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Dangerous Ground
Josh Lanyon
Dangerous Ground★★★ summary:
外交安全局の捜査官であるTaylor MacAllisterとWill Brandtは、3年の間コンビを組んでいた。
仕事、友情──すべてがうまく回っていた。
Taylorが撃たれて瀕死の傷を負うまでは。

Willは、それが自分のせいだと知っていた。
TaylorはWillを口説こうとして、Willはきっぱりと拒否した。Taylorに気持ちが動かなかったからではない。その逆だ。Willは2人の間にあるパートナーとしての絆と友情を何より大事にしていた。
それを壊したくはない。
そのすぐ後、Taylorは無謀な行動から撃たれ、彼らの間にあるものは決定的に変わってしまった。

Willは休暇を取って、Taylorを強引に登山につれていく。それでまた彼らの仲が落ちつくだろうことを願って。
ぎこちない2人は、山中で、飛行機の残骸と脱出に失敗した乗客の死体、それに巨額の現金を見つける。カジノ強奪事件の犯人と金だ。

Taylorは長い間、この相棒に恋をしていた。だがその気持ちが返されないものであることもわかっていた。
こんな状態に、いつまで耐えられるだろう? Willがもし今の恋人と長くシリアスな関係になったとして、毎日そんなWillと顔を合わせて平気な顔で仕事ができるとは、Taylorには思えなかった。

パートナーを解消しようと言い出すTaylorに、Willは動揺する。
そして彼らの背後には、飛行機を探す別の人影が迫っていた。
.....



休暇中の捜査官2人の、山の中でのストーリー。
TaylorはWillが好きで、WillもTaylorが好きだけど、2人の「好き」はくいちがっている。恋人になりたいがあきらめている男と、とにかく相棒のままずっと仲良くいたい男。
なかなか厳しいシチュエーションです。

Willは大柄で物静かで、いつも物事を現実的かつ冷静に判断する。対するTaylorは癇癪玉のような激しさと衝動を持ち合わせているが、2人はずっと互いを信頼していた。
でもTaylorの銃撃事件以来、TaylorはWillが罪悪感からやたら保護者的になっているのを感じ、それにうんざりしている。強気だからな、Taylor。

2人とも、元のようにしっくりくる相棒関係が恋しい。Willはそこに戻ろうとするし、あきらめているTaylorはWillから離れようとする。やっぱりここでも2人はくいちがいます。
相手に執着しているのはTaylorの方かと思いきや、WillもまたTaylorを失うくらいなら「セックスぐらいどうでもいい」というところまで追いつめられています。Taylorが自分と寝たいと言うのならそれでもいいか、とか。
冷静沈着をモットーとするWillが、これに関してはあんまりまともじゃない。

だがしかし、Taylorは意外と内面にロマンティックなところがあって、「セックスで全部片づくと思うなよ」となる。Willは「お前の望みはそれなんだろ」とくるし、Taylorは「お前は何もわかってない!」と反発する。
2人はまた対立し、怒りを剥き出しにしながら、互いの中を深くのぞきこみます。

導入部から彼らが互いの呼吸を探りあう、ひりひりくるような緊張感が漂っています。
たしかLanyonを読んだのはこれが最初だったんだけど、実に「男臭い」キャラにぐっときて、今でも大好きなコンビです。2人ともにきつく絡まった感情の糸の中でもつれながら、それぞれにもがいている。
その感情の強さや繊細さに、時おりほろりときます。

クライムサスペンスとしても上質にできていて、後半は追いつ追われつ、血なまぐさくスピーディな展開になっています。自分たちの感情の出口とともに、2人は生き残る道も探さないとならない。
戦う男たちの絆にぐっとくる人、男っぽいスラが好きな人にオススメ。

★山登り
★相棒

Old Poison
Josh Lanyon
Old Poison★★☆ summary:
Dangerous Groundの続編。

外交安全局の捜査官、Taylor MacAllisterとWill Brandtは3年にわたって仕事のいいパートナーであったが、1週間のキャンプとその時の事件を経て、2人は恋人同士になった。
それが一時的な関係で終わるのか、何かが始まっていくのか、見定めようとしながら、彼らは今の関係を満喫していた。どちらもが予想しえなかったほど、2人は互いにしっくりきた。

