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Slash(m/m小説) レビューブログ

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full one-eighty」spinした、という言い回しが出てきて、少しおいてから「180度かー」と気がつきました。
one-eighty=180っていうのもなかなかストンと感覚的につかめないし、その助数詞が「度」だというのもすぐ出てこない。
こういうことはわりとよくあって、何せ英語に助数詞がない!ってことには、未だに慣れません。「ten to three」で「2時50分」(3時10分前)とか。

スラだとよく出会う「on all fours」、これも最初はよくわからなかった。何が4つ?とか思って。
そのうち「四つん這いか!」と気付いた瞬間には、何だか感動したものです。
(on all fours = on his hands and knees)

twenty-four seven」が「24(時間)(週)7日」にあたるのに気付くのにもちょっとかかった気がします。辞書調べろよってなもんですが、そのへん気にせずのしのし踏み倒して読んでいると、ある瞬間に腑に落ちたりします。

「twenty-four seven」は日本語の「四六時中」に近い言い回しだと思うんですが、もともと「二六時中」と言ったそうです。昔は1日を昼6時、夜6時に分けたので「2×6時」。
四六時中はそれを今の時間にあわせて言い直したもので、「4×6=24」で24時間になります。
しかし外人さんは、「四六時中」と聞いたところでそれが何だかなかなかわかるまい。こういう言い回しはやはり、外からはぴんとこないものなのかもしれません。
掛けてない分、「twenty-four seven」のが親切かな…

「801」=やおい、とかもわかるまいなあ。…これはわからない方がいいのか。

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Walking on the Moon
M. Jules Aedin
RightChoice★★ summary:
1969年、それはニール・アームストロングがアポロ11号で月面に着陸した年。

Clive AldridgeとPhillip Osborneはかつて教え子と教授であり、今は同僚の教授同士、そして隠れた恋人同士であった。この6年間、ずっと関係を秘めてきた彼らは、翌日に同じ家に移り住むことになっていた。家をシェアする友人として、そして秘めた恋人として。

雪の降る夜中、CliveはPhillipの声に起こされる。
Phillipは木々の奥にある、彼にとっての祈りの場所へとCliveをつれていく。強制収容所で失った友、そして恋人を悼むその場所で、Phillipが取り出したものは一対の指輪であった。

まだ同性同士の関係が許されなかった時代。
いつかその指輪を本当に属する指へとはめることができる日がくるのかどうか、2人のどちらも知らなかった。
.....



アンソロ「To Have and to Hold」から。

短編ながら、長い時間の経過を書いた、味わい深い掌編です。
読みおわった後の余韻が深い。語り口にも静けさがあっていいと思います。

強制収容所、月面着陸、ニュルンベルク裁判と、歴史の物事と絡めて書かれていることもあり、2人を包んでいる時間の流れが実感できるというか、重みを感じます。
それだけにラストが本当に美しい。

この2人の出会い編はまた別にあるようなのですが、それを感じさせずに読みとおすことができるのも素晴しい点です。
同じアンソロの「Man of Honor」は、おもしろかったんですが後半ちょっと追いていかれてる?といぶかしく思ってたら、本編が別にありました。独立したものを、それだけで完結させて書くのって難しいですね。(でもおもしろかったから、本編読んでみたいのですが)
この「Walking on the Moon 」はその点、本編の存在を感じさせません。勿論そのうち読んでみたいですが。

しかし「14日目」の配信なんだけど、いいんだろうか。今日はまだ7日目で、しかも本日分は別に届いたから、多分まちがえて配信したんだと思うけども…
まあいいか。

ややヒストリカルなもの、時の重みを感じさせるカプが好きな人におすすめ。いい作品です。

★短編
★歴史もの

Right Choice
Clare London
RightChoice★☆ summary:
ついに結婚式の当日が訪れ、Patは信じられないほどナーバスになっていた。彼は長い間自分がゲイであることに気付かず、気付いてからも家族に言うことができずにいたが、ついに自分が望む道を歩きはじめたのだ。

プレッシャーに押しつぶされそうな中、Nichyが家の扉前に立っていると知らされる。

Nichy。
彼のはじめてのゲイの友人、彼のはじめての──すべてにおける、はじめての相手。
.....



