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Mine
Mary Calmes
MineLG.jpg★ summary:
Trevanは、賭け屋の金を回収して回る"Runner"だった。
彼はあるパーティで運命の相手に出会う。
Landry。
まだ少年のような彼は、体を売るような生活をしていたが、Trevanは彼を家に連れ帰り、そんな暮らしからも、ドラッグからも足を洗わせる。

Landryは情緒不安定で、激しやすく、嫉妬深い。
だがTrevanはそのすべてを受け止めて、Landryが欲するものを与えた。
いびつだったが、二人の関係はうまくいっていた。

だが2年たち、Landryが宝石デザイナーとしてのキャリアを築いてきたある日、Landryの弟と名乗る男が現れ、かつてLandryに背を向けた家族が彼に会いたがっていると言う。
同時に、Trevanの仕事にも大きな波風が立ち、仕事仲間が病院にかつぎこまれ…
.....



Mary Calmesで、わりと珍しく、攻め視点。
で、Mary Calmesなのでハッピーハイテンションなラブラブストーリーだろうと思っていたら、なんか違う。あれ?
Landryがかなりのヤンデレでした。

TrevanはとにかくLandryを溺愛している。そんなわけで、夜中に目を覚ますと恋人がぼうっとナイフを手にしてベッドのそばに立ち「お前の胸に俺の名前を刻んでやりたい」とか言っても、動じもせずに「じゃあそうしよう」と翌日タトゥを入れに行っちゃうような男です。
その溺愛っぷり、そしてLandryまた騒ぎを引き起こす、Trevanそれを片付ける、そして二人のいちゃいちゃ、の間で話が進んでいく。

賭け屋の取り立てというTrevanの仕事は、グレーゾーンというかまあ明らかにダークゾーンなんですが、さらにその業界に動きがあって、いささかきな臭い。
謎の殺し屋なんかも出てきまして、何故か影のようにTrevanを守ってくれる。この人、気になります。
縄張り争い、暴力、誘拐──様々な出来事がドミノ倒しのようにおこっていく。

幸せバカップルではありますが、いつものMary Calmes節でなかったせいか、なんだか最後まで読むリズムがうまくつかめなかった気がします。
ヤンデレだとわかった後も、どうも読んでる最中の違和感が消えなくて、もうちょっとギャグというかユーモラスな漫画的に読めばいいのかなと思ったり。Trevanの苦労っぷり(当人は平然とこなしてますが)を楽しむ話なのかも。
とにかく、すとんと落ちてこないものが残っちゃったんですが、話としては途中からスピード感を増していって、その転がるようなハイスピード感はさすがです。
先入観なく読めば、このヤンデレっぷりと溺愛っぷりは楽しいかも。あっちのヤンデレ初めて読んだ気がするな。
というわけで、溺愛/ヤンデレカプが好きな人におすすめ。

★ヤンデレ
★バカップル

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All He Needed
Simone Anderson
All He Needed★☆ summary:
MLRプレスの2011ホリデーラインナップの1冊。

世界で活躍する写真家、Chase Hansenはアメリカへの帰国ののち、ダラスに駆けつける。
妹は死に、まだ妊娠中だった彼女の胎内から救い出されたほんの小さな女の子だけが残された。

Chaseは妹に托された通り、子供を引き取る決心をする。だが長年のパートナーはそれを拒否し、彼を去った。
今まで求めてきた人生はなんだったのだろう?名声?富?仕事?それらをすべて手に入れたと思っていた。でもそれは、「ほしいもの」ではあっても彼にとって「必要なもの」ではなかったのかもしれない。

Eric Zimmermanは、昔から友人のChaseが好きだった。偶然の再会から、彼らは惹かれ合う。
だがEricには不安があった。派手な生活を追い求めたChaseとちがい、Ericは地に足がついた、堅実なタイプだ。Chaseには生き方を変える覚悟があるのだろうか。姪のために、そしてEricのために。
.....



