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M/M小説 (原書)レビューブログ

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Fish and Ghosts
Rhys Ford
FishandGhostsLG.jpg★★ summary:
Hellsingerシリーズ1。

Hoxne Grangeホテル、それは叔父がTristanに残してくれた遺産だった。
何故叔父が、その財産をTristanにだけ残したのかは親戚の間でもさまざまな憶測と、非難を呼んでいた。ある者は不公平だと言い、あるものはTristanを狂人だと言う。
Tristanはそのホテルを「幽霊たちが泊まりにくるところ」と主張していた。

Wolfは超自然現象を研究し、時にでっちあげの幽霊話の正体を暴いてきた。
今回はTristanの親戚に雇われ、幽霊たちの存在を、あるいは非実在を、証明しにホテルへと向かう。

嘘つきだ、とWolfに言われたTristanは刺々しく彼らに対応する。
人がどう思うかなどどうでもいい。Tristanの望みは、幽霊たちを迎え、送り出すことだけだ。
だが、すべてはひとつの指輪から崩れていく…
.....



幽霊ホテルのオーナーと、超自然現象の研究者(っていうか、イカサマ暴いて回ってる感じ?)のお話。シリーズものの1冊目。
舞台は昔のお屋敷、今はホテル。オーナーのTristanはそこを「幽霊が、最後の三日間だけ泊まるところ」と主張している。その3日が過ぎると、皆、どこかへ行く。
あの世かどうか、そこまではTristanにはわからない。
「幽霊も魚も三日たつと古くなるから」と言っているのがかわいい。

そんなホテルに「幽霊がいるかどうか観測します」とWolfたちが乗りこんでくる。彼らは、Tristanが「正気じゃない」と証明して財産を取り上げたい親戚に雇われているので、実質、敵だな。
Wolfは「客観的に検証する」と言い、いろいろな機器での観測を開始しますが、彼自身はきわめて偏見の塊という感じがします。Tristanを嘘つき呼ばわりしてるし、まったく信じようともしていない。
研究者とか名乗るわりに、そこのところがかなり引っかかったのですが、あとからわかるWolfの家庭事情からして無理もないのかなあ。わりと屈折しているぞ、Wolf。そしてその屈折ぶりを複雑な形でTristanに向けているのだと思う。

あちこちどうも話に「つっこみどころ」があって、最初はマイナス面にとらえていたんですけど、途中から「これはそういう話だ」と思って読んだら楽しかったです。しっとりした幽霊ホテルの話じゃなくて、ドタバタ系ゴーストバスターズなんだな!もうみんなドジというか考えなし。Tristanくらいでしょう、致命的なミスをしてないの。
そこで「貴様ら専門家だろ!」とマイナス点つけてると評価低くなりますが、この話はきっとギャグっぽいテンションで読むのが正しいんじゃないかなと…まあ、文章からそういう雰囲気がいまいち感じられなかったので自信はないんですが、ドタバタ系に分類すると楽しい。そのわりにキャラがちょっと重いので、そのあたりの調和は続編に期待かな。

うっかりと、連続殺人鬼の幽霊を呼び覚ましてしまった皆は、大ピンチ!
一方、その間にもしっかりと恋に落ちていくTristanとWolf。「そんな場合じゃねえだろ」ってシーンもありますが、そこはテンション軽く楽しむべし。この二人の組み合わせはめっちゃかわいい。なんかどっちもどこかしらピュアなところがあって、一緒にいると生き生きしているのがいい。一人でいるより二人でいる方が似合うカプです。
後半に出てくるWolfのママが強烈で、幽霊退治のあたりはもうしっちゃかめっちゃかで愉快。もー色々つっこみたい!

幽霊ホテルとか、ドタバタ系ゴーストバスターズとか、そういう軽いパラノーマルが読みたい人に。
続編も出てます。読むぞー。
でも表紙ほどTristanはオタクっぽくないと思うよ!

