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[タグ]シリーズ:MenOfHonor の記事一覧

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Bound By Honor
SE Jakes
Bound by Honor★☆ summary:
Men of Honorシリーズ1。

1年前、Tanner Jamesのミッションは失敗した。友であるJesseは彼の腕の中で死んだ。
彼に最後の約束をさせて。

そして今、TannerはBDSMクラブの前に立っていた。友との1年前の約束を果たすために。たとえその代償に何を失うことになっても、友との約束に背を向けるつもりはなかった。
それが、BDSMクラブのオーナーに自分の体を差し出すことであっても。

Damon Priceは、死んだ恋人Jesseのメッセージを持ってきた男を、どう扱うべきかわからなかった。彼はJesseの最後の願いが理解できなかった。
Domとして、Tannerを一夜のパートナーにしろと?
しかもTannerはSubですらない。少なくとも、Tanner本人は自分のことをそう思っていない。

Damonの怒りと悲嘆は、一夜のレッスンを過酷なものにしてしまう。
どちらもお互いを受け入れるのを拒否した。だが、どちらもJesseの最後のメッセージを無駄なものにしたくはない。
友のために、死んだ恋人のために。そして自分たちのために、手探りの関係がはじまる。
.....



BDSMを中心に置いた関係ですが、DomとSubの関係とはかなりちがいます。「Master」とも「Sir」とも呼ばせないし、一部を除いてBDSMプレイっぽいものもほとんどなく、普通の恋人関係っぽい。エロもわりと普通(濃いめだけど)。
しかし彼らの関係の芯には、自分自身のコントロールを他人にゆだねることができるか、というBDSM的テーマはちゃんと含まれています。
Tannerは自分がTopだと思っているけれども、それだけでは満たされないことも自覚している。Damonはそれを満たすすべをすぐに見つけるけれども、1歩踏み込んでしまうのが怖い。Tanner相手では、踏み込んだらもう後戻りできない気がするから。
どちらも、自分を相手にゆだねるすべを覚えなければなりません。

Damonは死んだJesseを愛していたけれども、彼に満足することは出来なかった。Jesseが求め、Damonが与える、でもそれですべてが満たされるわけではない。そんな関係だったようです。
Jesseはそれを知りながらDamonを手放すことができず、でも死を目前にした最期の瞬間、友であるTunnerにDamonをいわば手渡す。
死者の存在と傷を間にはさんだTunnerとDamonの関係は時に痛々しい。時にお互いを抱きしめ、時に押しやろうとする。

Tunnerも軍人、Damonも店の共同経営者のLCも元軍人で、多分作者は軍人萌えなんだと思います。強い男たちが交錯する話なので、そういうの好きなら軍人萌えだけで楽しい。
ちょっと話のフォーカスが甘いところがあって、今ひとつ感情的な展開に説得力がない部分があったり、描写が足りないところも多々見受けられるのがマイナスポイント。過去のキャラの名前が何の説明もなく出てきたりして、全体像が見えてくるまでの流れが設定負けしてると思う。しかしキャラがなかなかに魅力的で、最後まで楽しく読めました。生傷のような心の痛々しさがよく書けてると思います。
特にDamonの友のLCのストイックな雰囲気が好きだー。シリーズの次は彼の話らしいので、これも読む予定。

「バイブ+コックリングプレイ」とか「お清めエッチ」とか何かこう、あちこちにBLっぽいシチュが見受けられるので、この人はBL(っぽいもの)を読む人なんじゃないかなあ。話の展開もBLに近いものがある。ガチムチ軍人の群れだけど。そこがいいのか。
一部のスパンキングと最初の公開プレイを除けばほぼBDSMらしいところはないので、そういうプレイが苦手な人でも読めますが、この話のおもしろさの一部は「BDSMのルールから逸脱している」というところにある気もする。ちょっと雰囲気のちがうBDSMものが読みたい人、強い男が過去をのりこえる話に萌える人におすすめ。

★恋人との死別
★義務感から始まる関係

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Bound by Law
SE Jakes
Bound by Law★★☆ summary:
Men of Honorシリーズ2

LCは悲惨な子供時代、家から逃げ出した後、クラブのオーナーGregの元で大人に育った。
同じようにそこにいた少年、Styxと激しい恋に落ちたが、Styxはある日いきなり彼を置いて姿を消した。

