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[タグ]キャラ:探偵 の記事一覧

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Crossroads
Keta Diablo
Crossroads★★ summary:
Frank McGuireは彼に仕事のすべてを教えてくれた相棒が自分の腕の中で死んでから、警察をやめて探偵の仕事をしていた。
そんなある日、その相棒の息子が行方不明であると知らされる。

Rand Brennan。両親は彼が自分の性的なアイデンティティ──ゲイであることを受けとめ切れずに混乱していることをずっと心配していた。
彼は自分自身を探そうと模索する中で、マリファナを吸い、大学から消え、どこか場末のビリヤードホールで働いていたが、今や愛する妹からの電話にさえ出ようとしなかった。

FrankはRandを探す仕事を引き受ける。同時にFBIから依頼を受けて、少女連続殺人事件の犯人を追いはじめていた。
Frankを死者が訪れ、何かを告げようとするのだが、彼らが必死に告げようとするメッセージをFrankはうまくつかみ取ることが出来ない。
死者は何を望んでいるのか。シリアルキラーはどこで次の獲物を探しているのか。
.....



死者の声を聞くサイキックの元警官(30歳)と、その死んだパートナーの息子(22歳)の話。
全体にこう、展開が早いと言うか、たまにびっくりします。

Frankは銃に撃たれて自分の腕の中で死んだパートナーの記憶にまだ苦しんでいて、相手の家族と疎遠になっています。Randが消えたと聞いた時、彼を襲ったのはその後ろめたさと、かつてRandを見た時の記憶──自分の欲望でした。
彼はRandの行方をつきとめると同時に、この青年がもう二度と馬鹿な真似をして家族を心配させないように、こってりおしおきをしてびびらせてやろうと計画します。そして案の定というか何と言うか、その計画で彼自身も深みにはまってしまうのです。

このあたり「おいおい、そんなことしていいのかよ」とつっこみたくなる感じで、特に商業スラはNon-con(合意なし)は滅多に見ないのでびっくりしましたが、まあそういう感じの流れです。
互いの体に流されちゃう、というのはいいシチュだと思うので、そのへんのびっくりをクリアすると楽しい。でもやっぱりちょっと「おいおい」と言いたくなるような強引さだ、Frank!ってかヌンチャクはそういう用途に使っていいのか。パートナーの息子にそんなことしていいのか。

Frankはかなり強引でかたくなな男で、Randに対しても厳しい態度を取る。
自分のセクシュアリティに対してもがいているRandは、そんなFrankの行為に疑問や迷いを粉砕されるのだけれども、彼らはどうしても体が先行するので、どうにもコミュニケーション不足なところがあります。
でもRandのいさましさというか、強情さやへこたれなさはFrankといい勝負。こいつもちょっと無茶。

そんな肩肘はった2人ががつんがつんとぶつかりあいながら、時おり深々と相手をのぞきこむような一瞬の訪れが、濃密でいい。

文章はわりと味気ない方ですが、何せ勢いとエロがあるので、一気に楽しく読めます。つっこみどころは多い。多いが、でもそれは作品のマイナス部分というよりは、この話のスタイルであって、つっこみ含めで楽しむものだとも思います。
シリーズ続編あり。全体に、勢いと無茶ぶりで出来ている感じで、強引で支配的な攻め×意地っ張りで反骨精神のある受けに萌える人におすすめ。
エロは軽いBDSM風味。

ちなみにここの書店は警告をでかいアイコンで表示するのですが、それが何とも凄いので、リンク先要チェックです。確かにわかりやすいけど、もうちょっとためらえ。

★無理矢理エロ

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Crossroads Revisited
Keta Diablo
Crossroads Revisited★★☆ summary:
大学生たちが次々と謎の死を遂げる中、探偵のFrank McGuireは嫌な予感がしていた。
その予感は、忘れていた過去の亡霊の形をとって現れる。FBIからの情報によると、かつて彼のパートナーを殺した男が再び野放しになり、監獄に入れられた復讐のためにFrankを狙っていると言う。

Frankはその相棒の忘れ形見、大学生のRand Brennanと同居していた。
Randは大学に復帰していたが、Frankと約束しただけの成績を取ることが出来ず、しかも盗み酒をして勉強をさぼっているようだった。そちらもFrankには頭の痛い問題だ。

Randの存在はFrankを強く揺さぶる。欲望、飢え、支配欲。そして保護欲。どれもこれまで感じたことがないほど強い感情だった。
何よりもRandの安全が大事だと、FrankはRandを家から追い出して、母親の元へ帰す。
それが一時的なものになるのか、それともRandが脅したようにこれきり彼らの関係の終わりとなるのか、彼にはわからなかった。
.....