富と名声を追い求めた男、派手好きの元恋人、男に昔から恋していたけなげな友人、とまあ色々な基本タイプが取りそろえられています。
ある程度パターンにはまった感じはある作品なんですが、クリスマスストーリーとしてはそれはそれで正しいと思うのです。今回のホリデーストーリーは、ひとつひねったり重かったりするものが多かったので、素直なホリデーものは読んでいて何だかほっとしたのでした。

Chaseの人生の転機を中心に、話が展開していきます。そんなにスノッブではなくて、それなりに思慮深いいい男なので、読んでいて快適。
引越してきた友達のEricとたまたま同じ建物だった!とか、ちょいっと偶然すぎるだろうって感じもなくはないのですが、まあホリデーものだからよしとする。クリスマスのかみさまのなさることだから!

さて、Chaseはカミングアウトしたことでかつて家族と断絶し、その後、妹が和解しようとするも、それを完全に受け入れたわけではなかった。だから、妹の死の後、彼はもっと何かができたんじゃないかと自責の念を覚えています。
そして、姪を引き取ることに決めた後、人生の変化を見つめて、「自分が求めてきたもの」と「自分に必要なもの」の違いに気付いていくのです。
そのへんの描写は軽いタッチでさらっと書かれていて、Chase本人の変化がもっと出てきた方がよかったかな、とも思いますが、「ほしいもの」と「必要なもの」のテーマには共感できます。追い求めるだけ追い求めて成功したけれども、そこには本当に必要なものはなかったのかもしれないと。

子供の存在とともに、何とも「未来」の明るさを感じさせる一編です。やや引っ込み思案のEricもかわいいし。
スノッブでチャラチャラした元彼との対決シーンは、お約束だけど気持ちがスカッとしますよ。
定番ホリデーものを楽しみたい人におすすめの作品。読みやすいです。

さて、2月も後半になって、ホリデーものレビューもやっとこれでおしまい~!

★残された子供
★再会

The Christmas Proposition
K.A. Mitchell
The Christmas Proposition★☆ summary:
Melの住む町は、この数年で急激な変化を遂げつつあった。ガス採掘の大規模な開発がはじまり、土地を貸した者は大きな富みを得て、労働力が流れ込む。
だがMelはかわらず、頑固に両親からの牧場を守り、クリスマスシーズンには注文を受けて木を切り倒していた。
それだけではやっていけないため、彼は町のレストランでウェイターのシフトも持ち、クリスマスは、彼にとってもっとも忙しい季節だった。

彼にはひとり、恋人と呼べる存在がいた。
Bryce Campion。億万長者のくせに、身分を隠して労働者の中で働く気まぐれも持ち合わせている男。
Bryceは3年前、Melに一緒に来ないかと言った。だがMelはそれを断った。牧場を切り盛りする重荷は肩にずしりとのしかかり、Bryceと行くことを夢見ないでもなかったが、それでも彼にはその1歩が踏み出せなかった。

クリスマスの休暇の予定は寸前で壊れ、友人がMelの牧場で結婚式を挙げると言う。
久々に町を訪れたBryceは、またMelに対して新しい選択肢を示そうとするのだが…
.....



MenUnderTheMistletoe.jpgCarina Pressのクリスマスアンソロジー「Men Under the Mistletoe」に含まれている1篇。

これはK.A. Mitchellらしい、心理描写のきめが細かいクリスマスストーリー。
田舎の小さな町で頑固に暮らそうとしているMelは、でも心からその生活を愛しているわけでもない。
3年前、Bryceと一緒に行ったらどうだったのだろうと、今でも思っている。


