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A Matter of Time 1
Mary Calmes
A Matter of Time 1★★★ summary:
22歳のJory Keyesは、人生を楽しんでいた。
著名な建築家の個人アシスタントとして働きながら、夜はクラブで一晩の楽しみをひっかける。一夜の遊びの男とは、朝までは一緒にすごさない。
彼は日々を楽しんでいた。
だが友人のために彼女の家に立ち寄った時、男が人を殺す場面を目撃してしまったJoryの人生は、大きく変わる。

裁判の重要な証人となった彼を、警察は証人保護プログラムに入れたがるが、Joryは人生の自由を一時でも失いたくない。
断って、それまで通りの生活を続けようとする彼と、警官のSam Kageは強く対立する。
Samは強く、体格のいい男で、Joryは彼に惹きつけられるものを感じていたが、Samはどこからどう見てもストレートだった。

だが、2人の間に生じる感情の強さはJoryを驚かせ、Samを驚かせる。
その関係に未来はあるのか? これは本当の恋なのか、それとも一瞬の好奇心なのか?

*DreamSpinnerから、1と2を合わせて「A Matter of Time1」として再発売されました。
.....



1~4まで出ています。一本完結のシリーズではなく、珍しく「続き物」というやつです。
4で完結したのかどうかはわかりませんが、とりあえず一段落はしてます。

とてもおもしろいシリーズで、その中核を為すのが主人公のJory。これがもう、エネルギーに溢れた、めちゃくちゃな男。
親の顔を知らずに祖母に育てられますが、そういう過去の影はほとんどかけらもない。男から男に遊び回るのも、別にこれは孤独だからと言うわけではなく、楽しいから。
物事をあまり深く考えないのは性格で、人の話を最後まで聞かない癖があります。バイタリティ余ってるからね。この癖が色々なところで彼をトラブルに巻きこむ。
勝手に生きているようですが、仕事は誠実、友人には忠実で、一度恋人が出来れば、それ以外の相手とは絶対に寝ない。それが彼なりのモラルです。

周囲を引っかき回す楽しいキャラで、トラブルメーカーと言うだけでなく、色々な問題を彼なりの視点で解決していくバイタリティがあります。たとえば(これはまだ先の巻ですが)強盗が入った家を助けるために、その強盗の車に乗りこんでカージャックしちゃったり、警察に手錠をかけられたのを何とかするためにアダルトショップに行って「彼氏が鍵を無くしたんだ」と手錠を外すのを手伝ってもらったり。
そのあたりのJoryの溌剌とした動きを見ているだけでも楽しいシリーズです。

彼の運命の相手となるのが、ストレートの警官(つうか刑事か)Sam Kageで、34歳の彼はきつい性格とその体格で誰にでも恐れられているけれども、Joryはさっぱり彼を恐れない。
2人はすぐに、相手が自分の運命だと知るけれども、Samはそれまでストレートとして生きてきた男で、警官。
ゲイとしてカミングアウトしたとして、できたとして、彼のキャリアは、未来はどうなるかわからない。そしてSam自身にも問題があります。Joryこそ彼の「One」だと知りながら、Samはまだ、それまで求めてきた未来──結婚、家族、子供、そして順調な警察でのキャリアなど、そう言った「ノーマルな」ものへの渇望を捨てられません。

彼らが惹かれ、ぶつかり、離れる。その一方で、Joryは彼を証人に立てたくない犯罪組織に狙われる。
スピーディな展開が続きます。

カプ的にはちょっと「Adrien Englishシリーズ」っぽい感じもする。あそこまで痛い葛藤ではありませんが。まあ警官と好奇心の強い一般人のカプとなると、どうしても似るかも。警官ものだとカミングアウトの葛藤は常にセットですしね。
最近ミステリがはやってるのも、あのシリーズからの流れなんじゃないかなあと思ってますが。いや、好きだからいいんだけど。強圧的な警官×やんちゃ受け。

鮮やかで楽しい一冊です。とにかくJoryが楽しいし、2人の間の磁力の強さは萌える。惹かれあう時も、対立する時も、いつも強烈。
あと、Joryの上司のDaneがほんとかっこいい。有能で辛辣で美形で冷酷で、Joryにたよりきっている。ここの、今にも相手に噛みつきそうなやり取りはいいなあ。最初、Daneがカプに噛んでくるかと思ったよ。

