それを今の恋人は快く思わない。
彼は、MarshallがまだAngeloを愛していること、いや、Angeloこそが愛したただ1人の男であることを、どこかで感じているのでしょう。

再会したMarshallとAngeloの間には、まだ愛がある。どちらも相手を忘れてはいない。
でもそれは、彼らがやり直せると言うことではない。Angeloは、自分を裏切り、殺しかけたMarshallを許し、信頼することが出来るのかどうか。
信頼できないまま体だけをつなげても、彼らには未来があるのか。

Marshallの感情の強さがきめ細かく描かれていて、あの痛々しかった前作の少年を思うと、とても応援したくなります。
もうちょっと2人の葛藤について、段階を踏んで書いてあってもよかったかなあと思いますが、後半はややサスペンス風味なので、感情的な葛藤はそちらに呑み込まれがちかも。でも再会の情熱と、そこにある痛みの鮮やかさなんかは見事です。

Angeloの芯にある強さや誇り高さが、後半の展開でしっかり描写されていて、前作で「典型的ないい男」という感じだった彼に個性が出てきたのはすごくいい。
そんなふうに強さを持つ彼なのに、あの事件の後、アルコール中毒に陥った彼には、今こそMarshallが必要です。強い男のそういう脆さっていうのもいいなあ。

前作ほどのボリュームはありませんが、「あの後の2人が気になる!」という人におすすめの1作。2人だけでなく、悪党Halの行く末もわかります。こいつほんとに悪党だなあ。
前作を読んでからでないと、単独ではわかりにくいです。実はシリーズ物だと気付かずこっちを先に買って読んでいたのですが(途中で気付いて1冊目を買いに行った)、前提がないとストーリーはわかるのですが、キャラの感情に置いていかれがちです。あっちの書店ってシリーズ物表記しないところが多いよね…

★再会
★許し

Arsenic and Rio
D. J. Manly
Arsenic and Rio★★★ summary:
Marshallは、世界の何も信じていない少年であった。
薬物中毒の男のために路上で体を売って金を稼いでいた彼は、グループホームに保護されたが、誰にも心を開こうとしなかった。

Halは、手に取るようにMarshallのことが読めた。愛を信じていないと言いながら、愛に飢えた少年。
少年の心の隙間に入りこみ、その絶望と自己嫌悪を巧みに操って、HalはMarshallを金を稼ぐ道具として使いはじめる。体を売り、その後に相手の男を脅迫するのだ。
Marshallは時に激しい嫌悪感に襲われたが、Halから離れることはできなかった。

Halだけが、Marshallの友達だった。
たとえHalがMarshallを殴ろうとも、それはMarshallのためなのだ。
Halのほかに誰がMarshallのことを心にかけ、誰がMarshallのことを大切にしてくれるだろう。

コーヒー農園のオーナーAngelo Farelliに出会った時、Marshallの世界は大きく揺らぎはじめる。
Angeloは親切で、Marshallの過去の多くを知っても彼を蔑んだりはしなかった。Angeloといると、Marshallは安らぎを感じられた。

だが、MarshallはそのAngeloを騙し、彼の農園を手に入れなければならないのだ。そして、Marshallが計画からそれぬよう、Halが近くからじっと見張っていた。
.....



不幸な少年の物語。
世界を信じていない、愛を信じていないと言いながら、Marshallは愛に飢えている。そして、Halは巧みにそれを利用します。
でもその偽りの「愛情」は、MarshallがAngeloと恋に落ちて本当の愛を知った時、崩れ去るのです。

Angeloをだまそうとして近づいたMarshallは、強く惹かれて恋に落ちる。でもその背中をじっとHalが見ている、その様子がじつに不気味で、Marshallが不憫になります。
Marshallは、長年Halの言うことに盲目的に従ってきたため、正常な判断を失っているところがある。Halの計画のシナリオを知っているのに、Angeloの命をどこかで救えると思っている。
思いながら、Halに言われるままにAngeloに毒を盛る、そんなMarshallの痛々しさが哀れです。

恋に落ちた時の幸せなMarshallと、Halに操られるしかないMarshall。このふたつの差が鮮やかで、それが余計に物語を痛々しくしている。
Angeloは本当にいい男で、この男と一緒ならMarshallは絶対に幸せになれそうなんだけど、Marshallにすり込まれたHalへの従属は、そう簡単に消えないのです。

Marshallを巧みに操るHalが怖いですね。Marshallの中にある空虚を正確に見抜いて、そこにうまく入りこんでいく、その狡猾さにぞっとする。
ああいう男からMarshallが自力で逃げることができないのは、もう仕方ないと思うなあ。
もっともその弱さが、Angeloの命の危機と、彼らの運命の破綻を招いてしまうわけですが。

うまく人間関係が絡み合っていて、キャラクターの彩りもよく、Marshallの変化がきちんと書かれています。
不幸な少年が運命に翻弄される話にぐっとくる人におすすめ。
この話単体ではハッピーエンドではありませんが、続編の「After Arsenic and Rio」が出ています。