Crossroadsの続編。
相棒の息子をものにしちゃったFrankは、そのRandと暮らしながら、彼がきちんと勉学に励むように目を光らせている。そして怠けているのを知るや、早速「おしおき」にとりかかります。目的と手段があやしい。
相変わらず、無茶でエロな感じです。
アナルプラグとか入れて大学行かせるのは、かえって勉強に集中できなくて逆効果じゃないんだろうか。まあエロいからいいか!

そんで相変わらず、ここはぶつかりあっています。
エロエロでべたべたなのに、ほとんどキスシーンがないんだよね。それはやはり、彼らの距離感、そしてFrankの警戒心を表しているのでしょう。Randの存在に溺れながら、Frankはそれを示さず、強気な態度の下でどこか自分に逃げ道を残そうとしている。
Randはまあ快楽にくらんであんまりそのへんは深く考えてませんが、本能的にFrankの警戒を見抜いているようです。

体でつながっている、気持ちもどこかでつながっている、でもまっすぐに向かいあってはいない。
エロの時以外は状況の主導権を握ろうとして争う、強気な2人。
Randがセックスの最中にFrankの名前を呼ぶまいとするあたりなんか、Frankの葛藤を知りながら意地を張っているようで、なかなかに萌えます。最後は呼んじゃうんだけどね。


Hoarse, rough cries tore from his throat. Caught up in a tidal wave of heat, Frank’s name escaped, and he hated himself for saying it.


強引でやりたい放題の攻めとエロが好きなら、とても楽しく読めます。
ただちょっと校正が甘いのか、地の文の途中に " が入る誤植がいくつかあって一見セリフに見えるので、「Frankの大きなcockが入ってくると‥‥」といきなりセリフ内でエロを語り出しているかのようだ。
びっくりしたり、うっかり笑ったりしてしまいます。何故ピンポイントにエロでやるか。

中編くらいなので、勢いで読めます。Crossroads3作の中ではこれが一番好きかな。

★BDSM(おしおき程度)
★強引攻め×強情受け

Crossroads Showdown
Keta Diablo
Crossroads Showdown★★ summary:
探偵のFrank McGuireは、FBIの手助けをする為にウェストバージニアの町を訪れる。そこでは少女たちが次々と行方不明になり、親たちを恐慌の渦に叩き込んでいた。

そしてFrankはFBIだけでなく、幽霊にも呼ばれていた。行方不明になった少女たちと同じ年ごろ、似た姿形の少女。
だが被害者たちの写真の中に、彼女の顔はない。
少女は何者なのか? Frankに何を伝えようとしているのだろうか?

Frankの恋人、Rand Brennanは、彼らの関係にそろそろきちんとした形をつけるべきだと考えていた。Frankがどんな決断をするにせよ、このままうやむやで欲望に溺れるだけの関係を続けてはいられない。
そして、彼自身の未来を決めるべき時でもあった。大学を続けて医者を目指し続けるのか、それとも別の道を選ぶのか。
.....



Crossroadsシリーズ3作目。
今回はFrankがRandと離れて調査に行くこともあって、彼らのエロよりも事件の比重が大きいです。
まあテレホンセックスとかありますが。英語って色々説明するのがうまい言語なので、電話ごしのエロにすごく向いてるな。
Frankの周囲を幽霊がうろうろしているので、ちょっと物事はごたついていて、たまに笑えます。死んでる相手とは言え、子供の前でしごくのは確かに無理!

Frankは相変わらず、どこかコントロールをRandに奪われるのを警戒しているところがあるけれども、やはりRandの磁力には逆らえない。
そしてそのことを、彼は恐れている。誰かがそれほど強い力を彼の人生に及ぼすということを。恋に落ちていることはわかっているが、口に出さず、相手に知らせなければやりすごせると思っているふしもあります。
勿論、RandはそのままFrankを放っておいてくれるような親切な子ではないのですが。

RandにはRandで、自分の人生に対する思惑がある。
もし大学をやめて別の道を選んだら、Frankと一緒にはいられなくなるのか。
彼はFrankに決断を求める。それが彼らの人生を変えることになるとわかっていて、それでもまっすぐに斬り込んでくるRandは、シリーズ第1作目でマリファナの為に使いっ走りをやっていたRandとくらべると大きく成長したなあ。感慨があるのがシリーズ物のいいところ。