それから10年、LCはStyxがいつか戻ってくるのではないかと待っていた。だが、もうそんなことはやめなければならないのかもしれない。過去を捨てて、歩き出すべきかもしれない。
事件を通して出会った刑事、Pauloに惹かれている自分にも気付いていた。

だがそんな時、いきなりStyxが彼らの前に現れる。

Styxの過去を追いかけていた亡霊が、LCにまで牙を剥こうとしていたのだ。Styxは敵からLCとPauloを守ろうとするが、LCとふたたび顔を合わせるのは彼にとってたやすいことではなかった。
忘れたことなどなかった。LCを守るために姿を消した10年前から。
出会えばすべてがよみがえる。情熱も、痛みも。それはLCにとっても同じだ。

Pauloは2人の男の激しい感情の間にはさまれて、どうすべきかわからない。LCには惹かれている。だが、LCの心に誰かが住んでいることには始めから気付いていた。
その誰かがStyxであることも、一目でわかった。
.....



前作「Bound By Honor」で、クラブオーナーのDamonの友人兼共同経営者だったLCの話。

1作目が粗削りながらも気に入ったので、2作目を買いに行って、表紙で3Pだと気付いてびっくり。
1でLC(本名はLaw)の過去の恋がStyxに対するものであることは出てましたが、Pauloともいい感じになってきてたので、2でPauloとくっくんじゃないかと思ってたのでした。

さて、結構、彼らの過去が複雑です。まず、LCとStyxとDamonは、少年の時にGregというクラブオーナーに引き取られてそこで育った。LCは児童虐待の被害者で、一方のStyxにはそれまでの記憶が全くない。
Gregは彼らに寝床だけでなく教育もあたえ、クラブ経営の仕事を教え込んだ。Styxが前触れもなく姿を消した後、LCとDamonは軍に入り(デルタフォース)、戻ってきてからはBDSMクラブを一緒に経営してる(今はそのクラブも売りに出してる)。
Styxは、子供時代の記憶を失っていますが、やがて犯罪社会で大物である父親が彼を追ってくる。それに気付いた時、StyxはLCを守るために姿を消すのです。愛しているから。
なかなかにドラマティックで、「過去持ち」のキャラやトラウマものが好きなら萌え萌えです。ちとてんこもりすぎるかな、という気もしないではないぐらい。

今回、ふたたびLCは狙われ、Pauloは巻きこまれ、Styxは彼らを守るために姿を現す。
LCの感情は、Styxを見た瞬間から、まっすぐStyxへと向かっていく。ありったけの痛みや怒り。その向こうにまだ横たわっている、激しい愛情。

巻きこまれた形になったPauloは、LCの心を一瞬にしてつかんでしまったStyxに対して憎しみや怒りを感じるべきだと思いつつも、そういう気持ちにはなれない。むしろ、LCの怒りや冷たい言葉にも耐えなければならないStyxが気の毒だと思って、Styxを弁護したりする。いいヤツです。

3人が身を隠す山荘で、主に出来事は起こっていきます。3人の感情がもつれあい、深い過去の傷や意外な秘密がむき出しになる。傷をのりこえようとする葛藤と、過去と向き合おうとする苦しみなども生々しい。
エロシーンも盛りだくさんで、色々なパワーバランスの変化や関係の深まりが投影されているので、読んでて飽きないです。ちょっと事件解決のオペレーションシーンとかは貧弱だけどね。全体のドラマの濃密さはなかなかすごい。

元々LCとStyxがカプで、そこにPauloが入っていく感じで3Pのカプになるのですが、Pauloの存在が「おまけ」になってしまわないようにうまく工夫がこらされている。
LCがめっちゃ愛されてるのがまた楽しい。軍人上がりのガチムチな美形ですが、扱いは「姫」だな。クールで悪い感じの、とがった男なんだけど、「姫」。
手がかかりそうな人なので、3Pぐらいで丁度いいのかもしんない。

3P好き、「過去の男」もの、感情が複雑に描き込まれた話が好きな人におすすめ。なかなかに濃密。
ちょっとまだ粗削りなところもあるんですが、今後も楽しみな作家です。

★トラウマ
★記憶喪失

★Three-Star rating system★


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