★詐欺
★人間不信

After the Storm
Chrissy Munder
After the Storm★★☆ summary:
病で余命少ないVincent Poulsenは、最後の自分の住み処として、古い灯台を選んだ。
ここなら心配する誰かに囲まれ、朝から晩までその日の気分を聞かれることもなく、静かにすごすことができる。最後の仕事に集中できる。

望み通り灯台の塔で静かにすごしていたVincentだが、ひどい痛みの発作の後、彼の目の前に幽霊が現れる。
Captain Cason。19世紀の船乗りであり、かつてこの灯台に住んでいた男。そして何故か、死後もそこに住み続けている男。

VincentとCaptainはお互いを追い出そうとしたが、結局のところ合意に至り、しばらく一緒に暮らすことになる。

意外にもそれは悪くない日々だった。CaptainはVincentの痛みが日々ひどくなっても、Vincentのしたいことに口を出すことはなかったし、悪い話相手ではなかった。
だが彼は、何故灯台に住みつづけているのか、その問いには決して答えようとしなかった。
.....



死んでいく男と、灯台に住みついたゴーストのストーリー。
意外なことですが、この二人がカップルなわけではありません。彼らの奇妙な一瞬のつながりや、それがもたらす結果を書いてはいますが、スラとしてはこれは「Captainと、彼が遠い昔に愛した男」の話。

口の固い船乗りは過去のことをなかなか語ろうとしませんが、19世紀の追憶が少しずつ表れてくる。彼が段々と事情を明かすのは、Vincentが死につつある男であることも関係しているのかもしれません。
やがてあらわになる過去の出来事は痛々しくて、Captain Casonが恋人の亡骸を離せずに海に沈んでいくくだりなどは胸に迫るものがあります。
あんまり湿っぽい男には見えないので、余計にそのシーンが美しい。

死の気配に満ちた話ですが、筆致は淡々としていて、物語の輪郭は丁寧です。
Vincentにせまる死、Captainの過去、そして彼らの目の前にやってくる嵐。

「After the Storm」──かつて、嵐の後には、ひとりのゴーストが生まれた。
今度の嵐の後には、また別のものが生まれるのです。

この短さで、なかなかうまく書かれた話なので、幽霊話や寂しげな雰囲気の話が好きな人におすすめ。
色々と、読み終わった後も想像がひろがる話です。

★ゴースト
★病人

Wishing For A Home
T.A. Chase
Wishing For A Home★★★ summary:
Derek St. Martinは人気のカントリー歌手であった。
名声と富。熱狂的なファン。
望む物を手に入れた筈なのに、Derekの心はいつも空だった。

ゲイであることを知られるわけにはいかない。それは彼のキャリアを滅ぼしかねないとマネージャーは言い、Derekは何年も嘘で塗り固めた生活を続けてきた。
だがもう限界だった。
薬で痛みをやわらげながら、このままどんなふうに生きていけるだろう。

義理の弟は彼に休みをすすめた。誰も彼のプライバシーに踏み込んでこない、静かなところ。
知り合いがいい牧場を持っていると言う。

牧場頭のMax Furloは、カントリーシンガーがやって来ると聞いて、あまりいい気持ちではなかった。
牧場のオーナーたちは、彼にセレブのお守りをまかせてヨーロッパへ出かけてしまったのだ。
わがままな歌手の面倒を見るつもりなど、彼にはさらさらなかった。

音楽の寵児と、無愛想なカウボーイ。
彼らの出会いは偶然で、たとえ一線を踏み越えるとしても、それは一夏限りの軽い遊びで終わる筈だった。
.....



Homeシリーズ第三作。
今回はTonyとBrody(Home of His Ownより)の牧場が舞台ですが、2人はTonyの甥に会いにヨーロッパへお出かけ中。
残された牧場頭のMaxと、そこにバケーションにやってきたカントリーシンガー、スーパースターのDerekの話です。

Derek St. Martinは前作の「Home of His Own」にちらっと出ていますね。Tonyがハワイから帰る飛行機で隣に乗り合わせて、2人で話をしていた。
Derekは深くクローゼットに入ったゲイで、そのことにすっかり疲れ果てている。誰も彼を気にしない静かな牧場に来て、ゆっくり眠り、彼はやっと自分を見つめる時間を取り戻します。そして、そこにいるカウボーイMaxに視線を惹かれる。

彼とMaxが近づく、その過程はゆっくりです。
そこに何かがあるのを知りながら、まず2人は友人として親しみを持ち、互いを認めあう。Derekの歌に対する情熱をMaxは理解し、DerekはMaxの頑固さと誠実さを心地いいと思う。