だがそんなある日、Taylorは差出人不明のプレゼントを受け取る。毒蛇の入った酒のボトル。
Willは誰かがTaylorにうらみを持っているのではないかと恐れるが、Taylorはそれを笑い飛ばした。
だがWillはどうしても不安が拭えず、Taylorが日本赴任時代の過去を話そうとしないことも気になっていた。

Taylorは、Willと関係を持ちはじめてからもまだ2人のことに自信が持てないでいた。自分ばかりがWillを好きで、相手によりかかっている気がする。
Willもまた、互いの将来と彼らの関係とを、どう秤にかけていいか考えあぐねていた。Taylorは愛しい。だがもし彼らの関係が明るみに出れば、どちらかは仕事を辞めなければならないかもしれない。
.....



冷静なWillとやんちゃなTaylor、という組み合わせが前作よりはっきりと浮き上がってくる続編です。
Willと仕事のコンビを一時的に解消しなければならないことや、その他聞きたくないことを聞かされたTaylorは、感情のあまりにひたすらに走り出してしまう。Willのそれ以上の説明も聞かず、ただあふれてくる感情に突き動かされて、全力疾走する。
彼には、そういうところがあります。感情が豊かで、自分でも時おりそれを扱えない。だからこそ、そばにWillのようなおだやかな男がそばにいると落ちつく。
いい組み合わせです。そういうところにぐっとくる。

前作でのWillは、彼らがつきあうのがいい考えだとは思っていなかった。そのことは彼にとってはもう過去のことだけれども、Taylorの方がまだそれを振り切れないでいます。
望んでいるのは、自分だけではないだろうか。Willはいつかまた、やはりTaylorとつきあうのがいい考えではないと思うのではないだろうか。
彼はまだ悶々としていて、そんなTaylorにさらに過去からの物事がふりかかる。捨ててきた筈の過去。
畳みかけるような展開の中で、2人はまた自分たちの関係を見つめ直し、新しい絆をつながなければならない。

好きな話の続編で、好きな話なんですけど、気が散る点がひとつ。
「日本での過去」が物語のひとつのキーになっているのですが、そこに出てくる「日本」の描写にどうしても微妙なズレが見えて、落ちついて筋を楽しめない時がある。
こればっかりはほんと、仕方ないですね。よく書けている方だとは思うんですが。
Taylorに警告のように届くのは「a cobra bottled in rice wine」で、rice wineが日本酒だというところから推察するに、これはマムシ酒かハブ酒。

個人的に多少のつまずきはありますが、それでもやっぱり、好きな話です。
彼らの間にある感情の激しさも相変わらず情熱的で、緊張感に満ちているし、2人の関係が少しずつ変わっていくストーリーからも目が離せない。
しかしWillの元彼は格好いいなあ。あれはTaylorが不安になるのも無理はない。

Lanyonのキャラらしい、内側に鋼のように強い熱を持った、輪郭の強い男たちの話。
そういう強い男が好きな人、前作の「Dangerous Ground」を楽しんだ人ならやはりまちがいなく買いの一冊です。前作よりTaylorが可愛い。

★仕事仲間(パートナー)

Deadly Nightshade
Victor J. Banis
Deadly Nightshade★★☆ summary:
Stanley Korskiは誰がどう見ても一目でわかる「ゲイ」で、彼とパートナーを組まされたTom Danzelはそのことについて幸せではなかった。
だが彼には、この新米でゲイの小柄な刑事とパートナーを組んで解決しなければならない殺人事件があった。

Stanleyにとって殺人課の刑事は、彼を忌み嫌う父親に対して示せる最大限「男らしい」仕事だった。
彼の考える「刑事」も「殺人捜査」もほとんどドラマの中にある物だが、この事件を解決さえすればは殺人課での未来がひらける。
彼は、Tomが自分のことを「ノーマル」と思いながら深くクローゼットに入っているケースだと思い、Tomに惹かれるが、パートナーと込み入ったことになるのは利口なこととは思えなかった。
それにTomはStanlyを汚い物のように嫌っている。

殺された被害者は、直前にドラッグクイーン──女装した男と連れ立っているところを見られていた。
StanlyとTomはドラッグクイーンやゲイがいりまじった世界に足を踏み入れて、容疑者のドラッグクイーンを探そうとする。そこはTomの知らない、あるいは知りたくなかった世界であった。
.....