実のところ、そういう葛藤とか向き合うシーンとかはもっと深く掘り下げてある方が好きなのですが、このシリーズらしく色々ハイスピードでかっとばしていきます。そういう潔さと、言い方は悪いが、ある種単純化されたドラマがこの話の特徴でもある。わかりやすいし、キャラの輪郭が強く、スピード感がある。
ざっくり楽しむも、書かれていない部分を補完してじっくり楽しむもいいと思います。

前二作を楽しんだ人だったら必須。
とりあえず彼らの関係も一段落ついたので続くのかどうかがちょっとわからないけど、続編出たら買う。

★テレホンセックス

Catch Me If You Can
LB Gregg
Catch Me If You Can★★☆ summary:
小さな画廊で働くCaesar Romanoは、現代美術のアーティストの作品売り込みのために大きなパーティを開く。
それが割に合わない騒動の元だった。

何故かそのパーティにCaesarの昔の恋人が顔を見せ、作品のひとつが盗まれ、至るところで脅迫がとびかいはじめる。消えた絵、消えた金、明るみに出てはならないセックス映像。
山ほどの容疑者、非協力的な友人や雇い主。

そしてCaesarの周囲にいきなり現れた警官、Dan Green。目立つ傷を持ち、Caesarの行く先々に現れる彼は、だが目的を語ろうとしない。
何が起こっているのかわからないまま、Caesarはとにかく次のお披露目がある数日後までに、消えた作品を探し出そうとするのだが…
.....



LB Greggの新刊が出ると聞いて、先月から楽しみにしていました。
ここの攻め受け、大好きです。自立心が強く生き生きとして、いささか御しかねるほどの受け。強引でマッチョだけど受けにめろめろな攻め。
騒動に巻きこまれてはじたばた頑張る受けと、守ろうとして苛々する攻め、というコントラストがが見ていてすごく楽しい。

Caesarは金もなく、がんばってアートの世界で食っていこうとしているけれども、うまくいかない。イタリアの血を引く彼、そして彼の家族や一族は皆が血気盛んで、鼻っ柱が強いです。
一族のほとんどがレストランやそれに関わる仕事をしている中、Caesarは1人だけ別の道を選ぶ。彼の独立心はそれほど強い。金はないけど誇りはある。

どこからともなく彼の人生に現れたDanは、そんなCaesarの中にある忠誠心の強さやはねっ返りなところに引かれて、お互いにちょっとずつ綱引きをしながら、2人は近づいて行きます。
その様子がまた、可愛いというか、実にツボ。この人の書くエロは、受けがじたばたしてる感じと、最後には攻めの情熱に押し流されるように屈服してしまう様がドラマティックで、萌えるし楽しい。

話全体はもう「Caesar受難物語」で、次々と物事がふりかかり、混沌の内に流れ去っていく。実にスピーディ。
謎もテンポよく書かれていますが、やはりミステリというよりは事件の中で右往左往するCaesarの様子を楽しむ話でしょう。彼がまた嘘をついたり誤魔化したりするのが壊滅的に下手な男で、そういう状況に置かれるといきなりどもりまくるあたりも可愛い。活きはいいですが、わりと奥手で、純情。
それ以上トラブルにはまりこまないためにもお前にはDanが必要だよ、と読んでいてしみじみ思う。ちゃんとした大人の男なんだけど、でもやっぱりその生き生きとしたやる気は危険だ。

最終的に元彼がもうちょっと改心してくれてもいいのになあと思いましたが、まあそれはいいか。
シリーズ1と銘打ってあるので、続きが出るのも楽しみです。ちなみに作中で大切な役割を果たすJustin Timberlakeはミュージシャンの名前。超セレブ。

楽しい読書をしたい人、勝ち気な受けが強引な攻めに無理矢理甘やかされる様子に萌える人におすすめ。

★騒動
★元警官×イタリア男

Trust Me If You Dare
LB Gregg
Trust Me If You Dare★★★ summary:
Romano and Albrightシリーズ2

美術商のアシスタントからケータリングビジネスに転身したCaesar Romanoは、新しい恋人Dan Albrightとの関係にどこかまだ慣れることができないでいた。

そんな中、依頼されたパーティまで3日の猶予しかなく、しかも依頼主はCaesarの元恋人。
やむなく仕事を引き受けるCaesarだが、それは騒がしい日々の始まりだった。うっかり試乗した車で別の車に突っ込んでしまったのを皮切りに、Caesarは何故か誰かに後をつけられ、パーティに出られるようなウェイターはなかなか見つからず、元恋人の話を聞こうとするパパラッチに追い回され、しまいにはゴシップ誌に写真がでかでかとのってしまう。

右へ左へと走り回る日々の中で、彼は自分が追いつめられているのを感じる。仕事にか、それとも彼の周囲をかぎ回る何者かにだろうか?
それともCaesarが本当に怖がっているのは、彼の気持ちをつかんで離さない恋人のDanと、深い恋に落ちていくことなのだろうか。
.....