これまでのシリーズ二作のように、大勢がより集まってわやわやと疑似家族をしているにぎやかさがないのは淋しいですが、DerekとMaxがゆっくりと関係を作り上げていく様子はひたむきで、真摯なものです。
2人とも、これがこの夏だけの関係であると知っている。休暇が終わってDerekがまた「スーパースター」に戻れば、Maxと関係を続けられるわけがない。Maxは嘘の中で生きることは出来ないし、Derekはスーパースターの仮面を外せない。
それでも、その夏だけでも、彼らは丁寧に相手と向き合おうとするのです。
それは、深い孤独や傷を知っている者同士の、おだやかな癒しの行為でもある。いかにも大人同士という感じが素敵だ。

最後の最後にDerekがする決断は深いもので、彼がその道を「Maxのためではなく、自分のために」選びとった、そのことが本当に深い。
それ以上、自分を失わないために。
でもそんなふうにはっきりと彼の姿を鏡に映し出し、Derekに自分の望むものをわからせてくれたのも、Maxの存在と愛情なのです。

前作までのキャラがちらちらと出てくるのも楽しい。次の話のネタも蒔かれています(次はPeterでしょう、きっと!)。
ワイオミングの自然も美しくて、その中でゆっくりと心をほぐしていくDerekの姿が静謐に書かれています。

単体でも読めるけど、他のキャラもうろうろしているので、DerekとMax以外の人間関係がつかみにくいかも。やはりこれはシリーズでいった方がいいと思います。
カウボーイ好き、孤独な2人の大人がわりとのどかに互いを好きになる話に萌える人におすすめ。

★一夏の恋
★スーパースター

会話の相槌や返事に使われる言い回し。
会話文のニュアンスがわかってくると小説は読みやすいですね。ぽんと簡単な返事をされると、ギャグなのか嫌みなのか、肯定的な相槌なのか否定的な返事なのか、なかなか雰囲気が汲めなかったりして切ないです。むう。

Whatever.

「何とでも言え」みたいな。場合によって拗ねたり、投げやりだったり、からかってる感じだったり。


Ditto.

「同じく」
訳すなら「俺も」とか?
かなり砕けた口調になります。


If you say so.

「あなたがそう言うなら(直訳)」ということで、「そうかもね」「そうなんじゃない?」「それでいいや」みたいな曖昧ニュアンス。「どうでもいいや」の場合も、「今いち納得いかないけどそういうことにしといてやるぜ」という場合もあり。
喧嘩してる時に言うと、かなり嫌みっぽい否定的な表現になります。「おおせのままに!」みたいな感じか。


Come on!(Come on, とか Come on. とか、カンマやピリオドなどで区切られる)

普通の時なら「こっちにおいで」ですが、会話の相槌としては「おいおい!」とつっこむ感じに使われる。「ちょっと~」とか「またかよ~」とか、まあ色々。「マジで言ってんの?」的ニュアンスを含むことも。


Point taken.

「一本取られたな」。
もうちょっと軽めに、「一理ある」とか「たしかに」くらいの相槌の時もあるみたい。
単純に「Point.」と略すケースも。


Promise?

「絶対?」とか言う感じにまぜっかえす相槌に使うことがあります。「明日こそ遅刻しない!」「絶対?(笑)」みたいな感じ。


I'm sure~

時と場合によりますが、たまに反語で使われます。
「カレーくらい作れるよ!」に「I'm sure you can.」と返すと「勿論そうだよね(笑)」みたいなからかう響きになったり。「うん、わかってるよ」と肯定的な相槌にもなったりするのが厄介。
sureは意外とニュアンスにクセのある単語のような気がする。

ぐぐってたら、Well I'm sure! が「これは驚いた!」の意味だという辞書の用例が出てきたし。見たことないかもなー。

John Doe

「身元不明人」のことを指す仮の名前。
訴訟の原告(匿名)につける便宜上の名前や、行方不明者や身元不明の死体の呼び名に使われる。いわば「名無しの権兵衛」的な物。警察ものにたまに出てきます。
女性はJane Doe。



guinea pig

ギニアにも豚にも関係ない。cavy(テンジクネズミ)のことで、大体はさらにその中のモルモットをさす。
普段の会話で、「この料理を作るのははじめてだから、guinea pig(実験台)になってくれる?」みたいに使われます。



Speak of the devil

「噂をすれば影」。
話題にのぼっている当人が出現した時に言う。悪魔扱いはどうだろうとちょっと思いますが。



ここのところ、「TopとBottom」をほかにどう言い回すか気になっています。
「picher/catcher」「giver/reciever」くらいは見たことあるんだけどなー。ほかにも色々ありそうな。

L. A. Mischief
P. A. Brown
L. A. Mischief★★☆ summary:
L. A. Heatの続編。

コンピュータ技師のChristopher Bellamereと、LA警察の殺人課刑事David Eric Laineの蜜月は、6週間で終わりを迎えた。
カミングアウトはしたものの、ゲイであることと他の私生活を切り分けるようなDavidの生き方に、Chrisは馴染むことが出来なかったし、DavidはChrisがその線を踏み越えようとするのをどうしても理解できなかった。
愛はある。セックスは最高。
でもそれだけでは、充分ではない。

別れてからのChrisは、元のような奔放な生活に戻っていた。いや、前よりも悪い。
酒と男の間を漂いながら、どうにかもがくようにして暮らしている時、彼はDavidが捜査中に負傷したと聞かされる。

病院に駆けつけたChrisが見たものは、無事なDavidの姿。
そして、彼の新しいボーイフレンド。
.....