サンフランシスコの刑事の話。「Deadly Mystery」シリーズの1。今5冊まで出ていて、2まで読んでみました。

ストレート、あるいはクローゼットに深々と入った警官と、あからさまにゲイの男というのは、「Adrian English」シリーズや「L.A.」シリーズなどにも見られるようにいいモチーフです。
ゲイをオープンにしてる側の方がのびのびしていて、警官が時には不本意なまま惹かれてしまい、葛藤するのが読みどころ。

今回は、自分がそもそもゲイであることを知らない男です。女性を好むと公言し、結婚したこともあり、ゲイを忌み嫌っている男、Tom。
彼のことをStanleyは「ネアンデルタール」と悪口を言うけれども、Tomに強く惹かれている。

読んでいてちょっとびっくりしたのが、Stanleyがやたら「オネエ系」とでも言うような話し方をするところ。"sugar"とか"honey"とか、別に深い仲じゃないのにわざわざそんな呼びかけをするのは、そういう人なのか、Tomへの嫌がらせなのか。シリーズの2ではそこまで「おかまっぽい」感じもなく、ただの活発なゲイなんですけど。
今回「ゲイはインテリアコーディネイトに気を使う」と断言してるところとか、ピンクのバスタオルを使ってるとか、偏見なのか(自分もゲイなんだけど)ジョークなのか、何だか微妙だった。私だけかも知れないけど、行間から「やたらなれなれしいオネエ」って感じがしてしまうのですよ。
これは結構ウザいと思う。ので、Tomが全力でStanleyの動きを防御しまくるのもよくわかります。

その一方で、二人の関係が近くなってからのStanleyの変化はおもしろいです。下品でなれなれしい態度やしゃべりは、多分Tomの嫌悪に対するStanlyの防御策のひとつで、本来繊細な人なんだと思う。
いざ据え膳!みたいな時になると、「終わったら嫌われるだろうなー」と思っていきなりそれまでのヤル気がどこかにいってしまったりとか。ちなみにStanleyは基本的にTopの人で、そんなことまで彼はべらべらとTomにしゃべるんだけど、最後にそれをTomが覚えているシーンがあって、なかなかほろりとします。びっくりもしたが。

おしゃべりなStanleyと遠慮のないTomの組み合わせで、会話はとても楽しい。捜査中の証人たちとの会話も切れがよくておもしろいです。ドラッグクイーンや、妻を捨ててドラッグクイーンにはまってしまった男とか、色々な人間が出てきます。
都会の片隅の吹きだまりにいる人たちの姿は、時にユーモラスで、時に痛々しい。乾いた筆致ですが、そういう「痛々しさ」をにじませるのがうまい作家なので、全体のミステリとしての雰囲気もいいです。
2人にハッピーエンドの気配はないまま、彼らの関係はもつれていく。スラとしてより、スラまじりのミステリとして読むのがおすすめ。

おしゃべりで活発なゲイの男と彼から「ネアンデルタール」扱いされる有能な刑事の組み合わせに萌える人に。

★ゲイ/ストレート

Deadly Wrong
Victor J. Banis
Deadly Wrong★★★ summary:
サンフランシスコ警察殺人課の新米Stanley Korskiは、上司に辞職を申し出る。
前の事件を解決できたのは運によるものだとわかっていたし、自分が警官に向かないことも彼にはわかっていた。
そして何よりStanleyは、Tomが2度と彼の方を見向きもしないだろうことに耐えられなかった。
Tom Danzel。決して自分がゲイであると認められない男。

上司はStanleyの辞職を留保し、とりあえず休暇を与えることで決着する。
そんな時、Stanleyは古い友達から電話をもらった。彼女の弟が人を殺したとしてつかまったのだと言う。
何かができるとは思えなかったが、Stanleyは押し切られて彼らの住むBear Mountainへ向かう。

山あいの小さな町で、彼が見たものは、保守的な人々の中でほとんど野放図にゲイとして生きていた被害者、そして彼の体を自分の好きに使っていた男たちの姿だった。
被害者が持つ唯一の「友」がCarlであり、そのCarlが今回の容疑者である。
状況はきわめてCarlに不利に見えたが、Stanleyはおぼつかないまま捜査をはじめる。

そんな時、サンフランシスコのStanleyの自宅をTomが訪れ…
.....