Catch Me If You Can」の続編。
年末にこのシリーズの新作が出ると聞いた時からすっごく楽しみにしてました。トラブルマグネットで無自覚天然ボケでうろたえ受けのCaesarが滅茶苦茶かわいいシリーズです。
彼がトラブルにつきあたるのを恋人で私立探偵のDanが救い出すのですが、いつもいつも優しい救い方ではないところもツボ。
Caesarは28歳、Danは40歳。年の差で抱擁攻めなんだけど(だからちょっと表紙のイメージはちがうなあ…)、「大人」って言うほど聞き分けがよくないDanだったりする。独占欲は強いし、強引だし、でもCaesarにめろめろ。

今回もCaesarはのっけから大きなトラブルに突っ込み、そしてトラブルはさらに彼を追い掛け回します。休む暇もなく駆けずり回りながら右往左往し、愚痴をこぼすCaesarですが、ただのドジっ子というわけではなく、芯はしっかりとしているし責任感もある。
ただ、トラブルの方が彼を決して放っておいてくれないのです。Danが溜息をついて「ニューヨークの警官はお前を四六時中張り込んでいる方が事件を解決できそうな気がする」と言う由縁です。

周囲もにぎやかで、世話焼きで過保護なイタリア人ファミリーがCaesarの面倒をみようとして、Caesarが天井を仰ぐの図もいつもの通り。
走り回るCaesarを見てるだけで楽しい一冊なのですが、事件に巻きこまれてじたばたするさなかでも、Danと彼は愛情と信頼の綱引きをしていて、その様子も今回の読みどころです。DanはCaesarが関係の変化を怖がっているのを知っているけれども、Caesarがほしい。
CaesarはDanに対して本気だけれども、一歩を踏み出すのは、いつも彼には大変なのです。
愛情以上に、その一歩のためには信頼が必要で、Danはさりげなく、色々な形でそれをCaesarに示そうとしています。決してCaesarを失望させたり傷つけたりしないと。

コメディとロマンスの入り混じったハイスピードな一冊。最後までテンションも勢いも下がらないのがさすが。
それにしても、前作からあんまりまともなところでするエロがない。今回も試着室とか路地とかあれこれ。盛り上がっちゃうと引き下がれない二人なのです。

楽しい読書がしたい時に、シリーズ第一作と合わせておすすめ。テンションあがります。

★トラブルメーカー

The Dark Tide
Josh Lanyon
The Dark Tide★★★ summary:
Adrien Englishの人生は、やっと平穏の時を向かえたかのように思えた。
銃で撃たれ、心臓の手術を受け、生き延びた彼の前には、ついに新しい人生がひらけているはずだった。
彼が愛したかつての恋人、Jake Riordanはカミングアウトを果たし、Adrienと生きて行きたいと告げる。それはAdrienの望みでもある筈だった。

だが、Adrienには未来も希望も見えてこない。
Jakeとの関係を取り戻すことすら怖く、Adrienは彼を遠ざけながら、彼のことを考え続けている。
Jakeと一緒にいた10ヶ月、離れていた2年間、そして再会の時に得た、心臓が引き裂かれるような心の痛みを。

そんなある日、Adrienが本屋を広げようとして買い取った建物から古い骸骨が見つかり、彼はその調査をJakeに依頼するのだが…
.....



Adrien Englishシリーズ最終巻。Lanyonは「ぐずぐずシリーズを続けるのは作家の最大の失敗のひとつ」とか言ってる人なので、多分潔く最後だろうなあ。残念。
とは言え、最後らしく読みごたえのある一冊です。表面的には穏やかだけれども、頑固で意地っ張りで人を一定以上よせつけないAdrienと、ゲイである自分自身に苦しみ、憎しみを抱えこんでいたJakeのたどりついた、人生の1ページが鮮やかに描かれています。

前作でJakeがカミングアウトし、彼らのハッピーエンドは約束されたかのようでしたが、果たして、そんなにうまくいくものではありません。Adrienは傷ついた痛みを忘れることはできないし、Jakeをどこかで信じ切れていない。
それは愛しているがゆえの痛みですが、深い痛みを知ったAdrienは怖じ気付いている。