活発な受けに萌える人、そういう受けに振り回される強い攻めが好きな人におすすめ。結構あちこち笑えて、ほんと楽しいです。

★無茶無謀受け
★ストレート警官攻め


※ここの書店は、何故か「カートに入れる」をクリックすると一気にペイパルのお会計に飛ばされます。まだその動作の謎が解けない…

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A Matter of Time 2
Mary Calmes
A Matter of Time 2★★★ summary:
A Matter of Timeシリーズ 2(1のネタバレあり)

Jory Keyesは殺人を目撃し、証人となり、刑事のSam Kageと出会って恋に落ちたが、彼らの仲は平穏なものではなかった。
Samは、これまでの人生をずっとストレートとして生きてきた。家族との関係、友人、キャリア、すべてが彼にとってプレッシャーとなる。
彼はJoryを愛していると言い、Joryはそれを疑ったことはなかったが、Samが「ノーマル」な暮らしや可愛い女の子との結婚を捨てきれずにいることも、知っていた。

殺人の証言者としての役目も終わり、JoryはSamの人生から姿を消す。
それは苦痛に満ちた決断だったが、ほかに道はなかった。SamにはまだJoryの存在を受け入れる心の準備ができていず、そのことを自覚すらしていなかった。

Joryは、仕事にも遊びにも満足していた。
新たな家族、友人、仕事、自分の望むものすべてがある。
だがただひとつ、何よりも欲しい物には決して手が届かない。

そんな時、思わぬ形でまたSamがJoryの前に姿を現し…

*DreamSpinnerから、1と2を合わせて「A Matter of Time1」として再発売されました。
.....



続き物なので、1を読んでから。しかも3を買う覚悟で。(2の最後がすごいクリフハンガーなんですよ…)

相変わらずなJoryです。そろそろ23歳になるけれども、陽気で憎めなくってバイタリティに溢れていて、無茶。
Samとの恋や喧嘩や失恋は彼を打ちのめしますが、それでもJoryは元気だ。
強盗に手を振って彼らの車をカージャックするくらい元気。見ているだけで楽しいです。

アドレナリンが出ると何をするかわからない人なんですね。誰の言うことも聞かない、自分の本能にだけ従って突っ走る。やがて興奮状態が終わってアドレナリンが切れるとその場でつぶれそうになってます。
小猫みたいな感じです。遊ぶ時に夢中になって駆け回って、はっと気付くと疲労にもう目も開けられなくなっている。
そんな彼が恋をしたり、また命を狙われたりするので、そりゃもう大変なことになってます。その間を縫って男とデートをしたり、振り切ったり、自分と付き合いたい男を口説いて別の男とのブラインドデートにつっこませたり、それをスパイよろしく双眼鏡片手に追い掛け回してチェックしたり、めまぐるしく頑張ってます。

今回は、雇い主のDaneとの関係も新たな局面に入ります。私はこの人、攻めになったらそりゃ素敵な攻めになるだろうと思うのですが、当人まるで興味なさそうで残念です。無慈悲で高飛車で美形ですごいツンデレなんだけどなあ。
彼はJoryのことを罵りながらも大好きで、それが高じて今回Joryに大きな選択を迫るのですが、「お前のことを愛してるけど、お前と寝るのは絶対ご免だから別の手を考えた」とか言ってます。
愛されてるなあ、Jory。そして彼もDaneを愛している。でもそれは恋人への思いとはタイプが違う。
ここもまた、別の意味で萌えます。

Samもまた相変わらず、高圧的で、Joryにめろめろ。ほんとに溺愛。
彼は、何があってもJoryを失えないことはわかっている。だがやはり、長年生きてきた「ノーマル」な生活からのプレッシャーは重い。それが幾度も彼とJoryを引き剥がす。
それでもSamは、新たな打開策を探しはじめています。身勝手なようで、彼もまたもがき、Joryを取り戻すべく人生と向き合いはじめている。Joryを何度も傷つけるけれども、彼らはやはり離れられない。

その溺愛っぷりと、剥き出しになった気持ちの濃さがいい。2人の言い争いも容赦ない。
スピード感もあり、Joryのユーモアもあり、別れや再会のドラマも山盛り。楽しい読書におすすめです。
恥ずかしげもなくJoryを甘やかすSamの言葉が結構楽しいので、「べた惚れの相手に歯の浮くようなことを本気で言っちゃうこわもての刑事」とかに萌える人にも鉄板。