Deadly Nightshadeの続編。Deadly Mystery シリーズ2です。

前作で気になったStanleyの「オネエっぽさ」はなりをひそめてて、この人はこっちの方がいいと思うなあ。口から先に生まれてきたかのようなおしゃべりと早合点はそのままですが、そんな後先考えない活発さがStanleyのいいところ。

彼はシリーズ1で、クローゼットに深々と入った(入っていることを自分でも知らないほど)警官Tomに恋をしますが、結局Tomは自分の体面や未来のためにStanleyを去る。
傷心のStanleyは警察をやめてインテリアコーディネーター(これはどうも「ゲイっぽい」職らしい…)に戻ろうとするものの、意外にも上役からの評価が高く、結局辞職は保留されます。
そして古い友達を助けるために田舎町へと単身向かう。まあそのへんの無謀さも彼らしい。

「トラブルマグネット」とTomに言われたStanleyの性質は相変わらず健在で、彼はあちこち鼻をつっこみながらどうにか友達の弟の容疑を晴らしてやろうとする。
この話は真ん中近くまでTomが出てきません。ので、途中まではStanleyひとりによるTomへの恨み節とか未練と、事件捜査記録です。
まあ勿論、恋人は彼のピンチに駆けつけてくるわけですが。最後まで出てこないんじゃないかと思ってちょっとはらはらした。Tomはあんな強面だけど、結構理解があっていい男なんだよなあ。一見ただのマッチョですが、一皮剥けば「保護者」タイプのようで、StanleyはTomの保護者ボタンを押しまくるみたいです。

この話では、別れた2人がまたくっつきつつ、でも自分の立ち位置がよくわからない、Tomが何を求めているのか理解できないStanleyが迷ったり怒ったりするのも読みどころですが、一方で事件の陰影もなかなか深い。
特に、殺された青年の、誰とでも寝まくって、自分に暴力を振るうバイカーに依存していた姿は痛々しい。彼は結局、セックスを通してしか人間関係と言うものを感じられなかったのかもしれません。話の後半で出てくるのですが、友達のCarlに拒否された彼が1人で泣きじゃくっていたというシーンは非常に孤独で、そこに彼が陥っていた闇があるような気がします。
田舎町特有の閉塞感や、優越感や劣等感が至るところににじみ出す人間関係がよく書けていると思います。

読むならシリーズ1から。スラ要素のあるミステリって感じですが、入り組んだ人間関係が好きな人ならかなり楽しめるかと。主人公2人も入り組んでるけど、今回はほんとに背後で人と人との負の感情が絡み合ってて、最後に浮き上がる犯人の姿にも説得力を与えています。

「自分から別れた筈の相手を忘れられずに追っかけてしまうマッチョ」とかに萌える人にもおすすめ。TomはStanleyに自分の気持ちをなかなか言えませんが、それはわざとではなくて、表す言葉が見つからないからです。いい男ではあるんだが。
まだまだ彼らには波乱の予感がありますね。シリーズの先も楽しみです。

★別れた恋人
★自称ストレート

Blood Heat
Josh Lanyon
Blood Heat★★★ summary:
Dangerous Groundシリーズ3。

外交安全局の捜査官Taylor MacAllisterとWill Brandtは、長年仕事上のパートナーであり、パートナーとしては互いの呼吸をよくわかっていた。
だが、5ヶ月前にTaylorが撃たれて瀕死の傷を負い、3ヶ月前、彼らは恋人同士になった。

この新しい関係に、2人のどちらも確信が持てずにいた。関係が明るみに出れば、彼らはパートナーではいられない。TaylorはWillがいつか彼の手を離すのではないかと不安だったし、Willはその不安をどうしたらいいのかわからなかった。

そして、Willにはパリへの昇進の話が持ち上がっていた。
行け、とTaylorは言う。彼はその昇進がどれほどWillにとって大切なものか知っていた。
行くなとは言えなかった。
だが、Willが行けば彼らの関係は終わるだろう。Willがどう言おうと、2年の時間は長い。

Taylorの信頼を得られないことに、Willは苛立つ。
2人はニューメキシコに容疑者の女性を引き取りにいくが、女性は逃げ出し、賞金稼ぎやロシアマフィアを巻きこんだチェイスが始まって…
.....



