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Leftovers
Treva Harte
Leftovers★★ summary:
感謝祭は家族のものだ。
Emersonにとって、その日は家族に等しい古い友人たちと集まる、年に一度だけの日だった。

大学時代からの友人、PaulとLiz。
PaulとEmersonはかつて恋人同士だったが、ミュージシャンとしての成功を求めるPaulとEmersonの距離は広がり、今はこうして時おり会い、その時だけ情熱的な夜をすごすような、付かず離れずの関係になっていた。

だが今年は、Paulは物事を変えようと決心していた。
他人と距離を置き、いつも冷静で感情を表に出さないEmersonをどうにか説得し、彼らが恋人同士としてやっていけることをわかってもらおうと。

EmersonはPaulを愛していた。感謝祭の一日のために彼がどれほど心血を注いだか、Paulにわかるだろうか?
もしまた恋人同士になったとして、Paulが前のように一年中ツアーに出ているようなことに耐えられるとも思えない。
それに、EmersonにはPaulにも誰にも言っていない秘密、心に抱く恐怖があった。
.....



感謝祭に集まる友人3人、そのうち2人には過去あり。
感謝祭やクリスマスは普段会わない人も一斉に集まって顔合わせをしたりするので、色々な焼けぼっくいに火がついたりして、ロマンス的には大変おいしい頃合いとなっています。

その中でもクリスマスと感謝祭が違うのは(プレゼントやらクリスマスツリーやらはおいといて)、食べ物。アメリカ人は感謝祭にすさまじい量の食べ物を作るよね!いやヨーロッパのことは知らないだけだけど。
勿論ターキー、ところによってはマッシュポテトとか。デザートはパイ。なにもかも山盛り作ります。
この話での感謝祭のホスト役、Emersonも相当な量の食べ物を用意し、入念に準備をするのですが、彼にとってこの一日がどれほど大事な日なのか、Paulと会えるこの日だけが人生で意味のある日なのだとわかってくると、その準備の様子が痛々しい。

Emersonはきわめて痛々しい人間です。冷静沈着、知的で物静か。でも彼は見た目よりはるかに不安定で、その不安定さを人に見せないようにふるまっている。そして孤独です。
そんな彼に対するPaulは生き生きとして、成功したミュージシャンとしてあちこちとびまわりながら人生を楽しんでいる感じがある。でも彼も、Emersonがそばにいないことにはもう耐えられなくなっている。
彼らはかつて一緒にすごし、一緒に曲を作った。その曲がPaulをスターダムに押し上げた。でもPaulが去ってからずっと、何年もEmersonは曲を書いていない。
今年こそ。すべてを変えようとPaulは決心するのですが、Emersonの中には彼も知らないものがある。

Emersonの、ちょっと神経質なほどの繊細さを読む話です。彼は誰かの助けを必要としているのだけれど、Paulや誰かが助けようと手をのばすと後ろに下がってしまうようなところがあります。
PaulはもうそんなEmersonを手放すまいとしていてがんばるが、そのがんばりがPaul自身をまた限界までおいつめてしまう。

失われた絆を、とにかくもう一度やり直そうとする、新しい生き方を探すためのひとつひとつのステップが書かれています。どちらの気持ちもひたすら相手へ向かっている、その様子が切羽詰まっていて、読んでいると静かに引きこまれる感じ。
話としてはそう長くもなく、地味な感もありますが、そのあたりの心理の揺れが濃い。Emersonって、多分第三者から見ると能面みたいな人だけど、内心の感情はすごく豊か。そしてPaulはそれを読み取るのが誰より上手です。
そういう組み合わせに萌える人、繊細でプライドの高い受けが好きな人におすすめ。

★再会
★恐怖症

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