全体の感じは、億万長者に口説かれてる!といういかにもなシンデレラストーリーなんだけれども、このシンデレラがちょーめんどくさいプライドの持ち主です。町から出ていけない、でも町が嫌いなわけではない、牧場を切り盛りする日々にも閉塞感があって、どこにも行き場がない感じに悩まされている。
でも、そこから逃れるために男にたよるっていうのもどうだろうと意地が先に立つ、そんなパラドックス。
Bryceの言葉にうなずいたら、自分の人生に主導権が持てなくなるのではないかという、そういう不安もMelにはある。まあ考えすぎる男で、考えすぎて身動きが取れない様子がとにかくリアルです。この作家はそういうシチュを描くのがほんとにうまい。現実がひしひしと足元にせまってくる感じが、ちょっと怖いくらい。

Melのプライドをのりこえてどうにか恋を成就させたいBryceと、うろたえつつつっぱねようとするMel。強い男ふたりの意地と根性の心理戦です。
周囲はとうにわかってて、どうにか彼らがくっついちゃえばいいよ!と思ってるんだけども、Melはほんとに一歩を踏み出せないのです。
踏み出せない彼にBryceはほとんど最後の手段を使うけれども、玉砕。クリスマスマジックは彼らには働かないのだろうか、というところがひとつのクライマックス。楽しいです。

あまりにも堂々めぐりの心理戦がちょっとくどいかなあ、と思ってしまったところが個人的なマイナスポイント。環境汚染の話や、お互いへの信頼の問題なども盛られていて、うまいんだけど、これだけうまいんだから、もうちょっとあっさりめにしてもいいんじゃないかなーと思う。

迷える男が好きならツボ。エロシーンがたくさんあってどれもホットなので、「エロ+心理描写+クリスマス」という濃密さてんこ盛りです。
じっくり読むもよし、エロに萌えたりシンデレラストーリーにときめくもよし。

★億万長者
★プレゼント

Winter Knights
Harper Fox
WinterKnights.jpg★☆ summary:
Gavin Lowdenは若い歴史学者で、アーサー王伝説についての検証を行いにNorthumberlandを訪れていた。
アーサーとランスロットとの間に特別なつながり──ロマンスがあったというのが、彼の説だった。

そしてそのクリスマスの日、ホテルで、彼は恋人のPiersを待っていた。敬虔なカトリックであるPiersは、宗教的な罪悪感や、家族に秘密をもつ後ろめたさをかかえながら、Gavinとの関係を続けてきた。
彼を楽にしてやりたくて、Gavinはこのクリスマスの日、家族にカミングアウトしてホテルに来るようにPiersに提案したのだった。

だが、恋人は来ず、かわりに別れの電話だけがくる。
雪の中にさまよい出したGavinは、やがてふたりのレスキュー隊員に救い出されるが、それは思いもかけずにエロティックな一夜となり…
.....



MenUnderTheMistletoe.jpgCarina Pressのクリスマスアンソロジー「Men Under the Mistletoe」に含まれている1篇。
それぞれバラでも買えますが、いいアンソロです。


この話を書いたHarper Foxは、人の心の痛みを書かせると本当にうまい。痛みがどっしりと心にのしかかってきて、ひびを入れ、今にも体ごと粉々になりそうなつらさが、文章からにじみ出してくるようです。
一方でそこに気合い入っちゃって、別のところがおろそかになる気配があるんですが。シーンはすごくいいけど話全体のバランスが。
どう言ったらいいのか、いびつでアンバランスですけど、読みごたえはある。


今回の話はかなり変わったクリスマスストーリーで、GavinとPiersというメインカップルよりも、Gavinを助けるふたりのレスキュー隊に話のフォーカスの半分があたっています。
謎めいたレスキュー隊で、しかも片方はGavinと地下にとじこめられた最中にちょっとエロい展開になったりして、読んでいるとびっくりします。いいのかそれ?と思うんですが、その先に「実は…」という真実のターンテーブルも用意されていて、正体が段々見えてくる。
この2人がマジですごく格好いいです。何とも心痛む、でも愛らしいカップル。