Dangerous Groundシリーズ3。
Lanyonは「シリーズ物はだらだら続けず、適切なところで幕を引くべき」という考えの持ち主なので、実はこれはもう2で終わったと思ってた。好きなシリーズなので、3が出てすごくうれしい!

相変わらずのTaylorとWill。気持ちが先走ってまっすぐで無謀なTaylor、物事をあらゆる角度から見て冷静にコントロールするWill。
直情型×思慮型で、直情型は相手がとにかくただ大好き(わんこか)、思慮型はどんどん相手にはまっていながら、いつものごとく冷静。でも一皮剥くと、自分で思ってるほど冷静じゃない。
2人は色々な物事を互いの間にぶら下げたまま容疑者の女性を追いかけ、洪水に襲われたり、山の中をはいずり回ったりする。

Taylorはとにかく、Willのパリ昇進のことを受け入れようともがいている。あまりに努力しているので、WillがそんなTaylorの様子を見て心を痛めているほど。
Willにとっては「2年経ったら帰ってくる」なのですが、Taylorはそのことをどうしても信じられない。離れてしまえば終わったも同然だと思っている。「大丈夫、うまくいく」と言われれば「そうだな」とWillに笑顔で返しますが、その目の中にあるものは、深いあきらめです。
Willにはもうどうしたらいいのかわからない。行かない、という選択肢はない。でもこんな状態のTaylorを置いていくことは望まない。

Willがこれまでの2作を経て、この3作目でずずいっとTaylorに傾いているのが楽しいです。
元々彼はTaylorと関係を持つことに乗り気ではなくて(仕事とプライベートがややこしくなるから)、そのことが今でもTaylorの「俺がWillを好きなほど、Willは俺を好きではない」という頑固な判断の元になってしまっているのですが、実はもうWillの方が抜けられなくなっているんじゃないかなあ。
Taylorが眠っている時だけ、ものすごい優しいキスをしたりとか、割とWillも不器用です。

2人がごつごつとぶつかりあいながら、事件の中で翻弄されていく。
Taylorが人質に取られた時のWillの反応と、Willが人質に取られた時のTaylorの反応の差が笑えます。Taylor、やっぱり頭より先に手!なんだな。こいつほんと可愛い。
アクションも小気味よく、容疑者の女性や賞金稼ぎのキャラもさりげなく練り込まれてます。
ラストは…これは次作出るよなあ。出ないとすごく困る…
この1冊で完結はしてますけどね。シリーズ続行希望。

文章がハードボイルドっぽくてとても男臭い話なので、そういう話や、アクション絡みが好きな人におすすめ。
シリーズ1から読まないとかなりわからないので、1から行きましょう。

★パートナー

Cold Steel
Morgan Lee
Cold Steel★★ summary:
DEA、麻薬取り締まり局の捜査官であるParker Tateは、潜入捜査中の偽装身分のまま逮捕され、手錠をかけられる。
それは麻薬組織を検挙しつつ、彼の身の安全をはかるための芝居だった。

だが、両手にくいこむ冷たい手錠は本物だった。
そして手錠をかけたGarretの目の中には何かがあった。

Garret Lamontと彼は、相棒を組んでから数ヶ月と期間は短い。だがParkerははじめからGarretに惹かれるものを感じていた。
誰にも言うまいと思っていたその感情を、彼は捜査中の緊張感からGarretに告げ、逃げたのだ。
そのGarretの手錠が、今や彼の両手首にかかっていた。

署へ向かう筈の車が、誰もいない場所で止まった時、Parkerは驚かなかった。
.....