L. A. Heatの続編です。
連続殺人事件の中で出会い、電撃的に恋に落ちた2人ですが、結局うまくいかずに別れている──というところから、話は始まっている。

元々不釣り合いな2人ではあった。Chrisは言ってしまえばバブルなセレブ系(独立してから、前ほど金回りはよくない様子ですが)。Davidはわりと典型的なブルーカラー。
考え方も、生き方も、それぞれの世界も違う。
前作で、DavidはChrisのために長い間の秘密からカミングアウトまでした。でも彼はまだ、「ゲイであること」を寝室の外側に持ち出したくない。そこまでの覚悟はない。
そんな2人の価値観の違いが彼らの関係をいびつにして、彼らの仲は終わりになるけれども、どちらも未練ありありなのがその後の暮らしの中から見えてきます。ChrisはDavidに似た男ばかりをひっかけてしまい、酔った挙句にコンドームなしのセックスなんて無謀に陥るし、Davidは欲望を持て余してセフレを作るものの、Chrisのことがどうしても忘れられない。

そんな2人が、また出会って、手探りで関係を立て直そうとします。
頑固でプライドの高い彼らが、恋に苦しみつつ、足踏みして、でもどうしても相手がほしい──そんな緊張感のある様子が読みどころです。
Davidの捜査のこまごまとした描写が続いて、日常の中でもがく2人の様を描いた話。大きな事件はないのですが、きつい感情の揺れや強い緊張に満ちていて、最後まで気をそらさずに読める話です。
どんなに未来がないと思っても離れていられない、彼らをつなぐテンションがよく描写されている。

歩み寄りの一環として、DavidがChrisをボーリングに誘うエピソードがあります。
DavidはためすようにChrisをボーリングデートに誘い、Chrisはぎょっとする。彼はDavidのためにはじめてのボーリングに行きますが、帰ってきてからも友人に電話をして「信じられるか? ボーリング行ってきたんだよ!」「お前が? マジかよ」と笑い話にするのです。
ボーリングって、そんなに象徴的なほどブルーカラーの遊びなのか…

前作を楽しんだ人におすすめ。
男臭いDavidと奔放なChrisという組み合わせで、とてもエロが楽しい。P.A.Brownは描写が骨太なので、LAのごつごつとした雰囲気と文章がよくあっていて、雰囲気がいいです。
エロエロっとした短編2本がおまけについてますが、これは大した内容がないので、あんまり考えずに楽しく読み流すのがいいかと。楽しいけど、二次みたいな短編であった。

★再会

The Gentleman and the Rogue
Bonnie Dee
Summer Devon
The Gentleman and the Rogue★★★ summary:
1813年、4月、ロンドン。
男の馬車に乗りこんだ時、Jemは一夜の寝床と食事、ちょっとした稼ぎが得られればそれでいいと思っていた。
負傷して軍から退いたAlan Watleighは、ゆきずりの男娼と一夜の快楽だけを求めていた。

どちらも、それが人生を変える出会いになるとは気付いていなかった。

路上で暮らし、体を売り、盗みを働くJemと、軍を率いた将校であり貴族であるAlan。
家族を失い、生きる希望をなくしていたAlanは、うらぶれた境遇の中でもひねくれないJemの強さと、したたかさ、物慣れた風体の奥にある純粋さに惹かれる。
そしてJemは、食べる物にも寝る場所にも困らない筈のこの貴族の、孤独でうつろな表情に心を痛め、せめて短い時間だけでも彼に笑顔を取り戻したいと思う。

Jemが泥棒でもあると知りながら、Alanは彼を自分の侍従にする。
いくつかの不協和音はあったが、彼らは互いにうまく落ちつきつつあった。
そんな時、Alanが戦闘で失った部下の娘の身に苦難がせまっているという話を聞き、Jemは主人とともにロンドンを出て少女を助けに向かう。だが、その旅は2人の距離を縮めると同時に、秘めなければならない彼らの関係を明るみに出す危険もともなっていた。
.....