★再会
★やんちゃ受け

A Matter of Time 3
Mary Calmes
A Matter of Time 3★★☆ summary:
A Matter of Timeシリーズ 3(前巻のネタバレあり)

Jory Keyesの誘拐事件から、3年がたっていた。
彼の波乱の恋の相手、警官のSamは、病院に彼を置いて姿を消し、それきり何の連絡もなかった。

それを忘れようとして、Joryは忘れられない。1年以上つきあった相手ともそれ以上関係を深められずに別れ、夜ごと遊び歩いて、顔も名前も覚えていないような相手との関係をくりかえす。
デザイナーとして独立し、仕事は順調だった。Daneの盛大な結婚式も開いた。
飲んで、遊んで、働いて、Joryの日々はそのくり返しだった。
すべてはうまくいっていた。うまくいっている筈だった。

Samが3年の不在を経て、またJoryの前に現れるまでは。

決して、彼らはうまくいかないだろう。Joryにはその確信があった。
何度くり返しても、必ず彼らは破綻する。そのたびに痛みは増すようで、今回ばかりはそのあやまちに足を踏み入れるつもりはなかった。
Samが何を言おうと、Jory自身が何を望もうと。

*DreamSpinnerから、3と4を合わせて「A Matter of Time2」として再発売されました。
.....



A Matter Of Timeシリーズ3
続き物なので、1、2を読んでから。

Joryは26歳。
成長したかどうかと言うと、微妙かもしれない。Samが去り、彼は少し人生の行く手を見失っている感があります。
さすがに3年経っているから、気持ちの中で区切りをつけたつもりでいる。でもまだ苦しんでいて、楽しく暮らしているような日々の中から、そんな様子がちらちらと見える。
遊びに行って充分飲んだのに、1人でいたくないから誰かを呼んでまた遊ぼうと夜中に携帯を眺める、とか。
わりと楽しそうに暮らしてるんですが、満たされてない感じがうっすらと漂っている。

Samは3年ぶりにJoryの前に現れ、Joryを自分の人生に取り戻そうとするけれども、Joryは全力でそれを拒否する。とにかくもう一度あんな思いをするのは無理。2度と耐えられないと思う。
だがSamは3年の間に変わっていて、怒りっぽい、高圧的な男は、頑固さはそのままでどこかおだやかさを身に付けたようです。
彼は今度こそ気持ちを決めている。Joryがいない人生など、ありえないのだと。いきなりやってきてそれはあるかよ!と思いますが、彼には彼の事情があったりもする。
そんな彼が懸命にJoryを口説くシーンがなかなか甘々で、読んでて楽しいです。

相変わらず展開のテンポはいい。Joryに常につきまとっていた事件は片づいたので、そう言う意味ではやや平和な一巻でもありますが、心理的にばたばたしているJoryの様子は平和でも何でもないですね。
これまで2冊、Joryは自分が何をしたいか、何を求めているか、はっきりとターゲットを定めて全力でぶつかっていましたが、思えば引くのも早かった。彼はSamが言うように、何かがまずくなりそうだと思うとそこから姿を消す癖があるようです。
友人や兄のためなら、何とでも戦う。何でもする。でも自分の人生に執着が薄く、どこか傷が浅いうちに物事をすませようとする。
でも今回の相手は、Samです。それも、心を決めたSam。
うーむ、手ごわい。

引いて、逃げて、つかまれて、口説かれて、怒鳴り返して、また逃げようとする。
いつまでもつか。
そんなお話。
そして今回こそ、彼らはうまくいくのか?

ここまで2冊楽しんだ人は買いです。Samが必死になったり、ものすごく支配的になったり、我に返ってちょっと引こうかとしてみたりするが結局Joryから離れていられない様子がすげー可愛い。
んでもって、4に続く。

★再会
★強引保護者系攻め

A Matter of Time 4
Mary Calmes
A Matter of Time 4★★ summary:
A Matter of Timeシリーズ 4(前巻のネタバレあり)

デザイナーJory Keyesと、殺人課の刑事として戻ってきたSam Kage。
2人の関係は今度こそ確固としたものになりそうだった。

Joryはこれまでの経験からまだ破局を恐れているが、Samが本気であることは彼にもよくわかった。Samは、Joryの人生の中に自分の居場所を見つけ、そして自分の人生の中にJoryを入れようとしている。
彼はもう、2人の関係を隠そうとも、「ノーマル」な人生をうらやんでもいなかった。

だが、3年前の事件はまだ2人の背を追っていた。
3年前、Joryによく似た男が、Joryが前に住んでいた部屋で殺された──その事件は、かつて事件の目撃者となったJoryの口封じに失敗したものだと思われていた。裁判とともにすべて終わったのだと。
それなのに、また、男が殺される。Joryとつながりを示す物を持って。
連続殺人。そして、その殺人が指し示すのはJoryだった。

誰が、何のためにそんなことをしているのだろう? 3年以上にわたって?
殺人者は自分の身近にいるのだろうか?