アンソロ「To Have and to Hold」の5本目。
いかにも短編らしく流れるような展開の話なんですけど、語り口がちょっとトリッキーで、ラストでやられました。

Nichyとのぶつかりあい、愛情を持ちながらも自分がゲイであることに誇りを持てず、寝室の外ではNichyがただの「友人」でしかないのだとふるまってしまうPat。
その追憶もなかなか読みごたえがあります。

話が短いんで短いコメントで切り上げますが、いや、なかなかうまい。最初は結婚式当日のばたばたかと思って適当に流しちゃったんですが、途中からすっかり引きこまれました。ベタと言えばベタなんだけど、憎い感じです。
さらっと読めて、インパクトもあるので短編読みたい人にはおすすめ。
手慣れた風味もあるので、今度この作者の長編も読んでみようと思います。(何か表紙がみんな微妙なんだけどね…)

★短編

All the Things You Are
M. Jules Aedin and Anna J. Linden
All the Things You Are★☆ summary:
Bryantはアラバマの大学でフットボールの選手をしていたが、膝の怪我でプロスポーツの道をあきらめなければならなかった。
ゲイであることを隠し、同じフットボールの仲間と秘密の関係を持っていた彼は、相手と別れてサンフランシスコへと引っ越す。自分を隠さずにすむ場所へ。

ある日Bryantは、長い黒髪の女性が荷物をかかえているところに出会い、手を貸そうとする。

日系アメリカ人のKaiは、その黒髪と小柄な体躯から女性扱いされることにうんざりしていた。
またまちがわれた彼は、思わずBryantの助けをはねつけてしまうが、Bryantが膝の怪我をかかえていることに気付き、罪悪感から自分の働くマッサージの店に招いて無料で施術する。
それが2人の出会いだった。

彼らの関係は急速に深まるが、BryantにはKaiになかなか言えないいくつかの願いがあった。
そしてその中には、Kaiにとっては受け入れがたい価値観のものもあった。…たとえば、結婚とか。
......


「To Have and to Hold」というアンソロジー企画がありまして、6月は毎日1本ずつ短編をお届け!なアンソロです。季節柄「結婚やそれに関るもの」というのがテーマなようです。
好きな作家が書いていたもんでアンソロ買わないと読めないのかと勘違いして買ってしまいましたが(先月まで割引だったし)、バラでも買えます。まあ思わぬ作家に会えるアンソロ好きだからいいんですが。
そんなわけで、6月4日現在、毎日1本ずつ短編が送られてきていまして、3本読了。折角なので、おもしろいものがあったら紹介していきたいと思います。

この「All the Things You Are」はガタイがいいけれども、ちょっとロマンティックなところがあって感受性の強いBryantと、きつい性格といくらかの癇癪を持ったKaiとの可愛いカプの話です。
出会い、互いに相手を好きになるけれども、ちょっと湿っぽいと思ってはっきりと気持ちを口に出すことができない。特にBryantはやや脳内で先走るところがあるので、言いたい、でも言えない、もしKaiがカジュアルな関係のつもりだったらこれは重すぎる!と、ぐるぐるしています。

個人的に男性カップル同士の結婚というのがどうもピンとこないので、結婚を軸にしたロマンスというもの自体がよくわからなかったりするのですが(「社会に認められる」ことの重要性が日本と欧米とでちがう気がする)、でもBryantはそれを差し引いても愛らしい。
彼は結婚したいというよりは、いずれ「結婚」という形を踏まえることのできるシリアスなカップルになりたいんですね。
Kaiはそこのところはわかっているつもりだけれども、他人に認められるためだけの形式的な制度(彼の中では結婚はそれにあたる)には意味を持てない。
2人の価値観は大きくくいちがっていて、どちらも相手と話し合わないせいで、気持ちばっかりがもつれる(主にBryantの)。で、ある日臨界に達してしまったりするわけです(主にBryantの)。
で、今度あわてるのはKaiの番。さあ大変。

さらっと読めて、気持ちのいい、可愛い話です。べたべたにロマンティックでもなく、むしろドライになろうとして無理をしているBryantを楽しむ1本のような。
下手すればNovellaくらいの長さになりそうなテーマを短編にまとめた手腕は見事だと思う。この先も幸せにばたばたしそうなカプなので、後日談とか続編とかほしいなあ。