貴族とごろつきの少年(19歳)の話。

貴族のAlanは戦争で多くを失い、足を失う寸前の大きな負傷を負い、疫病で家族を失い、今はただ孤独に暮らしている。彼に忠誠を尽くす元部下がそばにいるけれども、その存在は孤独を癒すものではなく、Alanは、己の死を意識しています。
生きることの意味を失った男。
でも最後に、自分の薄汚い欲望(Alan視点では)を満たそうと、街に出かけて男娼を拾い上げる。それが彼の人生を変える。

Jemはしたたかで、人生の暗い面を大量に見てきた少年ですが、その奥に子供のような無邪気さを持ち合わせている。よくしゃべる少年で、楽しければしゃべり、不安になればしゃべり、思いついたことをしゃべり、人を楽しませようとしてしゃべる。
彼がAlanのわずかな笑みのために色々な小話をする、その様子がすごく可愛い。ほだされたAlanは、やがて、そんなにおもしろくない話でもJemの話のオチに笑ってやるようになるのです。すごい変化だ。

Alanはずっと自分の欲望を恥ずべきものだと思ってきた。勿論、時代が時代なので男色が明るみに出れば死罪ですが、自分の性癖を憎み、快楽を忌まわしいと思い、Jemを抱いた後もひどい自己嫌悪にさいなまれる。
そんな彼がJemのそばですごすにつれ、段々と変わっていく。Jemのしぶとい明るさがAlanの人生を照らしはじめ、Alanの心の中に凝り固まっていた色々なものが、少しずつほどけていく。戦争の記憶、悪夢、孤独。
そしてJemは、人生で初めて自分の居場所を見つけ出す。
境遇も身分もまるで違う2人が互いの存在を必要とするようになる様子が丁寧に、どことなくほのぼのと描き出されています。
Jemの明るさとAlanの生真面目さが時おりかみ合わない、その様子も可愛くて笑える。

キャラクターもすみずみまで丁寧に作られていて、脇役もいい味出してますね。傷だらけの部下、救い出された少女、頭のねじがゆるんだ医者。
基本は押さえつつ、ステレオタイプにならないだけの雰囲気や特徴をキャラに与えるのがすごくうまいと思う。激しい派手さはないんだけど、誠実で、読んでいて気持ちの奥がゆるむような話です。
にしても、急ぎの旅の途中なのに、お茶の時間に馬をとめて茶を飲むところがイギリス人だ…(急ぐために野営までしてるのに)

ヒストリカルもの、身分の差が好きなら鉄板。
Jemがエロの最中にどうにかAlanに dirty talk をさせようとするけど、育ちのいいAlanが使い物にならないあたりなんかもすごく可愛い。そのうち教育されてしまいそうだけど。

★身分の差
★主人/侍従

Take My Picture
Giselle Ellis
Take My Picture★★★ summary:
Aaronは有名な写真家のスタジオに足を踏み入れた時、何の考えも持っていなかった。家賃を払うために職を必要としていただけで、写真家のアシスタントがどういう仕事をするのかも、相手がどんな写真を取っているのかも知らなかった。

職を求めて現れた大勢の前に、若い写真家が顔を見せ、ほかの誰にも目もくれず、Aaronを指さした。
「あれがいい」
その瞬間、AaronはJakeが頭がおかしいかシリアルキラーなのだと思った。何も聞かずにアシスタントを雇うなんて、どう見てもまともではない。

それから5年、JakeのスタジオにはAaronの居場所がすっかりできあがっていた。
JakeはAaronのために陶芸のろくろと窯までスタジオに買い込み、仕事明けの夜中に彼が壺を作るために危険な夜歩きをしなくてもいいようにした。
彼らは怒鳴りあい、下らない悪口と冗談をかわし、気分屋でスタジオを離れないJakeのためにAaronは色々な用事をこなし、奇妙な要求にも応じた。
Jakeが夜中に電話をかけてくればいつでもそれを取り、"I'm still here." と答えて、2人でおだやかな眠りに戻った。
いつのまにか、AaronはJakeの人生の中心になっていた。

大切な、かけがえのない相手。
だからこそ、JakeはAaronのために、彼を自由にしようとする。たとえそれがJakeの心を砕き、彼の残りの人生を抜け殻のようにしてしまうとしても。Aaronが幸せでいるのなら。
.....



笑えて、切ない、ちょっと馬鹿な純愛話。

とにかくAaronが無茶。口がよく回って、発想が無茶苦茶で、無邪気で、衝動的で、溌剌とした力にあふれている。まるで子供。でもとても可愛い。
彼はどんな夜中にJakeが電話をしてきても怒らない。「大丈夫、ここにいる」と安心させてやることが、どれほどJakeにとって大切なことなのかわかっている。電話を取れなかった時、JakeはAaronの部屋までやってきてAaronの帰宅を待つのですが、そのことも普通に受けとめて、たとえ恋人とのデートの最中でもJakeのために相手を帰してしまう。

Jakeは若くして成功した写真家ですが、スタジオをほとんど離れず、気まぐれで、傲慢で、孤独。
彼とAaronは水と油のようだけれども、まるでピースがかっちりとはまるように互いの世界を満たしています。Aaronが泥んこの迷い犬を拾ってくればJakeは文句を言い、冷たくあしらいますが、その一方でこっそり飼い主を探し出して交渉し、Aaronのためにその犬を買い取ってやる。エレベーターの嫌いなAaronが、階段を上る気力のない日に下から電話をすれば、Jakeは彼を迎えに行って一緒にエレベーターに乗ってやる。