今回の読みどころは、Adrienの痛みや迷いとともに、Jakeの変化でしょう。Adrienは、不可抗力のもとでカミングアウトをせまられたJakeが怒りや後悔を抱え込んでいるのではないかと恐れるのですが、Jakeは落ちついている。それどころか、これまで彼が抱え込んでいた刺々しい攻撃的な態度もなくなって、彼はきわめて穏やかで、平穏です。
JakeがAdrienに「カミングアウトはお前だけが原因ではない」というシーンがあります。Adrienの存在は一因でありきっかけで、ですがJakeはこれまであらゆる道を探したのだと。女とつきあい、結婚して家庭を作ろうとし、欲望は表から見えない形で吐き出してすませようとした。勝手ではありますが、それは彼にとって血のにじむような模索の結果だったわけです。自分ではないものになろうと。
そのすべてに失敗し、彼は、自分が生きるにはもはや偽りのない人生しかないと知る。そこまでもがきつづけ、自分を否定しつづけた──そんな壮絶な苦しみが文章の間から見えてくるような一冊です。

相変わらず、Adrienの皮肉っぽいユーモアや、斜めすぎる視点は健在です。つうかますます磨きがかってますね。物腰柔らかそうでキツい男なのですが、彼がJakeのそばにいると自分のガードを自然におろせる様子がほほえましい。
ミステリの部分もおもしろかったし、切なかった。チャンドラーのセリフや映画があちこちにちりばめられていて、Lanyonのチャンドラーに対する憧憬も見える。チャンドラーが舞台にした時代(ほぼ)を今回のミステリの背景にしたのは、偶然ではないでしょう。

上質の読書なので、じっくりと何かを読みたいときにおすすめ。あちこちに味わい深いシーンがあります。
中で言及される "Joan of Arc" はジャンヌ・ダルクのこと。
これだけを読んでもわからないので、シリーズまとめておすすめです。

★50年前の殺人

Finding Home
Cameron Dane
Finding Home★☆ summary:
Quinn Securityシリーズ

Adam Reyesは人の荷物やサイフをかすめとることで、どうにかその日を食いつないでいた。
だがある日、シカゴの空港で彼の幸運は尽きる。セキュリティの専門家、Rhone Quinnに狙いを付けたのがあやまちだったのだ。
いやもしかしたらそれは、これまでの人生の中で、Adamがつかんだもっとも大きな幸運だったのかもしれない。

Rhone Quinnは彼の携帯電話を狙ったすばしこい掏摸のガキをつかまえて、その素早さに内心舌を巻いていた。
理性に従えば、この少年を警察に突き出すべきだっただろう。だがRhoneは直感を選んで、Adamに人生をやり直すチャンスを与えることにする。
仕事と、住む場所も。

何年かをともにすごすうちに、Adamの存在はRhoneにとってかけがえのない仕事の片腕となっていた。そしてプライベートにおいても、AdamはRhoneの心の支えであり、常によい友であった。
だがAdamにはRhoneには言えない秘密があった。
彼はこの年上の男、自分の人生を救ってくれた男に長い間恋をしてきたのだ。ストレートであるRhoneが決して返してはくれない恋を。
.....



掏摸の少年と、彼をとっつかまえて別の人生を与えた男。
男性版シンデレラと言うか、足長おじさんという感じです。

およそ10年に渡る2人のエピソードが書かれていて、彼らが濃厚な人生の一瞬を積み重ねてきたことがわかるので、AdamがRhoneにめろめろなのが痛いほどにつたわってくる。
彼らはルームメイト、というかAdamがRhoneの部屋に居候する形で彼らの暮らしが始まるのですが、今となってはその状態がどちらにとっても心地よく、誰よりも距離が近い2人になっていきます。でもRhoneはストレートなので、Adamのことをそういう目では見てくれないけれども。

保護者で同居人とか、ネタや展開は大好きな一作です。
しかし、個人的にこの話には全体に難があってこれまでレビューを書かずに放置してきました。でもシリーズ続編が出たので、今回こっちもレビューしとこうかなーと。
何が難かと言うと、話は好きなんだけど、正直ちょっとエロシーンがな。まあ色々あるんだけど、女性がらみになったり、「いやそれは微妙」と一歩引きたくなるようなシチュがあったりするのですよ。女性がらみ(ややアブノーマル)がOKな人なら濃厚でいいと思う。濃い濃いじつに濃い。

んでもって、続編として2人の後日談「Saying I Do」(エロだく楽しめ、なかなかにおすすめ)と、この話にも出てくるCaninとKaseyの男女SMもの「The Ultimate Kink」(男女もの好きな人に)なんかもあるので、興味があったらそのへんも。書店のページでシリーズ全体の確認ができます。

★保護者
★ルームメイト

★Three-Star rating system★


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