★短編

Crossing Borders
Z. A. Maxfield
CrossingBorders★★ summary:
結局のところ、19歳になった時、Tristanは自分がゲイだと認めざるを得なかった。ガールフレンドに会いに行って、別れの最終通告を聞くよりもそれを伝えに出てきた彼女の兄弟の股間の方が気になるとなっては、もはや自分を誤魔化しようもない。
常に行動の早いTristanは、すぐさま誰か「自分を知らないゲイ」を引っかけて、行きずりのセックスを体験してみようと試みる。同性との関係というのがどういうものなのか、彼にはどうしても知る必要があった。

だがTristanの目の前に現れたのは「見ず知らずの相手」ではなく、何年も前からTristanにスケートボード中のヘルメット着用義務を言いきかせ、彼を追い回して罰金を取っていく警官──Tristanが呼ぶところの「ヘルメット巡査」であった。

Michaelは何年もTristanを追っていた。この怖いもの知らずで、アグレッシブな少年の安全を案じて。その感情がただ保護欲というには強すぎるものであることには気付いていたが、Michaelはこの年下の少年を距離をあけて見守りつづけていた。
Tristanがゲイであり、無謀にも自分の安全をかえりみることなく男と関係を持とうとしていることを知った時、Michaelはこの少年を放っておくことができなかった。Tristanは傷つくかもしれない。
それに、それは見ないふりをするには、大きすぎる誘惑だった。

MichaelはTristanに同性同士のセックスを教えることを申し出て、Tristanはそれにとびつく。
はじめは好奇心。だがその先にあるものが自分の一生を変えることを、MichaelもTristanもまだ気付いていなかった。
.....



Tristanは19歳なんですけど、それにしちゃ表紙はちょっとショタっぽすぎると思うですよ。
それはともかく、丁寧な心理描写に定評のあるZ. A. Maxfieldの話。これもまた、全編にわたって精緻に少年と年上の警官との関係、その心の変化を書いています。

Michaelは保護欲の強い人間で、だからこそ警官になったのですが、その一方で時おり自分自身をコントロールされることに喜びを覚える。
それがSlave/Masterのたぐいの欲望だと誤認した彼は、かつてもっと若い頃にSMのシーンに入りこみ、関係を破綻させ、今でもどこかにその影を持っている。
Tristanは若い、経験の浅い恋人ですが、Michaelの内側にある欲望を正確に感じとって、セックスの中で時おりMichaelを支配します。痛みではなく、愛情で。

Tristanは無謀なところもあるものの、理知的で、とても自己犠牲の強い少年です。父が死に、傷心の母が弟妹を育てるのを助けるため、行けた筈の大学をあきらめて近くの大学に通っている。
MichaelはそんなTristanの中にある輝きに、どうしようもなく恋に落ちていく。Tristanが好奇心を満たせばどこかに去っていくのではないか、19歳のTristanにはまだ愛情と欲望の区別がついていないのではないかと迷いながら、関係が深まっていくのをとめられない。

一方でTristanは幸福を感じながら、やがて現実に気付いていく。Michaelの警官という職業が危険をともなうものであること、警官の中でゲイとしてカミングアウトすることが危険をともないかねないこと。
自分はまだ、恋に落ちる準備ができていないのかもしれない。この先の人生をMichaelと生きていきたいが、それを決心して踏みこむだけの心がまえが、Tristanにはまだなかった。なにしろまだ19歳です。
だが物事は早く、時に残酷に動く。

どちらも優しい、豊かな情感をもったキャラクターです。無謀できかん気なようで心のきめこまかい、そして揺れ動きやすいTristanの少年らしさが、物語に躍動感を与えている。
ゲイであることを気付いた19歳の少年の目覚めと、はじめてで最後の恋。そして一方ではMichaelの静かな孤独(彼自身が気付いていない空白)が埋められていく、長いけれども丁寧で美しい物語です。
エロシーンも繊細で、関係の深まりとともに変化していきます。やはりエロにキャラクターとか物語が反映されているものは、読みごたえがあると思う。

※追記。
前半、Tristanがハロウィンパーティに「剣心」の格好をしていったりするシーンがありまして、それはとっても気恥ずかしいです。その格好でのエロシーンとかね!
でもそうだよね。「仮装」っちゃあ「仮装」だもんなー。コスプレは当然ありだとは思いますが…でもそれが日本の漫画キャラだってだけで、ものすごく恥ずかしいのは何故なのだ。


★エロ多め
★庇護欲

★Three-Star rating system★


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