そうした2人の日々がユーモラスに書かれていて、何ともお馬鹿さんで見ていて笑えて、しかも切ない。
互いのことを誰よりもわかっている2人は、どう見てもどうしようもなく相手に恋をしているのですが、周囲がいくら言っても2人だけは全然わかっていない。

Jakeの女性アシスタントが彼らをくっつけようとして首をつっこむエピソードがあって、あんまり女の子がマッチメーカーとして動くのが好きではないのだけれども(そのパターンちょっと飽きた)、今回ばかりは動かなきゃ駄目だよ!という気持ちになりました。だって、あまりにもこの2人が恋に盲目で、しかもにぶい。
JakeはAaronによく似たモデルが来ると一夜限りの体の関係を持ち、Aaronは恋人から恋人へうつりながら、夜中にJakeの目の色とそっくりな青い壺を焼く。いくつもいくつも。
運命の相手以外のなにものでもない筈なのに、JakeはAaronの手を離してしまう。それがAaronのためだと信じて。
馬鹿だなあ。

可愛い馬鹿ふたりの話です。ほんとに愛らしい。どんだけ好きすぎだ、お前ら!とつっこみたくなるエピソード満載で、しかもふたりとも気付いていない。
テンポもよく、笑えてほろりとできる実に素敵な話なので、明るい、可愛い読書がしたい時に是非おすすめです。

★5年ごしの純愛

リンクに「辞書」のカテゴリを追加しました。スラ読んでるとひっかかりやすい俗語の辞書を中心に辞書サイトをリンクしています。
普段はUrban Dictionaryにたよるくらいですが(あそこおもしろいし)、あらためて調べてみると色々役に立ちそうなオンライン辞書がありますね。

読む時は多少わからなくても読み流して、レビュー書く時に「これわからないとまずいだろ」という単語を調べてみることが多いです。おかげでレビューブログをはじめてからちょっとは語彙がふえた。ふえた筈。はじから忘れてるものも多そうだが…
「ここは便利!」という辞書サイトなどあったら是非情報下さい。


>早ければ年内にも日本向けの電子書籍販売の本格展開を始める可能性を示唆(アマゾン)

>国内の主要出版社31社で組織する一般社団法人日本電子書籍出版社協会(EBPAJ)は、加盟各社が発行する電子書籍をiPhone向けに6月4日から販売

>ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社の4社は27日、電子書籍配信事業に関する事業企画会社を共同出資で設立すると発表

と、日本の電子書籍もちょっとずつ動きが見えてきました。京極夏彦の新刊もiPhone用が出ましたしね。
紙か電子書籍か、という対立議論はおいといて(不毛だと思うし)、今、私のiPodTouchには300冊くらいスラが入っていまして、これがどこでもTouch一台あれば読めるというのは実にありがたい次第です。買って1年9ヶ月、そろそろ電池取り換えないといけない感じですが。

Finding Zach
Rowan Speedwell
Finding Zach★★★ summary:
Zach Tylerは5年の間行方不明だった。
救出された時、彼は犬として誘拐犯に飼われ、人に口をきこうとしなかった。

精神的にも肉体的にもひどいダメージを負ったZachは、それから2年の治療がすぎてもなお不安定な日々をすごしていた。
恵まれているのはわかっている。裕福な両親とともに毎日セラピストと話しあい、家族ぐるみでZachのための出口を探している。
だがZachは、自分の苦しみが愛する家族の心に重い負担をかけていることに耐えられなかった。
もしかしたら、彼は戻ってくるべきではなかったのかもしれない。あのまま、ベネズエラの森の奥で死んでいた方が、皆のためだったのかもしれない。

そんなある日、Davidが町に戻ってきた。
Zachの少し年上の幼なじみで、Zachの初恋。だが2年前、救出されたZachにDavidが会いに来た時、Zachは取り乱し、叫んだ。
それ以来DavidはZachに近づかず、NYに去った。彼は何故Zachにそこまで憎まれるのか理解できず、深く傷ついていた。

Zachは、Davidとの再会にどうしていいのかわからない。
誘拐され虐待を受けていた間、Davidは唯一のZachの聖域だった。
今、のばせばふれられる距離にいながら、Zachはどうしても動けない。心も体も傷だらけの彼を、誰が望むだろう。
Davidの知らない暗い秘密を山ほどかかえた彼が、どうしてDavidを望めるだろう。
.....



