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Bound and Determined
Jane Davitt & Alexa Snow
Bound and Determined★★☆ summary:
もうじき21歳になる大学生、Sterling Bakerはたまたまパーティで見たBDSMシーンに衝撃を受け、それこそが自分の求めるものであると感じる。
彼は支配的な父親に常に反感を覚えてきた。それは、自分が支配する側になりたかったからではないだろうか。

だが初めて行ったクラブで、大学の教授Owen Sawyerの姿に行きあたって、Sterlingは自分の考えが間違っていたことに気付く。
彼が求めているのは、支配することではない。支配されることだ。
Owenのような、強い、確信に満ちたDomに支配され、コントロールされるSubに、彼はなりたいのだった。

Owenは、何のスキルも経験もない、しかもかつての教え子を自分のSubにするつもりはなかった。
長い間、彼はどんなSubにも満足できなかった。多くの者が彼の名を求めてすり寄ってきたが、誰もがあまりにわかりやすく、あまりにも平凡で、常に誰もがOwenを失望させた。

だがSterlingは不屈だった。ついにOwenから手ほどきを受けることに成功し、それが思っていたほど単純でたやすいものではないと悟りながら、彼は引かなかった。
彼の中にある強さ、しなやかさ、そして複雑な痛みはOwenを引きつける。
ふたりの関係はいつしか単なるDomとSubの域を越えていたが、どちらもそれを言い出せず、いつしか生まれた亀裂はSterlingをより破滅的な行為へと押しやり…
.....



Sterlingは、父親の支配によって精神的に傷つき、自分の中に高い壁を作っています。常に他人にチャレンジしたがり、挑戦的で、高慢。
Owenが最初に見て、拒否したのはそういう「外側」のSterlingですが、その内側には脆い、優しい、誰にも手をふれさせない部分があります。
Owenは支配とコントロールによってSterlingの思考を吹き飛ばし、壁を崩し、SterlingはOwenにだけはすべてをさらけだす。それはOwenが彼を知り、彼の限界を知り、決して傷つかないよう守ってくれると信頼しているからです。
Sterlingには、支配される必要がある。信頼する相手、自分のすべてを預けられる相手に。そしてOwenは己のすべてでそれに応える。
それはほとんど、そのまま恋のように見えます。
支配と被支配、関係としてはいびつなようでもありますが、彼らの間ではそれは健全で、純粋で、必要なことなのです。

Owenはとても強い、卓越したDomです。
彼はSterlingの中にあるものを引きずり出し、Sterlingの欲するものをあたえ、そうすることに喜びを感じる。
どんなSubも──かつて別れたただ1人を除いて──彼を満足させることはなかった。だがSterlingの不屈さ、それと対をなす心の底からの服従、Owenを喜ばせようとする姿はOwenを揺さぶっていく。

プレイそのものも色っぽくてよいですが、DomとSubという特殊な立場を踏まえた上での感情の変化が非常に微細に書かれていて、読みごたえがある。
BDSMの話ってプレイの物理的な描写以外は単調になりがちな傾向があるんだけども、これはプレイの中で起こる葛藤や、2人の互いに対する理解が、そのまま彼らの人間関係に投影され、互いへの感情を深めていく。とても繊細に書かれた話だと思います。
生き生きしたSterlingも、彼を支配して愛でるOwenの強さも、とても魅力的です。

BDSMを中心とした人間関係、そして「初心者のSub」と「それを導くDom」の物語と言うと「A Strong Hand」に近い構成ですが、あれがプレイそのものよりは主人公同士の感情的な絆を中心に据えていたのに対して、この「Bound and Determined」はプレイの比重がとても大きい。
ので、がっつりとBDSMが読んでみたい、という人向け。
BDSMって日本のSMとはちょっとちがう(ものが多い)ので、「SMって何がいいのかわかんない」という人でもためしに読んでみるといいんじゃないかなーと思います。苦痛や拘束は「手段」であって、その先にあるものにたどりつくには、何よりも信頼が必要で、その信頼の存在が、この話のテーマにもなっています。

苦痛や、公開プレイも(一部)含んでいます。(強烈なものではないので、すごく苦手な人以外は大丈夫かと)
公開プレイってあまり好きじゃないんですが、この話の中での位置づけはよかったですね。何故人はBDSMを求めるのか、何故クラブ内で公開プレイをするのか、という「何故」のあたりがきちんとしたフォーカスで描き出された話です。

★支配
★焦らし

★Three-Star rating system★


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