一方で、GavinとPiersには読んでてもあんまり気持ちがときめかなかったかなあ。とは言え、宗教的な重荷に苦しみつつGavinとの関係を続けてきたPiersの決断とか、彼の立場に立って思いやることが出来なかったGavinが自分の身勝手さに気付くシーンとか、印象深い萌え場面はいくつもあります。
もう少し話が短い方が、その印象は際立ったかもしれない。Gavinがレスキューの2人の正体を知ったあたりでどんと切ってくれたら、★ひとつ上がったと思うんだけど、ちょっと話の尻が長かったですね。
痛みとか別れとか、そういうドラマティックなシーンを書くのは半端なくうまいけど、それ以外の淡々としたシーンを書きこなすのがこの作家の課題かなと思います。期待してますが。

クリスマスの奇跡が、ひびわれたカップルをふたたび結びつける。そんなロマンティックな話です。
アーサー王伝説と噛んでますが、とりあえずアーサー王の友人で頼れる騎士がランスロット、というところだけ押さえておけばいいでしょう。Gavinはガウェイン、Piersはパーシヴァルと、ほかの騎士の名前とも絡めてあるんだと思うけど。
苦悩と幸福の対比が鮮やかで、読みごたえがあります。いくつかマイナスポイントはあるものの、読後感もよく、骨太のクリスマスストーリーが読みたい人におすすめ。

★超常現象
★レスキュー

Lone Wolf
Shelley Munro
Lone Wolf★☆ summary:
人狼たちは、人の世界にまぎれて暮らしていた。リーダーシップに優れた人狼は高い地位を持ち、他の人狼たちを組織化し、全員に変身を抑制するための薬を飲むよう義務づけた。
権力者の息子であるCorey Wilsonは、一夏のキャンプへ参加させられる。そこで変身の方法を覚え、コントロールの方法を学ぶのだ。

Coreyはキャンプに参加などしたくなかった。父親の命令に従いたくもなかった。
だがいざキャンプの地であるYellowstoneについた時、彼はそこにいた年上の指導者、R.J. Blakeから目が離せなくなっていた。

R.J.はCoreyと関係を持つことが最悪の判断であることはよく知っていた。
しかし、狼としての暮らしを教えるうち、ふたりの間にはどちらも予想もしなかった絆が生まれ始め…
.....



ちょっと設定が一ひねりある人狼ものです。読み出しであんまりキャラが好きじゃなくて挫折して、でも評価が高かったので再読してみたらわりといけた。
ここでは人狼の組織がとてもしっかりしていて、一握りのリーダーが強い権力を握っている感じ。人狼たちを抑制するために、変身や本能を抑える薬を皆に飲ませている。

そんな中、一握りの子供たちはYellowstoneのキャンプで、狼である自分を知り、つきあう術を学んでいく。
戻ったらまた薬を飲む生活に戻るわけですが。そのへんに色々な葛藤とかありそうで、ちらほらと話の中にも出てきますが、メインになることがなかったのは物足りないかな。

Coreyは父親に反発して、ゴスメイクなんかしちゃってますが、芯はしっかりした青年です。
はじめに読み始めた時は、何かあんまり態度が好きになれないキャラだったのですが、素直になってきてからのCoreyは賢くて、なかなかいい感じ。
R.J.は、人狼用の薬が絡んだ事件で、両親を殺された過去がある。彼はそれきり、人里離れたYellowstoneでキャンプの手伝いをしているのですが、そんな穏やかな暮らしをCoreyの存在がひっくり返してしまう。

絵を描くのが好きなCoreyの目を通して、Yellowstoneの自然がきめ細かく描写されているのもいい味出してます。
変身の方法、匂いの追跡法、自分の身を隠す方法など、狼としてひとつずつスキルを高めていく授業もおもしろい。
とは言え、ちょっと肝心の恋愛部分は押しが弱いかな、という印象。いまひとつキャラクターに説得力がないと言うか、何だかちぐはぐな感じが残ってしまったのが残念です。
後半に入って話はテンポもよく、おもしろく読んだんだけど、詰めが甘いかなー。R.J. の長年の孤独とかがつたわってくると、もっとぐっときたかと。
Coreyが自立していく姿なんかは結構萌えポイント高いんだが。あと狼の姿でのエロシーンあり。はじめて読んだよー。