かなり痛々しいトラウマの話です。
が、Zachの痛々しさとともに、彼の生来のたくましさ、生きようとした意志、彼がかつて持っていたユーモアのセンスなどがあちこちにかいま見えて、強さに満ちた話でもあります。
もっともそのユーモアや強さは、誘拐される前の彼がどれほど溌剌として希望にあふれた少年だったのかも浮かび上がらせて、それがまた痛いのですが。それは、永遠に失われてしまった少年の姿です。

Davidは、Zachが誘拐されて半狂乱になり、助け出されたと聞いて歓喜する。でも会いに行った彼を迎えたのはZachの心の底からの恐怖の悲鳴で、それは彼をうちのめします。
その恐怖がDavidに向けられたものではないことを、Zach以外の誰も知らない。

そうしてZachに背を向け、去ったDavidですが、それでも彼はZachの元に戻る。
彼とZachの間に生まれる関係は、脆く、痛みと混乱に満ちていて、Zachのねじれた気持ちは彼にねじれた言葉を吐かせる。DavidはZachを守りたいのですが、Zachはそれを望んでいるわけではないし、そもそも何から守ったらいいのかわからない。
手探りで、ぶつかりあいながら、2人は関係を築いていかねばなりません。
Zachのトラウマだけでなく、Davidの混乱や怒りもあらわで、相手の気持ちを探りそこねて迷える2人の様子は、シンプルで根本的なラブストーリーでもある。
愛はある。でもそれで充分なのか。それで足りるのか。

少しずつ追憶を織りまぜていく話の展開が練れた感じでうまいですね。深刻な話なんだけれども、痛々しさばかりに焦点を当てず、動きのある話の展開になっています。
Zachの気持ちの揺れ、同じところをぐるぐる回ってしまう彼の逡巡や自己嫌悪、心の奥に植え付けられた恐怖──そういうものが、Davidの存在によってひとつずつ薄らいでいく(魔法のようになくなったりはしないわけですが)、その様がきちんと描き出されている。

凄惨な描写がある話なので、痛いのが苦手な人は要注意。文章は "matter of fact" という感じでそれほど湿っていません。笑えるエピソードも織りまぜられていて、テンションのめりはりがきいている。
トラウマもの、立ち直っていく話が読みたい人におすすめ。

★人質
★初恋

6月中、サークルKサンクスでiTunesカードが二割引です。ほしいアプリや音楽のある人は要チェック。
割引で買うには「カルワザクラブ」の会員にならなければならないのですが、おサイフケータイの人は無料で会員特典を受けられるけれども、それ以外の人はカルワザカード発行が必要(300円)。
なので微妙~

と思っていましたが、カルワザカード(300円)を使わなくともiTunesカードは割引で買えるそうです。店頭でクーポンを出してレジに持っていくのだけれども、その時にカードは不要で、会員番号さえあれば大丈夫なんですね。
順番は「カルワザクラブWebべージから会員登録」→「店頭でクーポン発券(会員番号でログイン)」。
詳しいことは、こちらの記事を参考に。

これはありがたい!

Romanus
Mary Calmes
Romanus★ summary:
消防士Mason Jamesは、長いシフトの帰りに道を間違え、さまよっている老人に出会って彼の家を探すうち、奇妙な人々が集まる場所へとたどりつく。
どういう集団なのかわからないが、彼らはMasonの存在におかしなまなざしを向け、しかも彼らの中の何人もが裸で森を歩き回っていた。

それが、Masonが巻きこまれていくおかしな物事のはじまりだった。

理解できないまま、Masonはそこでこれまで見たこともないようなゴージャスな男に出会う。
Luc Toussaint 。

人々はMasonを「Romanus」と呼び、人によってはあがめるように大切に扱い、人によっては敵意を露骨に剥き出しにする。
中にはMasonの命を狙う者も。
そしてある夜、月明かりの中でMasonが見たLucの背中には、コウモリのような巨大な翼があった──
.....



現代物パラノーマル。
と言っても吸血鬼や人狼ではなく、ガーゴイル。
Mary Calmesは、陽気な現代物を書く一方でちょっと変わったパラノーマル物を書いていますが、どうも設定先走りになるような傾向もあります。
実のところ今回もそんな感じはあるんですよね。

色々なオリジナル単語がとびかう中で、主人公のMasonは自分の血が呼ぶままに新しい世界に巻きこまれていく。
老人1人を助けたことからはじまった早い展開の中でも、己を見失わず、妙に神経がたくましいあたり、やっぱりこの作者独特のふてぶてしくも可愛い主役だと思います。

わりと短めなのでさっぱりした感じで読める。どんどんおかしな人たちに巻きこまれていく展開は読んでいて気をそらさないし、Lucはいい男で、エロも楽しい。
この作者の力量からいくと全体の出来に不満もあるのですが、ありがちではなく、ガーゴイルを中心に据えたパラノーマルものというあたりがプラスポイント。(もうちょっとそのへんを活かしてほしい感はあるかなー)
メイトとか、一度セックスしてしまうと「自分の本当の正体が見えてしまう」とか、そういうネタが好きだと設定でかなり萌えます。MasonとLucだと身分違いみたいだし。

設定が立っている感じのパラノーマルものが好きな人におすすめ。

★ガーゴイル
★運命の相手

L.A. Heat
P. A. Brown
L.A. Heat★★☆ summary:
LA警察の刑事David Laineは、「カーペットキラー」と呼ばれる連続殺人犯を追っていた。見栄えのいいゲイの若者を狙っては切り刻むようにして殺すシリアルキラー。
その捜査の糸は、SEのChristopher Bellamereへとつながっていく。