そんな時、Samの身にまで危険が迫り、Joryは事件を自ら追いはじめる。Samを守るために。

*DreamSpinnerから、3と4を合わせて「A Matter of Time2」として再発売されました。
.....



A Matter Of Timeシリーズ4
続き物。1、2、3を読んでから!

3でよりを戻した2人のその後、ではありますが、もうしっちゃかめっちゃかです。
Joryが走る逃げる走る逃げるっていう感じ。

今回はSamから逃げているわけではなくて、Samが動けない間、とにかくアクティブに事件を追い掛け回す。誰の制止もききません。
ブレーキの壊れた車みたいです。アクセル踏みっぱなし。大丈夫か。
回りの人間の心配はとどかないし、無理矢理警察に保護されれば悪党の手を借りてそこから抜け出したり、パトカーの後ろから手錠つけたまま逃げ出したりと、ほんと無茶苦茶。
みんなJoryをとめようとしますが、「もう誰にもとめられないんじゃよ」って感じ。直感と行動力にすぐれたJoryはたまにちゃんと役に立ったりして、それがまた余計に物事をややこしくしている。ただの役立たずならもっとマシかも。

ふたたび色々な事件がおこって、にぎやかな一冊です。事件だけでなく、SamとJoryが2人でどう一緒の人生を生きていくか、そういう彼らの愛情やお互いのための妥協もきちんと書かれていて、これまでの3冊の流れをきちんと締めています。

Nickの行く手というか、身の落ちつけ方がわかったのが地味に嬉しかった。1でJoryと一晩すごした後「君が好きなんだ」とごたごたした医者ですが、その後も何かと出てきて、微妙な愛着があったサブキャラでした。
間が抜けてて惚れっぽくて、いい人なんだけど思いこみ強そうで、Joryが寝た相手の中でもかなりいいキャラ出してたと思います。身の落ちつけ方も、彼らしくどこか間抜け。

Joryの失踪と迷走っぷりが半端じゃないので読んでて楽しいですが、4になるとちょっとJoryの立ち位置が「姫」っぽくなるのが個人的にはちょっと残念かなー。活発で強気で行動力もあるんだけど、何と言うか、愛されポジションが姫っぽい。(3までの姫になりそうでならない感じがツボだった)
それと、少しミステリ部分がルーズかなあという印象もある。
でもそのへんをノリで読み切っていくと、相変わらずすごく楽しい読書です。読み出したらなかなかとまれない。
無茶苦茶でやる気でがんばっててけなげな、でもトラブルメーカーな受けが好きなら迷わずいきましょう。

シリーズ完結かどうかはわかりませんが、とりあえず話は一段落した感じです。ものすごく楽しいシリーズでした。おすすめ。

★トラブルメーカー
★暴走受け

Timing
Mary Calmes
Timing★★☆ summary:
Stefan Jossは、1番の友人で大学時代のルームメイトだったCharlotteの結婚式のため、テキサスへ向かった。

本当なら休暇の筈だったのに、上司の強引な要望で、テキサスの牧場の土地を買い取る交渉の仕事もしなければならない。
計算違いだったのはそれだけではない。
Stefanの前にRand Hollowayが現れたのだ。Charlotteの兄、10年前に会った時からStefanと気が合わず、彼を「fag」と読んで侮辱した男。それ以来、彼らは顔を合わせるたびにお互いにきつい言葉を投げかけあってきた。

だがRandの態度はいつの間にかわっていた。まるで友人になろうというような態度に、Stefanは驚き、警戒する。
同時に、Randとの間にこれまで誰にも感じたことのなかった調和のようなものを感じてもいた。
そんな馬鹿なことがあるだろうか。Randはストレートだ。

結婚式のために続々と家族友人たちが集まり、4日間にわたる週末の騒ぎが始まった。
喧嘩、準備の不手際、花嫁の秘密告白、ストレス、めまぐるしい結婚式前の日々の中で動き回りながら、Stefanはこの10年まるで知らなかったRandの新しい面を発見していく。

同時に、何故か自分が大きな危険にさらされていることにも気付いていた。恋に落ちる危険、そして何より──何故だか──自分自身の、身の危険。
.....