反抗期の青年と、彼を受け入れるかどうか迷う大人のカプに萌える人におすすめ。「人狼もの好きなんだけど、最近似たような感じでちょっと飽きちゃって」という人にも。
自然描写がきれいなので、のんびり読んでも楽しいです。

★指導者×教え子
★反抗期

Bound By Honor
SE Jakes
Bound by Honor★☆ summary:
Men of Honorシリーズ1。

1年前、Tanner Jamesのミッションは失敗した。友であるJesseは彼の腕の中で死んだ。
彼に最後の約束をさせて。

そして今、TannerはBDSMクラブの前に立っていた。友との1年前の約束を果たすために。たとえその代償に何を失うことになっても、友との約束に背を向けるつもりはなかった。
それが、BDSMクラブのオーナーに自分の体を差し出すことであっても。

Damon Priceは、死んだ恋人Jesseのメッセージを持ってきた男を、どう扱うべきかわからなかった。彼はJesseの最後の願いが理解できなかった。
Domとして、Tannerを一夜のパートナーにしろと?
しかもTannerはSubですらない。少なくとも、Tanner本人は自分のことをそう思っていない。

Damonの怒りと悲嘆は、一夜のレッスンを過酷なものにしてしまう。
どちらもお互いを受け入れるのを拒否した。だが、どちらもJesseの最後のメッセージを無駄なものにしたくはない。
友のために、死んだ恋人のために。そして自分たちのために、手探りの関係がはじまる。
.....



BDSMを中心に置いた関係ですが、DomとSubの関係とはかなりちがいます。「Master」とも「Sir」とも呼ばせないし、一部を除いてBDSMプレイっぽいものもほとんどなく、普通の恋人関係っぽい。エロもわりと普通(濃いめだけど)。
しかし彼らの関係の芯には、自分自身のコントロールを他人にゆだねることができるか、というBDSM的テーマはちゃんと含まれています。
Tannerは自分がTopだと思っているけれども、それだけでは満たされないことも自覚している。Damonはそれを満たすすべをすぐに見つけるけれども、1歩踏み込んでしまうのが怖い。Tanner相手では、踏み込んだらもう後戻りできない気がするから。
どちらも、自分を相手にゆだねるすべを覚えなければなりません。

Damonは死んだJesseを愛していたけれども、彼に満足することは出来なかった。Jesseが求め、Damonが与える、でもそれですべてが満たされるわけではない。そんな関係だったようです。
Jesseはそれを知りながらDamonを手放すことができず、でも死を目前にした最期の瞬間、友であるTunnerにDamonをいわば手渡す。
死者の存在と傷を間にはさんだTunnerとDamonの関係は時に痛々しい。時にお互いを抱きしめ、時に押しやろうとする。

Tunnerも軍人、Damonも店の共同経営者のLCも元軍人で、多分作者は軍人萌えなんだと思います。強い男たちが交錯する話なので、そういうの好きなら軍人萌えだけで楽しい。
ちょっと話のフォーカスが甘いところがあって、今ひとつ感情的な展開に説得力がない部分があったり、描写が足りないところも多々見受けられるのがマイナスポイント。過去のキャラの名前が何の説明もなく出てきたりして、全体像が見えてくるまでの流れが設定負けしてると思う。しかしキャラがなかなかに魅力的で、最後まで楽しく読めました。生傷のような心の痛々しさがよく書けてると思います。
特にDamonの友のLCのストイックな雰囲気が好きだー。シリーズの次は彼の話らしいので、これも読む予定。