Chrisは仕事で忙しく働きながら、1人が嫌になるとバーへ行って相手を引っかけ、一夜の楽しみを得る暮らしを続けていた。
特にそれ以上の物を求めてはいない。家、仕事、友人、遊び。それで充分楽しくやっていた。
Davidが目の前に現れるまでは。

37歳のDavidは、それまでの人生、ずっとゲイであることを隠してきた。警察はゲイに寛容な職場ではないし、彼の相棒は筋金入りのゲイ嫌いだ。

Chrisと関係を持つことは、Davidが人生を賭けて築いてきたものを破壊しかねない。
誰かが彼らの関係に気付くかもしれない。Chrisは殺人者かもしれない。
彼がシリアルキラーでないとしたら、何故事件のすべてはChrisの周囲をめぐっているように見えるのだろう? 殺人者は近くにいるのだろうか?

片や若く見目のいいエリート技師、そして連続殺人事件の容疑者。
片や30代後半の平凡な警官──
彼らの関係は、最初の一歩を踏み出すことすら難しい。
.....



P.A.Brownのデビュー作だったらしい。シリーズ物の一作目でもある。
クローゼットに入ったままの警官、というのはよくある設定で、大好きです。それまで築いてきた警官のしての経歴、体面、相棒や友人の視線への恐れ。そう言ったものが彼らをクローゼットの中へ押しこめている。
カミングアウトは、時に人生そのものを代償にしかねない。

だからこそ警官が絡むと話がドラマティックになるのですが、今回はさらに相手は容疑者。若く、美形で金持ちで、ゲイとしてオープンに生きている男、Chris。
まるで違う世界の2人をつなぐのは、血なまぐさい事件です。

2人のキャラクターの対比が鮮やかで、互いに惹かれていく様子も強烈ながら自然です。
特にChrisは、遊び人だけどちょっとさびしがり屋で、Davidを誘惑しようとするけども、いざDavidが酔っぱらってベッドにもぐりこんできた時には、自制して拒否するだけの自尊心を持っている。にぎやかで、活発で、口が先走って、でもなかなかいい男です。
Davidに惹かれたChrisはあまり深くは考えずに関係に入りこみ、そこで人生初めての感覚にとまどう。どうも、恋に落ちてしまったらしい。この、クローゼットに入ったままの年上の刑事と。

容疑者と警官として出会った2人がじりじりと近づきつつ、Davidが押し返そうとする様子が楽しい。こういう話の「くっつくまで」が大好きなので、もっと焦らしてもいいなーと思ったりしますが。
距離が近づいてからも、彼らの気は休まらない。シリアルキラーがどこかから彼らを見ていて、2人の関係は殺人者の心のトリガーを引いてしまうのです。

捜査や殺人の部分もよく書けていて、最後まで緊張感があり、気をそらさない話です。クライマックスは大変に盛り上がる。
Davidの相棒がまたいい味出していて、警官にありがちなホモ嫌いの口汚い男ですが、それだけではない複雑な一面も見せてくれます。こういう視野狭窄な男がまかりまちがって男と恋に落ちて苦悶するような話もいいなー!とか思わず萌えの横道にそれてしまいますが、やさしい奥さんがかわいそうなので、そういうのは別の話で探そうっと。

ギャップのあるカプが好きな人、サスペンスが好きな人におすすめ。
続編を読むのが楽しみです。

★シリアルキラー
★刑事/容疑者

★Three-Star rating system★


[カテゴリ]View ALL
レビュー (314)
★★★ (90)
★★ (190)
★ (34)
モノクローム・ロマンス (10)
電子ブックリーダー (23)
iPodTouch・Stanza (19)
nook (4)
雑談 (84)
英語 (29)
文法 (4)
読書日記 (11)
…このブログについて (9)
…書店情報 (2)
[タグリスト]

05 | 2010/06 [GO]| 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

カテゴリ一覧 最近の記事一覧 プロフィール リンク一覧 メールを送る
[カテゴリ]


モノクロームロマンス(M/M翻訳)


■公式サイト■

・2017年
・後半 王子二巻
・12月 アドリアンXmas

・ほかにも出るかも
・王子とか何か売れてくれ〜(色々軽くピンチ)
・来年はもふもふやるよ!

*発行済*
・フェア・ゲーム
・フェア・プレイ
・ドント・ルック・バック
・恋のしっぽをつかまえて
・狼を狩る法則
・狼の遠き目覚め
・狼の見る夢は
・天使の影(アドリアン・イングリッシュ1)
・死者の囁き(アドリアン2)
・悪魔の聖餐(アドリアン3)
・海賊王の死(アドリアン4)
・瞑き流れ(アドリアン5)
・幽霊狩り(ヘルハイ1)
・不在の痕(ヘルハイ2)
・還流
・夜が明けるなら(ヘルハイ3)

*他訳者さん*
・わが愛しのホームズ
・ロング・ゲイン
・恋人までのA to Z
・マイ・ディア・マスター