Stefanの仕事は"acquisitions manager"だそうで、よくわからないんですが投資部門のマネージャーってことかなあ。
口がよく回り、気が強く、実は腕っぷしも強く、人好きのする、美形で金髪の、ちょっと絵に描いたような男。
彼と、テキサスで牧場を経営するRand Hollowayの話です。

しかし結婚式の前って凄い目まぐるしい。いろいろなトラブルが起き、Stefanは新婦のためにそれを解決しに駆けずり回っています。
ユーモアにあふれ、生き生きと走り回る彼の様子は見ていて楽しい。Mary Calmesの受けは半端じゃなく活発です。
彼とカウボーイのRandは、10年もの間、相性は最悪。
誰とでもすぐ友人になるStefanは、じつのところ誰とでもあっさり距離を取る。誰かを嫌うほど人に執着しない。そんな彼が顔も見たくないほど嫌い、顔を見ればありとあらゆることを言ってしまう相手が、カウボーイのRandなのです。
それがどういうことなのか、Stefanはまだ自分で気付いていないわけですが。

2人の緊張感、笑える言い争い、近づいてくるRandに猫のように警戒するStefan。その警戒を押しきろうとしてうまくいかず、苛々するRand。
うーん、楽しい。

とにかく全体に生き生きしていて、結婚式のための4日間(+α)を全力で駆け抜けていくような、色鮮やかな話です。
主人公はやたら愛されてあがめられるので、そういう愛され受け(でも二皮くらい剥いてみると根本的に孤独)が好きな人向け。
Mary Calmesの受けはLB Greggの受けと同じような笑えるほどの活発さがありますが、こちらの受けの方が世渡り上手で社交的で誰からも愛されてるハイパーな受け、という感じです。どっちもすごく可愛いんだが。
そして、そんな受けを、強い攻めがベタ惚れになりつつ守ろうとする話。

親友のCharlotteと主人公の結びつきがすごく強くて、そこも読みどころのひとつとして書かれています。強気でお騒がせでおしゃべりな女の子なので、女の子がばんばんしゃしゃり出てくる話が苦手な人は注意。可愛いし、えぐくないけどあくは強い。まあやっぱ結婚式は新婦が主役。
彼女が、Stefanとだけわけあっていた自分の秘密を新郎に話し、Stefanはそれをサポートするんだけれども、その後「もうCharlotteは夫が支えてくれる」とすっと距離を取ろうとするあたりなんか、Stefanが根本的にどこかに孤独をかかえていることを匂わせて、なかなか憎いと思います。

語り口がかろやかで楽しい読書です。一箇所エロで「himself」を「myself」と書いちゃってどえらいことになってるエロシーンがありますが、気にしないぜ!
活発受け、愛され受け好き、ユーモア系の読書が好きな人におすすめ。

★仲たがい(10年)
★カウボーイ×ビジネスマン

Romanus
Mary Calmes
Romanus★ summary:
消防士Mason Jamesは、長いシフトの帰りに道を間違え、さまよっている老人に出会って彼の家を探すうち、奇妙な人々が集まる場所へとたどりつく。
どういう集団なのかわからないが、彼らはMasonの存在におかしなまなざしを向け、しかも彼らの中の何人もが裸で森を歩き回っていた。

それが、Masonが巻きこまれていくおかしな物事のはじまりだった。

理解できないまま、Masonはそこでこれまで見たこともないようなゴージャスな男に出会う。
Luc Toussaint 。

人々はMasonを「Romanus」と呼び、人によってはあがめるように大切に扱い、人によっては敵意を露骨に剥き出しにする。
中にはMasonの命を狙う者も。
そしてある夜、月明かりの中でMasonが見たLucの背中には、コウモリのような巨大な翼があった──
.....