「バイブ+コックリングプレイ」とか「お清めエッチ」とか何かこう、あちこちにBLっぽいシチュが見受けられるので、この人はBL(っぽいもの)を読む人なんじゃないかなあ。話の展開もBLに近いものがある。ガチムチ軍人の群れだけど。そこがいいのか。
一部のスパンキングと最初の公開プレイを除けばほぼBDSMらしいところはないので、そういうプレイが苦手な人でも読めますが、この話のおもしろさの一部は「BDSMのルールから逸脱している」というところにある気もする。ちょっと雰囲気のちがうBDSMものが読みたい人、強い男が過去をのりこえる話に萌える人におすすめ。

★恋人との死別
★義務感から始まる関係

LUST & FAE
Joyee Flynn
LUST & FAE★☆ summary:
lust demon、人の欲望を喰う悪魔であるCalは、仲間の悪魔と人間界でクラブを経営しながら人間との折り合いをうまくつけていた。クラブで彼は人に快楽の場を提供し、彼らの欲望でCalは満たされる。
淫らなクラブでも、時に本当の恋か生まれることもある。そうした人の心の奥にひそむ気持ちを結びつけるのも、Calのひそかな楽しみだった。

だが、Cal自身は恋をしたことがない。悪魔には無縁のことだと思っていた。孤独が彼の運命なのだと。
Gabeがいきなり彼の目の前に現れるまでは。

FaeであるGabeは、自分のことを「Calの運命の相手だ」と告げる。
だが、そんなことがありえるだろうか? lust damonの相手が、無垢でバージンのFaeだなどということが?
.....



ANYTHING GOES 1。

5人のlust damonがラスベガスで経営するクラブ、「Anything Goes」でのシリーズ第一作らしい。悪魔だというのに結構みんないいヤツです。
悪魔には色々なものを喰うタイプがいるようで、Calと友達は欲望や快楽を食う。そして彼らがボディガードとして店に雇っている悪魔たちは、怒りを喰う。ラスベガスには金への欲求を喰う悪魔もいる。
人の世界で、悪魔はそうやってまぎれて生きているらしい。

Gabeは何故か、ハーフデモンたちに追われてCalの元へとたどりつく。
無邪気で頑固で愛らしい彼と、迷える悪魔であるCalとのキャッキャウフフの物語、って感じです。
Faeって要するに妖精のことだと思うんですが、話によって色々いるなあ。ここのFaeは無邪気だけど結構やる時はやる(色々な意味で)Fae。悪魔の子供まで産んじゃうしな!

話そのものは(色々とアップダウンはありつつ)mateとのエロ中心、パラノーマルもののよくある展開、という感じで、ラブラブ全開!
読んでいておもしろかったのはCalのキャラクターで、彼は悪魔界から人間界に来た後、友達とクラブを作って、人間に様々な快楽の場を提供しつつ、自分たちの食事どころとする。別に人の魂を取るわけでも何でもなくて、一夜の快楽を喰う。しかも人助けが結構好きな、かわいい悪魔たちなのです。
そんな中でもCalは友達から「キューピッドのようだ」みたいなことをからかわれるくらい、縁結び大好き。人の心の奥の欲求を呼んで、橋渡しをする。
でも、自分自身はlust damonだから恋には値しないと思っている。Gabeが現れた時も、幸せに思いつつ、自分はそんな幸せを掴んではいけないのではないかと疑問が抜けない。

今回Calの存在がきっかけになって傷つく人間が出るのですが、その人間から非難の言葉を向けられると、寝室に何日もとじこもって落ち込んでしまう。
クラブを取り仕切ってクールな顔をしているくせに、1枚向くと傷つきやすくて繊細で感傷的な悪魔なのでした。「自分は悪魔だから無理だけど、みんなには幸せになってほしいんだ…」みたいな感じがほんとにかわいい。

もうとにかく、ふたりのエスカレートするラブラブ&溺愛っぷりを楽しむお話。
胸焼けするほど甘~い話とエロ。妊娠出産シーンがあるのでそのへんが苦手な人は注意。
パラノーマルでさらに異種カプに萌える人におすすめです。

★悪魔/妖精
★mpreg(妊娠もの)

★Three-Star rating system★


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