★幽霊ホテル
★ゴーストバスターズ

Murder and Mayhem
Goodreads-icon.pngRhys Ford

MurderAndMayhem.jpg★★☆ summary:
もと美術品泥棒のRook Stevensは、物なら山ほど盗んだが、人の命を奪ったことはない。そう告発されたことも。
だが今、自分の店で死体を見つけ、そして警察の掃射から命からがら逃げ出したRookは新たな危機に直面していた。
LA市警のハンサムな刑事、Dante Montoya。
まさに仇敵。

血まみれで逃げようとする男をとらえたDanteはショックを受けていた。なんと相手はRook、かつてDanteが刑務所に叩きこもうと全力を尽くした相手だ。
嘲笑うかのように法の手を逃れつづけたその男が、今、殺人の容疑者として追われている。

ついにこの男を塀の中に放りこめるのか?
だが果たして、この良心のない、恥知らずの犯罪者は…有罪なのだろうか?
.....



Murder and Mayhemシリーズ1巻。
かつて盗みを働いて食っていた男と、彼を刑務所に放りこむべく全力を尽くして負けた刑事。
その二人の血みどろの(主に血まみれなのはRook)再会から、彼らの関係が転がり出します。

刑事のDanteと元犯罪者のRookにとっては五年ぶりの再会。
DanteにとってRookは憎んでも憎みきれない相手です。必死の捜査が報われなかっただけでなく、Danteの相棒は法でRookを裁けないことに絶望してついに偽の証拠をでっち上げることまでした。
結果、Danteは自分の面子を失い、彼を刑事として一人前にしてくれた相棒も失った。

いいですよね、猫と鼠の(刑事と犯罪者の)話って!!
しかもかつての因縁あり。Danteは心の底からRookを憎む一方、RookはDanteに対するひそかな気持ちも持っていたりとか。どれだけこじれるのかと読みながらわくわくします。期待にたがわず、まずRookにタックルして引っ立てていくDanteから話は始まる。

Rook自身は犯罪で人生を作ってきたことを恥じてはいない。自分が何歳なのかも正確に知らず、父親もわからない彼は、ついに自力で店を持つところまで這い上がってきた。
彼にとってそれは当然のサバイバルなのです。
Danteに惹かれてはいるけれども、いやだからこそか、Rookは本能的にDanteを挑発せずにはいられない。「警察っていうのは無能なものだからね。それともそれは俺を追っていた刑事さんたちだけかな?」みたいに。
DanteはそんなRookについ過剰に反応しますが、同時に自分に偏見があるのではないかとも悩む。過去の軋轢から、Rookのことを公正な目で見られていないのではないかと。彼を有罪にしたいあまり、正しく事件を判断できていないのではないかと。
真面目で、正義を信じる男なのです。

そして、誰にも言えない。
Rookを檻の中に放りこみたいのと同じくらい、ベッドの中へ放りこみたいと強烈に願っているのだとは。

Danteはヒスパニックで、同居している叔父がドラァグクイーンでいい人なんですね。頭に血が上りやすい直情型のDanteをある意味で補っている感じ。
昔、ゲイだとカミングアウトして親から家を追い出されたDanteに、叔父さんが手を差し伸べてくれた。
ここには温かい家族の絆があって、Danteが頑固ながらもまっすぐでいいやつなんだなというのがじつによくわかる。

事件は大きなダイヤモンドを中心にめまぐるしく動いていき、Rookの過去の仲間にずるずると芋づる式につながっていく。
自分がここまで作り上げてきた人生を、店を守ろうとするRookに、愛憎入り混じる気持ちを抱きながらもDanteも巻きこまれていきます。

ちょっと展開が騒がしすぎるかなという感じもあるんですが(ここは読む時の気分との相性も大きいかな)、設定が大好きだしキャラも可愛い。
Rookだって彼なりにまっすぐな心を持っていて、手の届く範囲では優しい子なんですよ。ただ生きのびるために、犯罪のラインや世の中の常識というものにあまり重きを置いてこなかっただけで。でも自分は犯罪の世界からきちんと足を洗ったし、そうしたい仲間には道を開いてあげたりもしている。
今回、その中の誰かが彼を裏切っているかもしれないのですが。
そんなRookに対してDanteが抱くようになる保護欲と、法を守ろうとする精神がぐるぐると戦う葛藤もみどころです。

シリアスではあるけれどもにぎやかで軽いテンションのシリーズ。楽しい読書がしたい時におすすめ。

★犯罪者×刑事
★逃亡劇

★Three-Star rating system★


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