現代物パラノーマル。
と言っても吸血鬼や人狼ではなく、ガーゴイル。
Mary Calmesは、陽気な現代物を書く一方でちょっと変わったパラノーマル物を書いていますが、どうも設定先走りになるような傾向もあります。
実のところ今回もそんな感じはあるんですよね。

色々なオリジナル単語がとびかう中で、主人公のMasonは自分の血が呼ぶままに新しい世界に巻きこまれていく。
老人1人を助けたことからはじまった早い展開の中でも、己を見失わず、妙に神経がたくましいあたり、やっぱりこの作者独特のふてぶてしくも可愛い主役だと思います。

わりと短めなのでさっぱりした感じで読める。どんどんおかしな人たちに巻きこまれていく展開は読んでいて気をそらさないし、Lucはいい男で、エロも楽しい。
この作者の力量からいくと全体の出来に不満もあるのですが、ありがちではなく、ガーゴイルを中心に据えたパラノーマルものというあたりがプラスポイント。(もうちょっとそのへんを活かしてほしい感はあるかなー)
メイトとか、一度セックスしてしまうと「自分の本当の正体が見えてしまう」とか、そういうネタが好きだと設定でかなり萌えます。MasonとLucだと身分違いみたいだし。

設定が立っている感じのパラノーマルものが好きな人におすすめ。

★ガーゴイル
★運命の相手

Again
Mary Calmes
Again★★ summary:
Noah Wheelerは、恋人のDante Cerretoを迎えに空港へ向かっていた。
彼には大きなニュースがあった。彼らはずっと人工授精で子供を作ることを話し合ってきたのだが、Noahの妹の了解と協力の元、ついに彼女が妊娠したのだ。Danteの精子と彼女の卵子による子供だ。

だが空港で、Danteは、もうNoahとは終わりだと告げる。
潜入捜査の仕事をしている間に、パートナーとしてふるまっていた女性に恋に落ちたのだと。

心が破れるような別れから6年。
Noahは休暇を取ってラスベガスにいた。娘のGraceと、恋人の男とともに。
そこで彼が顔を合わせたのは、Danteと、彼の家族だった。

彼らは、一目でGraceがDanteの子供だと悟り…
.....



Mary Calmesらしい、強引で美形の攻め×はねっかえりの愛され受け。
短めで、見どころもいくつかあり、キャラのコントラストがはっきりしていて、最後まで楽しく読めます。

Danteからいきなりの別れを切り出された時、もうNoahの妹はDanteの精子で妊娠していた。そもそもそのへんはちゃんと事前に報告しないとまずいんじゃないの、とも思いますが、DanteはCIAのエージェントで、潜入捜査をしている間はとにかく連絡が取れないのです。
で、久々の再会に胸をときめかせたNoahは、赤ん坊の超音波写真を持って空港に向かったのですが、そこで見たのはDanteが別の女性にキスしている光景。そして別れの宣言。

打ちのめされ、子供のことなど何も言えずに別れたものの、でもやっぱり言わないとまずいよなーと思ったNoahはDanteやその家族に連絡を取ろうとするけれども、何故だか誰も連絡がつかない。そのまま彼は1人で娘のGraceを育てます。
人見知りでおしゃまで知りたがりのかわいい娘は、彼が愛した男そっくりの目を持っている。Noahは彼女をとにかく溺愛しています。
恋人になりかかっている男はいるけれど、娘のことを1番に優先していて、自分の恋愛生活は後回しになっている。ぶっちゃけ、娘がいれば恋人は別にいなくてもいいかな、という感じで、あまり深くない関係です。

そんな時、Danteと再会してしまう。

とにかくDanteがゴージャス。傲慢で高飛車で、容赦がない。絵に描いたような「攻め様」です。
この作者はほんとにそういう攻めが好きだよね(BL好きでもあるらしい)。リアリティには欠けてますが、読んでるとテンション上がります。

6年前のいきなりの別れには、Noahが知らなかった裏があって、でもだからといってNoahもすぐにDanteを許す気にはなれない。
押すDante、押し返すNoah。傲慢攻め vs 意地っ張り受け。
鉄板。

ラスベガスでの休日と結婚式(親戚の)の数日間の物語で、テンション高く、はずむように話が進んでいきます。
短めで、話として入り組んだところはないので、軽く楽しい読書をしたい時におすすめ。周囲のキャラも可愛い。
Danteに捨てられた後、アパートの床から起き上がる気にもなれずにもそもそしてるNoahのところに兄がやってきて、「寝たままテレビを見られるように」とテレビを横に倒して帰っていくエピソードが好きだなあ。Mary Calmesのキャラはドラマティックな一方で、どこか変にたくましいので、読んでて楽しいのです。

★子持ち
★誤解

★Three-Star rating system★


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