短くて展開の早いショートストーリーです。
基本的に迷いなく進んでいきますが、警官ふたりの力と力がぶつかりあう感じや、切羽つまった一瞬の感じがよく出ていると思う。
エロシーンもがつがつっとした荒い雰囲気があるので、そういうの好きな人ならかなり楽しい。

片方が手錠をかけられているというのがやっぱりいいですな!
そんな中で、Parkerは体だけの関係でもいいと思いながら、「その先」があったらいいとぼんやりと願っている。
そういう気持ちの揺れもちゃんとちりばめられています。

ハイスピードで、一気にエロまでたたみかけつつ、ちょっと小技がきいてる短編を読みたい時におすすめ。
頭をからっぽにして単純に楽しめます。


とりあえずSmashWordsにリンクしましたが、別のところから買った気もするんだよなあ。元の出版はDemanding Romanceなので、ここからたどると色々なところで買えるようです。

★短編エロ
★警官×警官

Imperfect
Cassidy Ryan
Imperfect★★★ summary:
刑事のZach GibsonとLogan Armstrongはパートナーだ。
だが、Zachは時おりLoganを撃ち殺してやりたくてたまらない時があった。無謀で命知らずのこの相棒に、何度Zachの命がちぢむ思いをさせられたことだろう。

お互いの性格のちがいにもかかわらず、彼らは仕事のパートナーである以上に、親友であり、そして、それ以上の関係でもあった。
それがどんな関係なのか、体以上のものなのか、どちらも名前をつけようとはしていない。彼らには、少なくとも今の彼らには、それでよかった。

Zachは祖父にたのまれて、死者から盗まれた指輪の事件を追い始める。
その事件は思いもかけず、Loganが10年前、過去に置いてきたつもりの痛みや親との壊れた絆を、2人の目の前に引きずり出すものとなっていき…
.....



よき相棒であり、互いにののしりあう悪友であり、背中をまかせられる友でもある。
私の好みど真ん中のタイプのカプなので、この話はとてもおいしかった。もうちょっと長かったら言うことないんだけど!でも、逆にこの短さだからこそ、いいところてんこもりって感じで幸せなのかもしれない。

話は、Zachが「金輪際てめえの相棒はやらねえ!俺はおりた!」と怒鳴るところからはじまります。Loganは犯人をつかまえてご機嫌だけど、Zachは相棒のやらかしたあまりにも無謀な行動が気に入らない。
それは愛だよ、というのは段々わかってくるのですが、どちらも互いの関係や、一緒にいる時の居心地のよさを名付けずに、今はそのままでいいとも思っている。イージーに、でも相手を大事にして、容赦なく罵倒する関係です。
朝方、腕の中で眠るLoganが、Zachの胸に顔をのっけてよだれを垂らしながらいびきをかいているのを見て、Zachはそんな彼をかわいいと思ってしまうんだけど、それを認めるくらいなら死んだ方がマシだとも思っている。口から出るのはいつもののしり言葉。そんな2人。くそう、萌える。

彼らの日々を揺るがすのがある盗難品の事件で、その中で、Zachはこれまで知らなかったLoganの一面を見る。墓に足を踏み入れることを極端にいやがり、その後誰かの墓参りに行ったようだったけれども、その花は家族によって無残につきかえされる。
明るく何事も気にしないようなLoganが、10年かかえこんできた闇。それを彼らは一緒に乗り越えていきます。

短いんだけど、全体の話のメリハリがよく利いていて、一緒に事件にあたっていく中で新たに深まっていく2人の関係が味わい深い。トレーラーハウスに住むLoganが家の図面を見てる姿とかね。
最後のオチまでいい感じで、悪友ぶりや相棒としての相性のよさ、バカップルっぷりなども味わえる良作だと思います。口の悪い相棒ものに萌える人なら絶対おすすめ。

★相棒
★家族との断裂

★Three-Star rating system★


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・2017年
・後半 王子二巻
・12月 アドリアンXmas

・ほかにも出るかも
・王子とか何か売れてくれ〜(色々軽くピンチ)
・来年はもふもふやるよ!

*発行済*
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・恋のしっぽをつかまえて
・狼を狩る法則
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・海賊王の死(アドリアン4)
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・幽霊狩り(ヘルハイ1)
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*他訳者さん*
・わが愛しのホームズ
・ロング・ゲイン
・恋人までのA to Z
・マイ・ディア・マスター